Vino Storia

ワインのお話

山梨 / 勝沼

シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー

Château Mercian Katsunuma Winery

明治の終わりに建てられた醸造場が資料館として残り、その目の前の畑と醸造所で、いまのワインが造られています。

  • 見学 予約制
  • 試飲あり
  • ショップ
  • カフェ・軽食
白い漆喰の壁に「葡萄酒醸造所」と書いた木の看板が掛かり、下の壁に菱形の格子模様がある古い蔵
写真: Asturio Cantabrio / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
予約制の有料ワイナリーツアー(約90〜110分、3,000円から)
内容
ワイン資料館、祝村ヴィンヤード、醸造施設、地下セラーを回り、最後に試飲。勝沼ディスカバリーツアー(試飲4種)、ワインメーカーが案内する勝沼ワインメーカーズツアー(試飲6種)、地下セラーの特別室で最上級の「アイコン」シリーズ2種を含む6種を試飲する勝沼ワインメーカーズスペシャルツアーの3つ
日時
公式サイトの予約カレンダーと開催予定で確認
所要時間
ディスカバリーツアー 約90分/ワインメーカーズツアー 約100分/スペシャルツアー 約110分
定員
各10名
料金
ディスカバリーツアー 3,000円/ワインメーカーズツアー 5,000円/スペシャルツアー 10,000円(1人、税込)
申し込み
このページのフォームから。Vino Storia がワイナリーに確かめて、2営業日以内にご連絡します(手数料なし)
見学を申し込む

営業案内

営業時間
ワインショップ 10時〜16時30分
テイスティングカウンター 10時〜16時(ラストオーダー)
ワイン資料館 9時30分〜16時30分
定休日
年末年始。冬をはじめ不定期の休業日あり(公式サイトの営業カレンダーで確認)
試飲
ワインギャラリーのテイスティングカウンターで有料(予約不要。ワイナリー限定のワインもある)
ショップ
あり(ワインギャラリー。ワイナリー限定のワインもある)
飲食
テイスティングカウンターで軽食(玉諸甲州きいろ香を練り込んだ冷たいチーズのフォンデュ、クラッカー、オリーブなど)
勝沼のビストロ・ミル・プランタンがつくるペアリングBOX(事前予約・数量限定。1か月前の同じ日から1週間前の同じ曜日までに電話で。提供は11時30分〜12時30分、持ち帰り不可。水曜は不可)

試飲をするなら、運転しない人と一緒に行くか、駅からタクシーを使ってください。ツアーでは、運転する人と妊娠中・授乳中の人にはワインの代わりにノンアルコールのスパークリングワインと水が出ます(料金は同じ)。
ツアーの受付はワインギャラリー(山梨県甲州市勝沼町下岩崎1106-1。ワイン資料館も同じ住所)です。醸造施設と地下セラーには、ツアーでしか入れません。
ワイン資料館は入場無料です。
休日は混み合い、待つことがあると公式サイトにあります。 情報は2026年10月27日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1
電車で
JR中央本線 勝沼ぶどう郷駅からタクシーで約8分
JR中央本線 塩山駅からタクシーで約10分
車で
中央自動車道 勝沼インターチェンジから約5分(国道20号を甲府方向へ。2つ目の信号の下岩崎交差点を右折してすぐ)
駐車場
普通車80台・バス10台(無料。山梨県の観光サイト。2022年10月時点の情報)

見学の申し込み

このフォームは予約の申し込みです。お申し込みを受けて、Vino Storia がシャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーに空き状況を確かめ、2営業日以内にメールでご連絡します。そのご連絡をもって予約の確定となります。

お申し込みの手数料はかかりません。見学の料金がある場合は、ワイナリーの定める額を当日お支払いください。ご希望日は、今日から3日後以降の日をお選びください。

見学の日時: 公式サイトの予約カレンダーと開催予定で確認

定員: 各10名

ワイナリーからの当日の連絡用

ワイナリーの話

シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーとは?

シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー(Château Mercian Katsunuma Winery)は、山梨県甲州市勝沼町の下岩崎(しもいわさき)にあるワイナリーです。「シャトー・メルシャン」はメルシャンの日本ワインの名前で、長野県の桔梗ヶ原と椀子(まりこ)にもワイナリーがあります。会社は勝沼を、シャトー・メルシャンの基幹となるワイナリーと説明しています。醸造所と畑のほかに、試飲とお店のあるワインギャラリーと、ワイン資料館があります。

このワイナリーには、明治の終わりに建てられた醸造場が残っています。いまワイン資料館になっている建物は、勝沼のワイン造りを産業に育てた宮崎光太郎(みやざき こうたろう)が、1904年に建てた第二醸造場です。日本のワインの歴史を伝える建物が、いまのワインを造る醸造所と同じ敷地に並んでいます。


祝村と岩崎の畑

会社は、ワイナリーから富士山が望めること、そして勝沼が古くから甲州(こうしゅう)とマスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)の産地として知られてきたことを挙げています。甲州は日本で古くから育てられてきた白ぶどう、マスカット・ベーリーAは明治に新潟の川上善兵衛が生み出した黒ぶどうです。

ワインギャラリーの目の前にある小さな畑は「祝村(いわいむら)ヴィンヤード」と呼ばれています。このあたりの古い村の名前から付けた名前で、標高は390メートルほど、土は粘土質です。ヨーロッパのように枝を低い垣根に沿わせる「垣根仕立て」で、メルロ(Merlot)やシャルドネ(Chardonnay)など20種ほどの品種が植えられていて、ワイナリー限定のワインにもこの畑のぶどうが使われています。

会社の産地の説明では、勝沼地区の甲州やマスカット・ベーリーAの畑は、頭の上に棚を張って枝を広げる「棚仕立て」です。メルシャンの年表によれば、かつては「日本でのブドウ栽培は棚でなければできない」と考えられていました。会社は勝沼地区の自社畑「城の平(じょうのひら)」で、1984年に日本で最高のカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)を目指して垣根仕立ての栽培を始めています。標高550〜600メートルの穏やかな斜面にある粘土質の畑で、昼と夜の気温の差が大きく、日当たりも風通しもよいと説明されています。

ワイナリーのある岩崎地区は勝沼町の南部にあたります。会社によれば、平らな畑と斜面の畑があり、土は砂礫と粘土で、ここの甲州でつくるワインは骨太のしっかりとした味わいになるといいます。


歩み

1877年、勝沼の祝村に日本で初めての民間のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」ができ、高野正誠(たかの まさなり)と土屋龍憲(つちや りゅうけん)の二人がワイン造りを学ぶためにフランスへ送られました。メルシャンはこの会社を自らの源流としています。

会社は10年を待たずに解散しました。山梨県の観光サイトによれば、その醸造器具を引き継ぎ、龍憲とともにワインを造りはじめたのが宮崎光太郎です。光太郎は自宅に醸造所と観光ぶどう園を設け、1904年に第二醸造場を建てました。文化庁の日本遺産ポータルサイトは、光太郎が醸造場の見学やワインの購入ができる「ワイナリー」の形を勝沼で初めてつくり、地元のぶどう農家と共に栄える道を選んで、勝沼を一大産地に押し上げたと書いています。

大きな木の樽が両側に積まれた醸造場の中で、手前に搾り機と桶があり、奥で人が働いている古い白黒写真
宮崎第二醸造場の中。大きな樽が並び、手前に搾り機がある(昭和初期ごろ)撮影者不明(昭和初期) / パブリックドメイン / Wikimedia Commons

2010年、メルシャンはこの地に、醸造所、ビジターセンター、資料館、畑を備えた新しいワイナリーを開きました。2020年には「日本ワイン140年史」が日本遺産に認定され、ワイン資料館の建物とその収蔵品も構成文化財になりました。資料館は同じ年の夏に展示を新しくし、日本語と英語の表示で公開されています。光太郎の自宅だった「宮光園(みやこうえん)」も近くにあり、甲州市の施設として公開されています。シャトー・メルシャンの駐車場は、宮光園の協定駐車場にもなっています。


代表的なワイン

岩崎甲州と城の平 オルトゥスには「GI Yamanashi」と表示されています。地理的表示「山梨」のことで、産地の名前を守る国の制度にもとづき、国税庁長官が指定した日本ワインの産地の表示です。

岩崎甲州は、高野正誠と土屋龍憲の生家のぶどうでつくる白ワインです。二人の家はいまも岩崎地区でぶどうを育てていて、その甲州を樽で発酵させ、樽で寝かせています。2024年のものは淡いイエローで、バナナのような南国の果物の香りと樽のバニラの香りがあり、熟した果実の風味を甲州らしい渋みが引き締めるとされています。辛口です。

城の平 オルトゥス(Ortus)は、城の平の畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルロ、カベルネ・フラン(Cabernet Franc)、プティ・ヴェルド(Petit Verdot)を合わせた赤ワインです。オルトゥスはラテン語で「起源」の意味で、城の平がメルシャンのぶどう栽培の源流であることから付けた名前だといいます。2019年のものは黒みを帯びたガーネットの色で、カシスの香りに、熟成による腐葉土やタバコ、樽からのバニラやチョコレートの香りが重なり、なめらかな渋みが長く続くとされています。

玉諸甲州きいろ香は、甲府市の玉諸(たまもろ)地区の甲州でつくる白ワインです。メルシャンは2003年からフランスのボルドー大学の研究室と甲州の香りを研究し、2005年に最初の「甲州きいろ香」を出しました。ユズやカボスのような和の柑橘の香りに、フレッシュな酸が合わさります。ワインギャラリーの軽食のフォンデュにも、このワインが練り込まれています。

調査時点(2026年10月27日)の公式オンラインショップの税込価格は、岩崎甲州(2024年)と玉諸甲州きいろ香(2024年)がそれぞれ2,900円、城の平 オルトゥス(2019年)が20,000円でした。

基本情報

創業
2010年(醸造所・ビジターセンター・資料館などを備えたいまのワイナリーとして新しく開いた年。資料館の建物は1904年)
人物
宮崎光太郎(資料館の建物になった第二醸造場を建てた人)
代表的なワイン
岩崎甲州 / 城の平 オルトゥス / 玉諸甲州きいろ香
産地の表示
GI Yamanashi(地理的表示「山梨」)
公式サイト
chateaumercian.com

勝沼のほかのワイナリー

勝沼のワイナリー一覧へ