キャンティ・クラシコのワイン一覧
キャンティ・クラシコとは?
キャンティ・クラシコ(Chianti Classico)は、サンジョヴェーゼ(Sangiovese)という黒ぶどうを8割以上使ってつくる、辛口の赤ワインです。色はルビーで、花のような香りがあります。どの瓶にも、首か裏のラベルに黒い雄鶏(Gallo Nero)の印が付いています。名前の似たキャンティとは別の呼称で、産地も決まりも別々に定められています。
つくられているのはトスカーナ州のまんなか、フィレンツェとシエナのあいだの丘です。グレーヴェ(Greve in Chianti)、カステッリーナ(Castellina in Chianti)、ラッダ(Radda in Chianti)、ガイオーレ(Gaiole in Chianti)の四つの村は全域が、ほかの村は一部が産地に入ります。畑は標高700メートルまでの丘に限られ、谷底や湿った土地は外されています。

黒い雄鶏の印をよく見ると、「1716」という年が入っています。この年、トスカーナ大公コジモ3世(Cosimo III)が布告を出し、「キャンティ」を名乗ってよいワインの範囲を、グレーヴェ、パンツァーノ、ラッダ、ガイオーレ、カステッリーナを含む土地に決めました。生産規定は、これを法で範囲を定めた世界で最初のワイン産地だとしています。
評判が広がると、周りの土地でも「キャンティ」を名乗るワインがつくられるようになりました。1924年、もとの範囲の33の生産者が協会をつくり、中世にフィレンツェがこの地に置いた「キャンティ同盟」の紋章、黒い雄鶏を印に選びます。1932年にもとの範囲のワインが「クラシコ」を名乗れるようになり、1996年にはキャンティから独立した呼称になりました。
協会は、雄鶏の伝説も紹介しています。フィレンツェとシエナが夜明けの雄鶏の声を合図に騎士を出し、出会った場所を境にしようとしたところ、フィレンツェの黒い雄鶏は空腹にされていたため夜明け前に鳴き、キャンティのほとんどがフィレンツェのものになった、という話です。

どんなワインか
通常のものは、収穫の翌年の10月1日から売り出せます。2025年に穫れたぶどうなら、2026年の10月からです。
| 区分 | 熟成の決まり | アルコール分 |
|---|---|---|
| キャンティ・クラシコ | 収穫の翌年10月1日から出荷 | 12%以上 |
| リゼルヴァ(Riserva) | 24か月以上(うち瓶で3か月以上) | 12.5%以上 |
| グラン・セレツィオーネ(Gran Selezione) | 30か月以上(うち瓶で3か月以上) | 13%以上 |
グラン・セレツィオーネは、瓶に詰める会社が自分で育てたぶどうだけでつくり、熟成とアルコール分の決まりがいちばん厳しい区分です。ラベルに、カステッリーナやパンツァーノなど、11の地区の名前(UGA)を一つ書き添えることもできます。

通常のものは、香りが強く、花を思わせます。味わいは辛口で、みずみずしく、サピド(sapido)で、渋みは軽く、時間とともにこなれていきます。サピドは日本語にしにくい語で、「味がしっかりある」という意味で使われます。リゼルヴァは熟成とともにガーネットに近づき、グラン・セレツィオーネは香りにスパイスが感じられます。
使われているぶどう品種
サンジョヴェーゼを80%以上使い、100%でもかまいません。残りの2割までは、トスカーナで育てることが認められた黒ぶどうで、地元のカナイオーロ(Canaiolo)やコロリーノ(Colorino)のほか、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨンも使えます。白ぶどうは入れられません。

グラン・セレツィオーネは2023年の改定で、サンジョヴェーゼ90%以上、残りは決まりに名前の挙がった8つの地元の品種だけ、と変わりました。報道によれば、2027年の収穫から当てはめられます。
規定は、この地区では砂岩の土がアイリスとスミレの花の香りを、石灰質の土が森の小さな果実の香りを与える、と書いています。土台の岩には、ガレストロ(galestro)と呼ばれる、薄くはがれる頁岩(けつがん)もあります。

サンジョヴェーゼが主役のDOCGには、キャンティや、この品種だけでつくるブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)があります。
価格帯
調査時点(2026年9月23日)に楽天市場で見つかった、750ミリリットルの単品の価格です。セット商品、ハーフやマグナムなどの瓶は除いています。
| 確認できた本数 | 価格の幅 | 中央値 | |
|---|---|---|---|
| キャンティ・クラシコ | 578本 | 1,298円〜40,546円 | 4,015円 |
| リゼルヴァ | 295本 | 2,728円〜66,000円 | 5,655円 |
| グラン・セレツィオーネ | 232本 | 3,520円〜58,465円 | 9,553円 |
通常のものは、7割ほどが5,000円未満でした。価格は税込の表示で、送料は含みません。同じワインを複数の店が売っているので、本数は銘柄の数ではありません。
キャンティ・クラシコに合わせる食事
トスカーナ州の観光公式サイトは、キャンティ地方のワインに合う土地の味として、地豚チンタ・セネーゼ(Cinta Senese)の生ハムやサラミ、鶏の首に詰め物をしたコッロ・リピエーノ(collo ripieno)、鶏のレバー、トリッパ(牛の胃)、黒キャベツと豆のスープをパンと煮返すリボッリータ(ribollita)を挙げています。イタリア政府観光局は、キャンティ・クラシコにはフィレンツェ風のトリッパを合わせたい、としています。骨付きの厚い牛肉を焼くビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(bistecca alla fiorentina)は、フィレンツェの名物です。
日本の食卓で試すなら、鶏レバーのパテをのせた薄切りのパン、ハチノスのトマト煮、厚切りの牛肉の炭火焼き、豆と野菜のスープが、地元の料理に近い組み立てです。
