Vino Storia

ワインのお話

ソアーヴェ

ソアーヴェのワイン一覧


ソアーヴェとは?

ソアーヴェ(Soave)は、ガルガーネガ(Garganega)という白ぶどうを中心につくる、辛口の白ワインです。色は麦わら色で、ときに緑がかり、味わいは中くらいの重さで、後味にかすかな苦みが残ります。1968年に、名乗ってよい土地と造り方を国が定める原産地呼称、DOCになりました。

つくられているのはヴェネト州のヴェローナ県で、ヴェローナの街の東、レッシーニ(Lessini)山地が平野に下りてくるあたりです。産地は13の村の全域または一部にまたがり、名前はそのひとつ、ソアーヴェ村から来ています。畑は標高35メートルから380メートルほどの丘にあり、生産規定によれば土の多くは火山の岩が崩れてできた黒っぽい土です。規定は、この土が、同じ県のアマローネの産地ヴァルポリチェッラとの違いだとしています。

段をつけた斜面にぶどう畑が広がる丘。手前にも棚仕立てのぶどう畑があり、遠くに山並みが見える
ソアーヴェの丘。斜面に段をつけて、ぶどう畑が続くAlessandro Pighi / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

2018年11月、この丘の畑は「ソアーヴェの伝統的なぶどう畑(Soave Traditional Vineyards)」として、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定されました。FAOは、3,000を超える家族が200年にわたってこの畑を保ってきたことを挙げています。景色の中心にあるのは、ペルゴラ・ヴェロネーゼ(pergola veronese)と呼ばれるぶどう棚です。支柱に渡した棚の上にぶどうの枝をはわせる仕立てで、保護協会がFAOに出した申請書によれば、畑には高さ2メートルほどの緑のトンネルが連なります。

生産規定は、この棚が房を強い日ざしや雹から守り、房を一つずつ目で確かめられるようにする、と説明しています。そのかわり急な斜面では機械が使いにくく、収穫はふつう手で行います。棚の歴史は、規定の中でも記述がそろっていません。680年にはペルゴラが使われていた記録があるとする一方、別の箇所ではいまの形の起こりを20世紀としています。


どんなワインか

熟成期間の決まりはなく、売り出してよいのは、ソアーヴェが収穫した年の12月1日から、ソアーヴェ・クラッシコが翌年の2月1日からです。

色は麦わら色で、ときに緑がかります。香りは強さと繊細さをあわせもち、味わいは辛口で中くらいの重さ、調和がとれていて、わずかに苦みがあります。アルコール分は10.5%以上、クラッシコは11%以上です。

クラッシコ(Classico)は、1931年に国が定めたいちばん古い区域のぶどうでつくられたもので、区域はソアーヴェ村とモンテフォルテ・ダルポーネ(Monteforte d’Alpone)村の一部です。2019年からは、カステルチェリーノ(Castelcerino)など33の地名を、ラベルに書き添えられるようになりました。

ぶどう畑の斜面の上に、鐘楼のある小さな集落が広がる。青空の下、手前一面にぶどう畑
ソアーヴェから丘を上る道から見た、カステルチェリーノの集落とぶどう畑MZ14 / CC0 1.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

泡のソアーヴェ(spumante)も認められています。同じ州の泡のプロセッコは、グレラ(Glera)という別の品種からつくります。ソアーヴェは「リゼルヴァ(riserva)」を名乗れず、リゼルヴァは別の呼称のソアーヴェ・スペリオーレ(Soave Superiore、DOCG)にあります。干したぶどうの甘口ワインも、レチョート・ディ・ソアーヴェ(Recioto di Soave、DOCG)という別の呼称です。


使われているぶどう品種

ガルガーネガを70%以上使います。残りの30%までは、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ(Trebbiano di Soave)とシャルドネ(Chardonnay)で、そのうち5%までは、ヴェローナ県で栽培が認められている香りの強くない白ぶどうを混ぜてもかまいません。

緑の葉の下に下がる、黄緑色のガルガーネガの房
ソアーヴェのガルガーネガの房Alessandro Pighi / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

ガルガーネガは、実りまでの期間が長く、10月になってようやく熟す白ぶどうです。規定によれば、香りが際立つ品種ではなく、いちばんはっきりしているのはアーモンドと白い花の香りです。規定は、火山性の凝灰岩の丘の土を、この品種に理想的な土としています。

大小の石がまじる、茶色がかった畑の土の接写
ソアーヴェの火山性の土。石がまじるAlessandro Pighi / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

同じガルガーネガが主役の呼称には、隣のヴィチェンツァ県のガンベッラーラ(Gambellara)があり、こちらはガルガーネガを80%以上使います。


価格帯

調査時点(2026年9月23日)に楽天市場で見つかった、750ミリリットルの単品の価格です。セットやほかの容量の瓶、泡のソアーヴェ、ソアーヴェ・スペリオーレとレチョート・ディ・ソアーヴェは除いています。

確認できた本数価格の幅中央値
ソアーヴェ304本715円〜6,563円2,196円
ソアーヴェ・クラッシコ300本1,188円〜14,850円3,135円

クラッシコの付かないソアーヴェは、半分ほどが1,500円から3,000円のあいだにあり、8割ほどが3,000円未満でした。クラッシコは2,400円から4,300円ほどに半分が集まりました。価格は税込の表示で、送料は含みません(送料込みで出している店もあります)。同じワインを複数の店が売っているので、本数は銘柄の数ではありません。


ソアーヴェに合わせる食事

イタリア政府観光局は、ソアーヴェにトルタ・アル・モンテ・ヴェロネーゼ(torta al Monte Veronese)を合わせています。レッシーニの山の牧草地でつくられるモンテ・ヴェロネーゼというチーズを、すりおろしたり角切りにしたりして、卵・牛乳・生クリームと一緒にパイ生地に詰めて焼いたものです。

保護協会は、ソアーヴェに合わせる地元の一品として、バッカラ・マンテカート(baccalà mantecato)をのせたクロスティーニを挙げています。鱈を時間をかけて煮て、なめらかなクリーム状にしたヴェネツィアの料理です。協会は、澱と一緒にねかせたソアーヴェには、焼いた魚や鶏肉も合うとしています。

日本の食卓で試すなら、協会自身が寿司や刺身との組み合わせを紹介しています。サーモンには火山性の土の畑のソアーヴェを、キハダマグロにはクラッシコを、という具体的な例です。ほかには、白身魚の塩焼き、鶏肉のグリル、鱈とじゃがいものグラタンが、地元の料理に近い組み立てです。