Vino Storia

ワインのお話

山梨 / 勝沼

くらむぼんワイン

Kurambon Wine

宮沢賢治の童話で蟹が話す言葉を社名にした、勝沼の家族のワイナリーです。養蚕農家の家を移した母屋で、ワインを試飲できます。

  • 見学 休止中
  • 試飲あり
  • ショップ

見学・予約

見学
休止中(ワイナリーツアーは人員不足のため中止していて、再開は未…

営業案内

営業時間
平日 13時〜16時(試飲の受付は15時30分まで)
土日祝日 10時〜12時(試飲の受付は11時30分まで)、13時〜16時(同15時30分まで)
定休日
水曜日、年末年始(醸造の時期などに臨時で休むことがある)
試飲
売店(母屋のテイスティングルーム)でワインを試飲できる。ぶどうジュースの試飲・販売はない
ショップ
あり(母屋のワインショップ。オンラインストアもある)

車・バイク・自転車を運転する人には、試飲のワインを出していません。
店内が狭いため待つことがあり、混み合う時間は5人以上のグループは入りにくいことがあります。試飲室には、原則として試飲する人だけが入ります。
敷地には車やフォークリフトが出入りするので、子どもを庭で遊ばせないでください。ペットは敷地に入れません。
臨時の休みは公式の Instagram で知らせています。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
山梨県甲州市勝沼町下岩崎835
電車で
JR中央本線 勝沼ぶどう郷駅からタクシーで8分。町内循環バスなら「ぶどうの国文化館」で降りて歩いて3分
車で
中央自動車道 勝沼インターチェンジから5分

ワイナリーの話

くらむぼんワインとは?

くらむぼんワイン(Kurambon Wine)は、山梨県甲州市勝沼町の祝(いわい)地区にある家族のワイナリーです。国道20号と旧甲州街道にはさまれた静かな通りに面しています。

「くらむぼん」は、宮沢賢治の童話『やまなし』の中で、蟹が話す言葉です。公式サイトによれば、人と自然がともに生きること、科学の限界、他人への思いやりを童話で伝えた賢治に共感して、この名前を選びました。会社は2006年から2014年まで、「株式会社山梨ワイン」という名前でした。山梨の地名を背負った社名を、山梨と同じ音をもつ童話の言葉に置き換えたことになります。


養蚕農家の母屋と、雑草の畑

訪ねた人を迎えるのは「母屋」と呼ばれる日本家屋です。築130年の、もとは山梨市牧丘町にあった養蚕農家の家を移したもので、お座敷もあります。母屋の一角はワイン造りの歴史を伝える資料室で、試飲をするテイスティングルームとひと続きになっています。隣のワインショップでワインを買えます。

フランスのオーク樽が並ぶセラーのほかに、地下にもセラーがあります。もとはぶどうを蓄えておくための貯蔵庫で、地下のひんやりした温度のまま、ワインがゆっくり熟成しているといいます。

ワイナリーから歩いて1分のところに、自社の畑「七俵地畑」があります。ぶどうを垣根に仕立て、地面は雑草が覆ったままです。会社は2007年から、化学合成の農薬や化学肥料を使わない栽培に切り替えました。公式サイトは、虫に食べられた葉がところどころに見られる一方で、虫を食べる鳥が多く飛んでくること、土の中にさまざまな微生物や虫がすんでいること、枯れた草が土をつくっていくことを書いています。自社の畑では甲州(こうしゅう)、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)、タナ(Tannat)、シャルドネ(Chardonnay)、ヴィオニエ(Viognier)を育てています。


歩み

始まりは1913年、初代の長作が、自分の家のぶどうで葡萄酒を造ったことでした。1932年には近所のぶどう農家が集まって「田中葡萄酒醸造協同組合」をつくり、1962年に持ち株を買い取って「有限会社山梨ワイン醸造」になります。2006年に株式会社となって「株式会社山梨ワイン」と名を改め、創業100年を迎えた2013年には、原料のぶどうをすべて国産にしました。いまの「株式会社くらむぼんワイン」になったのは2014年です。

いまの代表で、ぶどうの栽培とワインの醸造の責任者を兼ねる野沢たかひこは、大学を中退してフランスへ渡った人です。ホームステイ先で出された郷土料理と土地のワインのおいしさに心を動かされ、家業のワイン造りを継ぐと決めました。ブルゴーニュで1年半、栽培と醸造を学んでから帰国しています。自社畑の栽培を変えたのは、フランス南西部の自然派ワインに感銘を受けたからだと、公式サイトは書いています。

会社は、地元のぶどう農家とのつながりを大切にしてきたと書いています。2025年10月に値上げをしたときの案内では、高齢化や後継ぎ不足でぶどうの値段が上がっていることを、理由の最初に挙げました。社員は6名で、いまは人手が足りずにワイナリーツアーを止めています。それでも売店は開けていて、ワインを試飲して買うことができます。


代表的なワイン

公式サイトは、ワインは人が機械的に製造するものではなく、ぶどうがワインになるのを職人が手助けするものだと書いています。傷んだ実をていねいに取り除き、ゆっくり発酵させ、ろ過は最小限か、場合によってはしないで瓶に詰めます。自社畑のぶどうは、果皮についている酵母で発酵させています。

N 甲州は、オーナーの名字の頭文字を取った「N」シリーズの白ワインです。甲州の果汁をフランスのオーク樽で発酵させ、酵母は加えず、ぶどうの皮についた酵母だけで発酵させました。樽で熟成したあと、ろ過せずに瓶詰めしています。会社の説明では、りんごのコンポートのような香りに、橙やゆず、カボス、花梨のような柑橘の香りと、樽からくるバニラの香りが重なります。辛口で、少しの甘みと酸があり、余韻はとても長いそうです。

N マスカット・ベーリーAは、果皮の酵母で3週間かけて発酵させた赤ワインです。果実の味を大切にするために、樽での熟成は6か月にとどめ、ろ過していません。花やりんごのコンポートのような香りに、干しプラムやカシス、樽からくるモカやカカオの香りが加わり、渋みはまろやかです。

くらむぼん 甲州は、日々の食卓で飲むことを考えた辛口の白ワインです。レモンや柚子、グレープフルーツの香りがあり、発酵のときの泡が少し残っていて、後味のほのかな塩味と苦みがアクセントになっていると説明されています。

調査時点(2026年11月3日)に公式サイトに表示されていた価格は、くらむぼん 甲州(750ミリリットル)が1,980円、N 甲州とN マスカット・ベーリーA(同)がそれぞれ3,650円でした。

基本情報

創業
1913年(初代の長作が自家のぶどうで葡萄酒を造り始めた年。いまの株式会社くらむぼんワインの設立は2014年)
人物
長作(初代)
野沢たかひこ(代表・栽培醸造責任者)
代表的なワイン
N 甲州 / N マスカット・ベーリーA / くらむぼん 甲州
公式サイト
kurambon.com

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