ジュゼッペ・クインタレッリのワイン一覧
ジュゼッペ・クインタレッリとは?
ジュゼッペ・クインタレッリ(Giuseppe Quintarelli)は、ヴェネト州のヴァルポリチェッラ(Valpolicella)にある小さな生産者です。ぶどうを陰干ししてつくる濃い赤ワイン、アマローネ(Amarone)の造り手として知られています。
名前は、1950年から亡くなるまで当主を務めたジュゼッペ、愛称ベーピ(Bepi)からきています。2012年1月に84歳で亡くなったとき、英国のワイン誌は彼を「アマローネの父」と呼びました。父は、収穫を地主と分け合う小作人でした。
この家は、いまも公式のウェブサイトを持っていません。名前のドメイン(giuseppequintarelli.it)は、2026年10月4日に確かめたときも、登録業者の案内ページのままでした。
畑のある土地
ヴァルポリチェッラは、ヴェローナの北、ガルダ湖の東にある丘の地方です。輸入元の紹介によれば、晴れた日には雪をかぶったアルプスが見え、主な谷はフマーネ(Fumane)、マラーノ(Marano)、ネグラール(Negrar)の三つです。クインタレッリがあるのはネグラールの谷で、ヴェローナの街から車で20分ほどです。

畑は11ヘクタールあまりで、ネグラールの谷の東側の斜面に連なっています。土は石灰岩と玄武岩です。醸造所はチェレ(Cerè)という地区の、カ・パレッタ(Cà Paletta)という丘のてっぺんにあります。
畑には、この地方に昔からある棚仕立て、ペルゴラ(pergola)が多く残っています。ぶどうの木を地面から高く仕立て、葉の天井の下に房をぶら下げるやり方で、輸入元は、夏には緑のトンネルのようになると書いています。収穫は遅く、10月の前半までかけて、何度かに分けて行います。最初に摘む、いちばんよく熟した房がアマローネになり、次に摘む房がヴァルポリチェッラになります。

歩み
Decanter誌によれば、父のシルヴィオ(Silvio)は第一次世界大戦の前から家族でぶどうを育て、ワインをつくっていました。ただし、それは分益小作という、収穫を地主と分け合う形でした。戦争のあと、シルヴィオは自分の土地を買います。The Drinks Business誌は、この家の始まりを1924年としています。
ジュゼッペは1927年にネグラールで生まれ、1950年、22歳のときに家を継ぎました。それから少しずつ畑を広げ、育て方と造り方に手を入れていきます。アマローネはスラヴォニア産のオークの大樽で7年かけて熟成させました。ほかの造り手よりずっと収量を抑え、手間のかかる作業をいとわなかったと、The Drinks Business誌は書いています。
ラベルにも、この家らしさが出ています。ただ、その話は資料によって食い違っています。Decanter誌はジュゼッペ自身がラベルを手で描き、手で貼ったと書き、The Drinks Business誌は娘たちの手書きだったと書いています。輸入元は「かつては手書きだった」とだけ書いていて、いまは縁がぎざぎざの、ひと目で分かるラベルになっています。
伝統の人とだけ呼ぶと、こぼれ落ちるものもあります。Decanter誌によれば、ジュゼッペは1985年に、ネッビオーロやクロアティーナ、カベルネ・フラン、ソーヴィニヨンといった、それまで植えていなかった品種を畑に加えました。白ワインの「ビアンコ・セッコ」は、ヴァルポリチェッラで早い時期につくられた辛口の白ワインの一つでした。
ジュゼッペが亡くなってからは、娘のフィオレンツァ(Fiorenza)の家族が継いでいます。輸入元によれば、いま先頭に立つのは孫のフランチェスコ・グリゴリ(Francesco Grigoli)で、醸造家の弟ロレンツォ(Lorenzo)と両親が支えています。
代表的なワイン
「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラシコ(Amarone della Valpolicella Classico)」は、DOCGを名乗る赤ワインです。DOCGはイタリアでいちばん条件の厳しい原産地呼称で、「クラシコ」は産地のなかでも古くからの中心の村々でつくられたことを示します。輸入元によれば、コルヴィーナ(Corvina)とコルヴィノーネ(Corvinone)が5割あまり、ロンディネッラ(Rondinella)が3割で、残りにカベルネやネッビオーロなどが少し入ります。ぶどうは醸造所の上の階で藁のむしろに広げて干し、仕込んだあと古い大樽で7年ほど寝かせます。出来のよい年だけのリゼルヴァ(Riserva)は、樽の期間がさらに2年長くなります。
「ヴァルポリチェッラ・クラシコ・スペリオーレ(Valpolicella Classico Superiore)」はDOCの赤ワインで、この家の生産量の3分の1ほどを占めます。ぶどうの半分は干したもので、発酵中のワインの半分をアマローネの搾りかすの上に通す「リパッソ(ripasso)」というやり方で、厚みを持たせています。樽で6年以上寝かせてから出します。
ジュゼッペが植えた品種からは、決まりにとらわれないワインが生まれました。「アルゼロ(Alzero)」はカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン、メルロを、アマローネと同じように干してつくります。「プリモフィオーレ(Primofiore)」はコルヴィーナ系とカベルネを半分ずつ使います。どちらもIGT(地理表示つきのワイン)で出しています。「ビアンコ・セッコ(Bianco Secco)」はガルガーネガ(Garganega)を8割ほど使い、この地方の珍しい白ぶどうサオリン(Saorin)も加えた辛口の白ワインです。
訪ねるには
公式のウェブサイトが無く、見学や試飲の受け入れについて公表された情報は、2026年10月4日時点で見つかりませんでした。ネグラールの谷そのものは、ヴェローナから車で20分ほどで、谷の斜面には畑と村が続いています。
