トレッビアーノのワイン一覧

1,650円
マシャレッリ(Masciarelli) / 販売: 酒宝庫 MASHIMO

1,815円
ビジ(Bigi) / 販売: 酒類の総合専門店 フェリシティー

3,696円
ティベリオ(Tiberio) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

カステルグレーヴェ ヴィン・サント・デル・キャンティ 2021(375ml)
3,113円
カステッリ・デル・グレヴェペーザ(Castelli del Grevepesa) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店
トレッビアーノとは?
トレッビアーノ(Trebbiano)は、トスカーナ、ウンブリア、アブルッツォなど、イタリア中部を中心に植えられている白ぶどうです。ウンブリア州のオルヴィエートやアブルッツォ州の辛口の白ワインになり、トスカーナでは、干してから仕込む甘口ワイン、ヴィン・サント(Vin Santo)の主役にもなります。
ただし「トレッビアーノ」は、ひとつの品種の名前ではありません。国の品種登録簿には、トレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)、トレッビアーノ・ロマニョーロ(Trebbiano Romagnolo)、トレッビアーノ・スポレティーノ(Trebbiano Spoletino)、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ(Trebbiano di Soave)など、名前の後ろに土地の名を添えたトレッビアーノが、別々の品種として並んでいます。
名前は同じでも、DNAで見ると別々のぶどうです。ミラノ大学の研究者が2001年に発表した分析では、調べた7つのトレッビアーノのあいだの違いは大きく、共通の祖先をもたないと考えられる、という結果でした。はっきり近かったのは、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェと、ガルダ湖の南のトレッビアーノ・ディ・ルガーナ(Trebbiano di Lugana)の組だけです。しかもソアーヴェのほうは、マルケ州のヴェルディッキオと同じ品種でした。
名前の由来について、アブルッツォの生産規定はローマ時代にさかのぼって説明しています。博物学者プリニウスが記した「トレブラヌム(trebulanum)」というワインの名は、農家や集落を意味する「トレブラ(trebula)」から来ていて、トレッビアーノはもともと、田舎の農家でつくる土地の白ワイン、というほどの意味だったという説明です。一方、2001年の論文は、エトルリアの町の名やトレッビア川(Trebbia)から来たという説も並べていて、由来はひとつに決まっていません。

どこで育てられているか
いちばん広く植えられているのは、トレッビアーノ・トスカーノです。品種登録簿は、フランスではユニ・ブラン(Ugni Blanc)と呼ばれると記し、ビアンカーメ(Biancame)とプロカニコ(Procanico)も同じ品種の別名として載せています。
アデレード大学のワイン経済研究センターがまとめたデータベースでは、イタリアのトレッビアーノ・トスカーノの畑は3万7,000ヘクタールほどで、白ぶどうではプロセッコのぶどうグレラ(Glera)に次ぐ広さです。EUの統計局(Eurostat)の2020年の値です。イタリアの農業関係の公的機関である ISMEA の2025年の数字では2万9,000ヘクタールほどで、2005年からは3割あまり減っています。
登録簿によれば、このぶどうを使ってよい原産地呼称は、DOCGが3つ、DOCが84あります。イタリア政府観光局は、19世紀にリカーゾリ男爵(Bettino Ricasoli)が考えたキャンティの配合に、のちにトレッビアーノ・トスカーノが加わったと書いています。
ほかのトレッビアーノにも、それぞれの土地があります。トレッビアーノ・ロマニョーロはエミリア=ロマーニャ州のロマーニャ地方のぶどうで、畑は1万5,000ヘクタールほどです(同じデータベース、2020年)。アブルッツォにはトレッビアーノ・アブルッツェーゼ(Trebbiano Abruzzese)があり、長いあいだボンビーノ・ビアンコ(Bombino Bianco)と取り違えられてきました。1972年の最初の規定には、「トレッビアーノ・ダブルッツォ(ボンビーノ・ビアンコ)」と書かれていたほどです。
トレッビアーノが主役のワイン
主な呼称と、使うトレッビアーノの割合です。DOCとDOCGは、産地や造り方が国の決まりで定められたイタリアの原産地呼称で、DOCGはそのうち条件がもっとも厳しい区分です。
| ワイン | 州 | 使うぶどうと割合 |
|---|---|---|
| オルヴィエート(Orvieto、DOC) | ウンブリア、ラツィオ | トスカーノとグレケット(Grechetto)で60%以上 |
| トレッビアーノ・ダブルッツォ(Trebbiano d’Abruzzo、DOC) | アブルッツォ | アブルッツェーゼとトスカーノで85%以上 |
| ロマーニャ・トレッビアーノ(Romagna Trebbiano、DOC) | エミリア=ロマーニャ | ロマニョーロ85%以上 |
| ヴィン・サント・デル・キャンティ(Vin Santo del Chianti、DOC) | トスカーナ | トスカーノとマルヴァジア・ビアンカ・ルンガ(Malvasia Bianca Lunga)で70%以上 |
オルヴィエートの町は、凝灰岩(tufo)の大きな岩山の上にあり、岩の中にはエトルリア人が残した洞窟や井戸、トンネルが広がっています。生産規定によれば、エトルリア人はこのやわらかい岩をワインづくりに使ったとされます。地上でぶどうを踏み、果汁を素焼きの管で下の階へ流して発酵させ、さらに下の階で寝かせる「三階建て」の仕組みです。いまは辛口が中心ですが、やや甘口から甘口までつくられています。

ヴィン・サント・デル・キャンティは、選り分けたぶどうを部屋で自然に干し、糖分を濃くしてから仕込みます。発酵と熟成は、5ヘクトリットル以下の小さな木の樽「カラテッロ(caratello)」で行い、売り出せるのは収穫から3年目の11月1日以降です。

ガルダ湖の南の白ワイン、ルガーナ(Lugana)のぶどうも、地元ではトレッビアーノ・ディ・ルガーナと呼ばれます。ただ、規定はこれをトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェとしていて、トスカーノとは別の品種です。
どんなワインになるか
オルヴィエートは、色が麦わら色で、濃さには幅があります。香りは穏やかで心地よく、辛口のものは後味にかすかな苦みが残ります。
トレッビアーノ・ダブルッツォも麦わら色です。香りは強さと繊細さをあわせ持ち、果物や花を思わせ、熟成したものでは鉱物を思わせる香りも出てきます。味わいは辛口からやや甘口まであり、なめらかで、アーモンドを思わせる後味が残ります。
ロマーニャ・トレッビアーノは麦わら色で、ぶどうの果汁を思わせる心地よい香りがあり、味わいは調和がとれています。
ヴィン・サント・デル・キャンティは、色が麦わら色から黄金色、琥珀色まであります。香りは強く、熟成を感じさせ、味わいはなめらかです。辛口のものから、甘みのはっきりしたものまであります。
トレッビアーノに合わせる食事
トスカーナでは、ヴィン・サントにアーモンド入りの固い焼き菓子、カントゥッチ(cantucci)を浸して食べます。イタリア政府観光局は、地理的表示を持つ「カントゥッチ・トスカーニ(Cantucci Toscani)」を、ヴィン・サントに浸すための乾いた焼き菓子として紹介しています。

アブルッツォの海岸の名物は、魚のスープ「ブロデット(brodetto)」です。観光局によれば、ジュリアノーヴァ、ペスカーラ、オルトーナ、ヴァストと町ごとに作り方が違い、魚を丸ごと鍋に入れて、かき混ぜずに煮込みます。オルトーナから南には、木の脚で海の上に張り出した漁の仕掛け「トラボッコ(trabocco)」が並ぶトラボッキ海岸が続き、観光局は、ここで土地の料理とともにトレッビアーノ・ダブルッツォを一杯、と勧めています。
日本の食卓で試すなら、魚介をトマトで煮込んだ一皿と辛口のトレッビアーノ・ダブルッツォ、アーモンド入りの固い焼き菓子とヴィン・サント、という組み立てが地元の料理に近い形です。
