あさや葡萄酒とは?
あさや葡萄酒(Asaya Winery)は、山梨県甲州市勝沼町の等々力(とどろき)にあるワイナリーです。会社の名前は麻屋葡萄酒株式会社で、1921年(大正10年)に創業しました。醸造の工場とワイナリーショップ、自社の畑が同じ敷地にあります。
「麻屋(あさや)」の名前は、創業者の雨宮高造が若いころ丁稚奉公をしていた酒屋の屋号です。のれん分けをしてもらった屋号を、そのまま会社の名前にしています。いまの社長は雨宮清春です。
会社は自らの方針を、海外や他の産地のワインを追いかけるのではなく、「勝沼にしかないワイン、麻屋にしかないワイン」を求めることだと書いています。その一つが、勝沼の一軒の農家が育てた甲州(こうしゅう)だけでつくる白ワインです。甲州は、日本で古くから育てられてきた白ぶどうの品種です。
工場の裏の、隠れ家のような試飲室
ワイナリーショップは、工場の裏手の細い路地に入り口があります。会社自身が「隠れ家のような雰囲気」と書く場所で、駐車場から案内の看板をたどって向かいます。
山梨県の観光サイトによれば、この試飲室は、創業当時に使っていたコンクリートのタンクの上の部分を建て直してつくったものです。中には創業のころのワインの醸造器具や古いラベルが並んでいて、ワイナリーの歴史をたどることができます。常に10種類以上のワインを試せると紹介されています(2022年10月時点の情報)。
売り場には、一升瓶に詰めたワインや、ぶどうを100パーセント使ったジュースなど、直営の店ならではの品も並びます。買ったワインは宅配便で自宅へ送ることもできます。
予約をすれば、工場の中の醸造の現場や地下の貯蔵庫を回るツアーにも参加できます。ワインのつくり方を順に説明してもらい、最後は試飲室でテイスティングをする流れです。
歩み
会社は、創業以来「産地の風土を生かしたワイン造り」に励んできたと書いています。先人が磨いてきた栽培と醸造の技を受け継ぎ、ぶどうを育てる農家の思いとともに、手をかけてワインに仕上げているといいます。
2005年には、勝沼の一軒の農家の甲州だけを使う「麻屋甲州特別限定醸造シュールリー」を出しはじめました。山梨県が育てた品種も使っています。白ワイン用の甲斐ブラン(甲州とピノ・ブランをかけ合わせたもの)と、赤ワイン用の甲斐ノワール(ブラック・クイーンとカベルネ・ソーヴィニヨンをかけ合わせたもの)で、どちらも山梨県果樹試験場が育て、1992年に品種として登録されました。
2016年1月のお知らせには、黒ぶどうのブラック・クイーンでつくる限定の赤ワイン(2013年)を出したことが残っています。会社はこの年を、とりわけ日照に恵まれ、凝縮したぶどうが穫れた年としていて、樽と瓶で20か月ほど寝かせてから、556本だけを売り出しました。同じころには、勝沼甲州シュールリーの2014年のものが2015年12月に売り切れ、2015年のものを翌年2月の後半に出すという案内も出ています。
代表的なワイン
勝沼甲州シュールリーは、会社が辛口の白ワインの代表に挙げる銘柄です。勝沼で穫れた甲州だけを使っています。シュール・リー(sur lie)は、発酵を終えたあと、底に沈んだ澱(おり)を引かずにしばらく寝かせる造り方です。フレッシュでさわやかな辛口に、心地よい酸味とうまみが重なり、冷やし加減によって表情が変わるとされています。
麻屋甲州特別限定醸造シュールリーは、勝沼の一軒の農家の甲州だけでつくる白ワインです。深い果実味に、シュール・リーで寝かせたことによるうまみが合わさり、余韻が長いとされています。
麻屋花鳥風月は、「花・鳥・風・月」のラベルの4本のシリーズです。「鳥 ブラン」は甲斐ブランだけでつくる辛口の白ワインで、フレッシュな果実の香りと、はつらつとした酸があるとされています。「月 ノワール」は勝沼の甲斐ノワールが主体の赤ワインで、黒コショウやハーブのようなスパイシーな香りに、豊かな果実味と心地よい酸味を持ち、樽で熟成させています。「風 ヴェール」は勝沼の甲州で、熟した果実のような香りに、皮からくる渋みとほのかな苦みが合わさる白ワインです。
「花 ルージュ」は、黒ぶどうのマスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)とアリカントでつくる赤ワインです。華やかな果実の香りと心地よい渋みがあり、樽で熟成させた中くらいの重さの味わいとされています。
日常向けには「生き生き山梨」の白ワイン・ロゼワイン・赤ワインがあり、ラベルには富士山と、山梨県の鳥のウグイス、県の花のフジザクラが描かれています。白ワインは甲州、ロゼワインはマスカット・ベーリーAからつくる、どちらもやや甘口です。赤ワインはマスカット・ベーリーAが主体の軽い味わいです。マスカット・ベーリーAとアリカントでつくる、やや辛口のロゼの泡「ASAYAももいろスパークリング」もあり、会社は屋外のバーベキューなどで気軽に楽しめると紹介しています。
価格は、公式の通販サイトが調査時点(2026年10月27日)に開けなかったため確かめられていません。




