ニッカワワイナリーとは?
ニッカワワイナリー(公式の表記は「Nikkawa ワイナリー」)は、山梨県甲州市勝沼町勝沼にある小さなワイナリーです。2020年9月に醸造を始めました。
営んでいるのは、オーナーとその妻、長男の3人の家族です。公式サイトによれば、オーナーは40年あまり会社勤めを続け、定年で退職してから故郷に戻り、ぶどうの栽培とワイン造りを始めました。春から夏にかけて開かれる見学のツアーには「人生の楽園」コースという名前が付いていて、定年のあとの人生をどう生きるかという実例を聞きながら、ワインを味わってもらう内容だと案内されています。
勝沼ワイン村の一軒
ワイナリーは「勝沼ワイン村」の中にある、と公式のインスタグラムは自己紹介しています。山梨県の広報番組の紹介(2023年1月放送)によれば、勝沼ワイン村は、地元の東夢(とうむ)ワイナリーが中心になって、新しく醸造家になった人たちの小規模なワイナリーを集めた施設です。農地を生かすところから始まり、地元の食材を使うレストランやコテージも整えられた、と番組の紹介は書いています。
県の観光サイトでは、その東夢ワイナリーがこの一帯を「甲州ブドウ栽培発祥の地である日川Valley」と紹介しています。日川(にっかわ)は勝沼を流れる川の名前です。ただ、ワイナリーの名前の「Nikkawa」の由来は、公式サイトには書かれていません。
公式のインスタグラムには、村の総合棟の2階にある「あかり食堂」が開いた縁日や、同じ村の東夢ワイナリーでぶどうの新芽を天ぷらにしてふるまった日の様子が載っています。小さなワイナリーどうしが隣り合っている村の様子が、投稿からうかがえます。
ぶどうは、自分たちの畑のものと、近くの農家のものを使っています。公式サイトは、そうした農家を「単なる『契約栽培農家』以上のつながりを持つぶどう生産者」と呼び、ワイン造りはぶどうの栽培から始まる、という考えを掲げています。シャルドネ(Chardonnay)は日当たりと水はけのよい南向きの斜面の自社畑で育て、メルロ(Merlot)も自社農園のものです。カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)だけは、県の北西部にある北杜市明野町のぶどうを使っています。
歩み
ワイナリーができたのは2020年9月です。公式サイトの見出しには、いまも「『新しい日常』の中で、是非ワイナリーにもお出かけください」という、開業した年の言葉が残っています。開業5年目を迎えた年には、ワイナリーを紹介する映像をつくって公開しました。
2026年8月のお知らせによれば、その前の年に、歌手のさだまさしが新しいブランド名「SUN BROOK」を名付けています。そのつながりから、ワインが1本売れるごとに10円を、さだまさしが設けた「風に立つライオン基金」に寄付することにしました。2026年8月23日、甲府でのコンサートの日に、1年分の寄付金10万円を手渡したと、代表の吉原和夫の名前でお知らせしています。この取り組みはこれからも続けるそうです。
代表的なワイン
甲州 桜地蔵は、日本で古くから育てられてきたぶどうの品種、甲州(こうしゅう)でつくる白ワインです。畑には年に2回花を付ける桜の木があり、その下にお地蔵さんがいて、ぶどうはそのお地蔵さんの前の畑で育ちました。通販の説明は、ほのぼのとした優しい味と香りのワインだとしています。
甲州 シュールリーは、桜地蔵と同じ畑の甲州を、シュール・リー(sur lie)という造り方で仕上げた白ワインです。発酵が終わったあとのおりの上にしばらくワインを置いておく方法で、桜地蔵と比べて「エッジを付けました」と通販の説明にあります。切れ味のよさが持ち味で、和食とも合わせやすいとされています。
ビジュノワール(Bijou Noir)は、山梨県の果樹試験場が生み出した黒ぶどうの品種でつくる赤ワインです。名前はフランス語で「黒い宝石」という意味です。色は濃く、渋みのもとになるタンニンがしっかりしていて、コクがあり、黒ぶどうのマルベック(Malbec)を思わせる味がほのかに残る、と説明されています。
秋には、勝沼で育ったアジロンダック(Adirondac)という品種の新酒が出ます。通販の説明は、いまでは希少になった品種だと書いています。勝沼の鳥居平(とりいびら)で完熟させたデラウェア(Delaware)の白ワインもあり、すっきりした酸味と、ぶどうをそのまま食べているような果実味が持ち味とされています。
調査時点(2026年10月27日)のオンラインショップの価格(税込)は、甲州 桜地蔵(2025年)が2,400円、甲州 シュールリー(2025年)が2,750円、ビジュノワール(2023年)が3,980円、勝沼町産アジロンダック(2026年)が2,400円、鳥居平完熟デラウエアが2,700円でした。




