シャトレーゼ勝沼ワイナリーとは?
シャトレーゼ勝沼ワイナリーは、山梨県甲州市勝沼町の綿塚(わたつか)にあるワイナリーです。シュークリームやアイスで知られる菓子メーカー、シャトレーゼのグループ会社「株式会社シャトレーゼベルフォーレワイナリー」の醸造所で、正式には「シャトレーゼベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー」といいます。
ワイナリーの公式サイトは、ワインを始めたわけをこう書いています。
ぶどうと言えばワイン。食後のデザートだけでなく、食全体を通して楽しめる、上質なワインをお届けしたい
このワイナリーの特徴は、勝沼のあちこちに散らばる小さな自社畑と、そのぶどうを畑ごとに分けて仕込む造り方にあります。
斜面と川沿いに散らばる小さな畑
公式サイトが挙げる自社農場は九つあります。名前は鳥居平(とりいびら)、等々力(とどろき)、野呂、横町、菱山(ひしやま)、等々力箕輪、下岩崎、井戸尻、須玉(すたま)。いちばん広い菱山でも1.6ヘクタールで、ほかはほとんどが0.1〜0.5ヘクタールの小さな畑です。須玉だけは勝沼から離れた北杜市にあり、3ヘクタールあります。
畑の広さは、資料によって数字が違います。同じ公式サイトの中でも「合計約3ヘクタール」と書くページと「約6.0ヘクタール」と書くページがあり、山梨県の観光サイト(2022年時点)は「勝沼町に自社畑を2.2ヘクタール」としています。農場ごとの面積を足すと、勝沼町内の八つでおよそ3ヘクタール、須玉を加えて6ヘクタールあまりになるので、二つの数字は須玉を数えるかどうかの違いとみられます。
公式サイトによれば、畑は甲府盆地を見下ろす高さにある山の急斜面や、勝沼町の真ん中を流れる日川(にっかわ)沿い、平地にあり、条件がそれぞれ違います。土も、山の斜面は粘土質、川沿いは砂を含んだ土です。そのため同じ品種でも味が変わるとして、畑ごとの個性を生かしてワインに仕上げているといいます。県の観光サイトは、200リットルから3,000リットルまでの小さなタンクで、区画ごとに仕込んでいると紹介しています。
植えている品種の幅も広く、甲州やデラウェアのほか、メルロ(Merlot)、シャルドネ(Chardonnay)、ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)、セミヨン(Sémillon)、シラー(Syrah)などのヨーロッパの品種が並びます。南フランスのムールヴェードル(Mourvèdre)、南西フランスのタナ(Tannat)、交配品種のマルスラン(Marselan)まであり、公式サイトは「試験的にトライしている品種もあります」と書いています。仕立ては、低い柵に枝を沿わせる垣根式と、頭の上に棚を張る棚式を、品種によって使い分けています。
収穫はひと房ずつ手で行い、ボランティアやシャトレーゼの収穫体験ツアーの参加者と一緒に摘むこともあるそうです。
歩み
シャトレーゼの始まりは、1954年に甲府市で開いた今川焼き風のお菓子「甘太郎」の店です。1964年に旧勝沼町でアイスクリームの「大和アイス」を設立し、1967年にこの二社が合併して「シャトレーゼ」の名前が生まれました。ワイナリーの公式サイトは勝沼を「シャトレーゼの創業地」と書いていますが、グループの沿革でたどると、勝沼はお菓子の店の地ではなく、社名が生まれる前にアイスの会社を興した地にあたります。
2000年9月、その旧勝沼町に「シャトレーゼ勝沼ワイナリー」が開きました。2002年には甲斐市(旧双葉町)のベルフォーレワイナリーを買い取り、二つのワイナリーでワイン事業を本格的に始めています。会社としての名前がいまの「シャトレーゼベルフォーレワイナリー」になったのは2003年です。
2012年7月には、瓶の中でもう一度発酵させて泡をつくる本格的なスパークリングワインの設備を入れました。それまではすべて手作業だった工程が半ば自動になり、品質も作業の効率も上がったと公式サイトは書いています。
代表的なワイン
甲州シュール・リーは、甲州市勝沼町で穫れた甲州ぶどうの辛口の白ワインです。シュール・リー(sur lie)は、発酵を終えたあと、底に沈んだ酵母のおり(澱)とワインをしばらく触れさせておく造り方で、うまみが出るとされます。華やかな香りと、しっとりした果実の風味があると説明されています。2025年の収穫分が、日本ワインコンクール2026で金賞を受けました。
同じ甲州でも、勝沼甲州樽発酵はフランス産のオークの小樽で発酵・熟成させた辛口で、果実の厚みに柔らかい樽の香りが重なるとされています。甲州で造り方の違う辛口を並べている点は、県の観光サイトも紹介しています。
勝沼シャルドネスパークリングは、勝沼町の自社農場のシャルドネを瓶内二次発酵させた辛口のスパークリングワインです。きめ細かい泡と、樽の風味、キレのあるうまみが特徴とされています。
赤ワインでは、プティジョアが勝沼町の自社農場で穫れたメルロ、プティ・ヴェルド(Petit Verdot)、カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)を合わせ、オーク樽で熟成させています。公式サイトは「勝沼町産100%のボルドーブレンド」と呼んでいます。マスカット・ベーリーA樽貯蔵は山梨県産のマスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)を樽で熟成させた軽やかな赤ワインで、アルコール度数は10.5%です。2024年の収穫分がインターナショナルワインチャレンジ2026で金賞を受けています。
いちばん上に置かれているのが、プレミアムシリーズの「トロワ・ジョア(Trois Joie=三つの喜び)」です。ぶどうを育てる人、ワインを造る人、飲む人の三者がそろって喜べる出来になった年にだけ造るとされ、年によっては造らないこともあると公式サイトは断っています。
お菓子の会社らしく、甘口もあります。勝沼の自社農場のデラウェアで造る甘口の白ワインは、公式サイトでデザートワインにすすめられています。





