マンズワイン 勝沼ワイナリーとは?
マンズワイン 勝沼ワイナリーは、山梨県甲州市勝沼町の山(やま)という地区にあるワイナリーです。マンズワイン(MANNS WINE)は、しょうゆのキッコーマンが1962年に始めたワインの会社で、このワイナリーで最初の仕込みをしました。会社は「マンズワイン創業の地」と呼び、日本ワインをはじめほとんどの製品をここと長野県の小諸ワイナリーで造っています。社名は、親会社のキッコーマンの「マン」と、聖書に出てくる天から授かった食べもの「マナ(manna)」にちなみます。
このワイナリーは、日本で古くから育てられてきた白ぶどうの甲州(こうしゅう)を、さまざまな形のワインにしてきました。会社の通販のページによれば、1970年代には「甲州は熟成には向かない」と言われていました。マンズワインはそこで、甲州を酸化させずに長く熟成させる造り方に取り組みます。
研究畑と地下のセラー
ワイナリーの最寄りの駅は勝沼ぶどう郷駅ではなく、塩山(えんざん)駅です。会社の説明では、1963年に最初の仕込みを始めてから、ワイナリーのまわりに実践のための研究畑を開き、甲州をはじめ、ヨーロッパの品種も育ててきました。日本の風土に合うワイン用のぶどうを求めて、品種の改良や、よい木を選んで増やす研究を重ねたとしています。ワイナリーの近くには「うら庭」と呼ぶ自社の畑もあり、2025年のソラリス 山梨 甲州は、この畑の甲州だけで造られました。
会社は山梨を、澄んだ空と山々に囲まれ、水の豊かな扇状地が広がる土地と紹介しています。盆地ならではの昼と夜の寒暖の差、長い日照時間、少ない雨が、ぶどうの栽培に向いているといいます。会社が山梨で中心に据えるのは、甲州と、新潟の川上善兵衛が1927年に生み出した黒ぶどうのマスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)です。
地下には、一年を通して温度と湿度の安定したセラーがあり、樽でワインを熟成させています。山梨県の観光サイトは、このワイナリーを山梨県内で最大の生産量を持つワイナリーと紹介しています(2023年4月時点の情報)。
歩み
1962年に前身の勝沼洋酒株式会社が生まれ、翌1963年、勝沼ワイナリーの第一期の工事が終わって最初の仕込みが行われました。1964年に社名をマンズワインに改め、「オリンピック記念」と銘打った最初の製品を売り出しています。ワイナリーが完成したのは1965年です。
1967年に仕込んだ「ヴィンテージ甲州 1967」は、1971年の国際ワインコンクールの最高級酒の部門で金賞を受けました。会社は、ヨーロッパの高級ワインと並ぶ甲州を目指して技術陣が力を注いだ結果、国際的なコンクールで初めて認められたと書いています。
そのあとの年表には、甲州のワインが次々に並びます。1982年に甲州の新酒、1986年に1975年の甲州を寝かせた古酒、1989年には発酵を終えたワインを澱(おり)の上で寝かせるシュール・リー(sur lie)、1991年には樽で仕込んだ甲州と、濁ったままの新酒を出しました。2008年に出した「甲州 酵母の泡」は、甲州で造るスパークリングワインです。
2013年に醸造の設備を新しくし、2018年からは、このワイナリーで甲州とマスカット・ベーリーAから造るいちばん上のワインを「ソラリス(SOLARIS)」の名で出しています。ソラリスは、もともと小諸ワイナリーで2001年に始まったシリーズです。2020年にはワイナリーのショップを改装しました。
代表的なワイン
ソラリス 古酒 甲州は、山梨県の甲州で造ったワインを、空気に触れさせずに10年以上熟成させた甘口の白ワインです。色は緑がかった金色で、桃や梅、杏、プラムのような果実の香りに、はちみつの香りが重なります。なめらかな口当たりで、伸びのある酸と、うまみを伴う甘みが広がり、余韻が長く続きます。いまの商品は2014年のぶどうから造られています。
ソラリス 山梨 甲州は、2025年の収穫では「うら庭」の甲州だけを使い、区画ごとに収穫の時期を分けました。区画ごとにシュール・リーや樽での発酵と造り方を変えて、最後に合わせています。色は輝きのある淡いライムイエローで、ライムを中心にした柑橘の香りに、白い花や白桃、梨の香りが続きます。樽の香りはかすかで、切れのある酸と穏やかな苦みで締まった辛口です。
酵母の泡 甲州は、密閉したタンクの中で二度目の発酵をさせて泡を生む「シャルマ方式(Charmat)」で造るスパークリングワインです。瓶の中で発酵させる方法をとらないのは、酵母の香りより、ぶどうそのものの香りを生かすためだと会社は説明しています。グレープフルーツやみかん、白桃や梨の香りがあり、ほどよい甘さのやや辛口です。会社は天ぷらや寿司、鶏のから揚げ、少し甘みのある野菜の煮物を挙げています。
調査時点(2026年11月3日)の公式通販の価格は、ソラリス 古酒 甲州(2014年、750ミリリットル)が7,150円、ソラリス 山梨 甲州(2025年、同)が3,960円、酵母の泡 甲州(720ミリリットル)が2,200円でした。





