Vino Storia

ワインのお話

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのワイン一覧


ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは?

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)は、サンジョヴェーゼ(Sangiovese)という黒ぶどうだけからつくる、辛口の赤ワインです。色は濃いルビーで、熟成が進むとガーネットに寄っていきます。売り出すまでに4年あまりねかせる決まりがあり、生産規定は、収穫の年の出来しだいで10年から30年は保存できるとしています。

つくられているのはトスカーナ州の南、シエナの街から40キロほど南にあるモンタルチーノ(Montalcino)の丘です。産地はモンタルチーノの町の全域で、オンブローネ(Ombrone)、アッソ(Asso)、オルチャ(Orcia)の三つの川の谷に囲まれた、一辺15キロほどのほぼ四角い土地です。規定によれば、気候は地中海性で乾きぎみですが、冬には標高400メートルより上で雪が降ることもあります。

フィレンツェリグーリア海ティレニア海ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
トスカーナ州の中のモンタルチーノ。産地は、2017年に隣の町と合併する前のモンタルチーノの町の範囲 小さな点は、この州のほかの DOCG です。 地図: Istat(CC BY 4.0・加工あり)

決まりは範囲を、2011年11月30日の時点の町の境界で定めています。町は2017年に隣のサン・ジョヴァンニ・ダッソ(San Giovanni d’Asso)と合併して広くなりましたが、この日付があるため、産地は元の町の範囲のままです。

手前にオリーブの木が並び、その奥の斜面にぶどう畑が広がる。遠くに青い丘が連なる
モンタルチーノの町の南の斜面。手前にオリーブ、奥にぶどう畑が広がる(2025年5月)Librarygroover / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

「ブルネッロ(Brunello)」は、もとはこの丘で育つぶどうの呼び名でした。保護協会によれば、19世紀にこのあたりの農家が試していた「ブルネッロ」という地元のぶどうは、サンジョヴェーゼの一種とされました。生産規定は、この造り方の先駆けとしてクレメンテ・サンティ(Clemente Santi)の名を挙げています。1869年に、彼が1865年のぶどうでつくった「選りすぐりのワイン(ブルネッロ)」が、地元の品評会で銀メダルを受けたと記しています。

1966年にDOC、1980年にDOCGとなりました。DOCGは、イタリアの原産地呼称のうち、生産の条件がもっとも厳しい区分です。保護協会はブルネッロを最初のDOCGとしていますが、同じ日付の決定でバローロとヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノもDOCGになっています。

森に覆われた丘の上にぶどう畑と糸杉の並木があり、赤い屋根の農家が建っている
モンタルチーノの町のそばの丘。森に囲まれた斜面に、ぶどう畑と糸杉の並木があるtrolvag / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

どんなワインか

決まりでは、樫(オーク)の容器で2年以上熟成させ、瓶に詰めてからも4か月以上ねかせます。売り出せるのは、収穫の年から数えて5年が過ぎた翌年の1月1日からで、2021年に穫れたぶどうなら2026年の1月です。リゼルヴァ(riserva)を名乗るなら、瓶での熟成が6か月以上になり、売り出せるのはさらに1年あとです。

色は濃いルビーで、熟成とともにガーネットに近づきます。香りは強く、この呼称らしいものとされ、規定の歴史の項は、森の下草(sottobosco)や香りのよい木、小さな果実、ほのかなバニラ、ジャムにたとえています。味わいは辛口で温かみがあり、渋み(タンニン)がいくらか感じられて力強く、よくまとまっていて余韻が長く続きます。アルコール分は12.5%以上です。

瓶は濃い色のガラスのボルドー型と決まっていて、継ぎ目のない一枚もののコルクで栓をします。

濃い色のガラスの、肩の張った瓶。ラベルに BRUNELLO DI MONTALCINO、BIONDI-SANTI、RISERVA 1985 の文字がある
ビオンディ・サンティのブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リゼルヴァ(1985年)。濃い色のボルドー型の瓶Renzo Grosso / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

同じ町には、同じサンジョヴェーゼでつくるロッソ・ディ・モンタルチーノ(Rosso di Montalcino)というDOC(DOCGの一つ下の区分)もあり、保護協会は若いうちに飲むワインとしています。ブルネッロとして仕込んだワインを、こちらの名前に切り替えて出すこともできます。


使われているぶどう品種

サンジョヴェーゼだけでつくり、ほかの品種を混ぜることは認められていません。規定は、有機物が少なく石灰質で、水の足りなくなりがちな土が、サンジョヴェーゼの勢いを抑え、実る量を少なくするとしています。いまの規定の品種の欄にはサンジョヴェーゼとだけあり、「ブルネッロ」の名は出てきません。

丘の斜面いっぱいに広がる緑のぶどう畑。その先に、畑と森が入り混じった低い丘が遠くの山まで続く
6月のモンタルチーノのぶどう畑。その先に、畑と森の入り混じった丘が続くMegan Cole / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

同じ州でこの品種を主役にするDOCGには、キャンティ・クラシコ(Chianti Classico)、キャンティ(Chianti)、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ(Vino Nobile di Montepulciano)、モレッリーノ・ディ・スカンサーノ(Morellino di Scansano)などがあります。


価格帯

調査時点(2026年9月23日)に楽天市場で見つかった、750ミリリットルの単品の価格です。セット商品、ハーフやマグナムなどの瓶、ロッソ・ディ・モンタルチーノは除いています。

確認できた本数価格の幅中央値
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ903本3,835円〜340,000円14,300円
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リゼルヴァ199本9,480円〜282,865円26,510円

通常のものは、1万円未満が3割ほど、2万円未満が7割ほどでした。2010年以前に収穫された古い年のものは、中央値が3万5,000円ほどです。価格は税込の表示で、送料は含みません。同じワインを複数の店が売っているので、本数は銘柄の数ではありません。


ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに合わせる食事

イタリア政府観光局がモンタルチーノで味わう料理に挙げるのは、イノシシのラグーをかけたピーチ(pici)です。スパゲッティより太い、手でのばしてつくるシエナの地方の生パスタです。同じ観光局は、オルチャ渓谷で育てられる豚チンタ・セネーゼ(Cinta Senese)の肉にブルネッロが合うと紹介しています。

保護協会と規定は、赤身の肉や野生の鳥獣の肉を、きのこやトリュフを添えて合わせるとしています。チーズなら、熟成したトーマ(toma)やトスカーナのペコリーノ(pecorino)です。

日本の食卓で試すなら、猪肉や豚肉のラグーであえた太めのパスタ、豚肩ロースのロースト、牛肉ときのこのソテー、熟成したペコリーノが、地元の料理に近い組み立てです。規定は、口の広いグラスで、18〜20度ほどで出すよう書いています。