プーリアのワイン一覧

1,573円
リヴェラ(Rivera) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

イル・ファルコーネ カステル・デル・モンテ ロッソ リゼルヴァ 2020
3,520円
リヴェラ(Rivera) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

1,738円
カンティーネ・サン・マルツァーノ(Cantine San Marzano) / 販売: うきうきワインの玉手箱

1,496円
マッセリア・ボルゴ・デイ・トゥルッリ(Masseria Borgo dei Trulli) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店
この記事でわかること
- プーリア(Puglia)がどんな地形の州で、畑がどこにあるのか
- 雨と川の少なさが、ぶどうの育て方をどう決めてきたのか
- プリミティーヴォ、ネグロアマーロ、ネーロ・ディ・トロイアという三つの黒ぶどう
- 覚えておきたい産地の名前と、郷土料理

イタリア半島の南東の端、長靴の「かかと」にあたる州です。北西から南東へ細長くのび、アドリア海とイオニア海にはさまれています。州都はバーリ(Bari)です。
百科事典のトレッカーニによれば、土地は平らか、ゆるやかに波打つところがほとんどです。北には石灰岩の台地ガルガーノ(Gargano)が海へ突き出し、その南西に広い平野タヴォリエーレ(Tavoliere)が開けます。州の中央には石灰岩の台地ムルジェ(Murge)が横たわり、南の端はサレント(Salento)の半島になって海へのびています。
気候は地中海性で、夏は長く暑くて雨が少なく、冬は穏やかです。ただ、海へ突き出したサレントは州のほかの土地より湿気が多く、ムルジェの高いところは海沿いより涼しい、と生産規定は書いています。
川がほとんど流れていない土地
この州のぶどう畑の姿を決めてきたのは、水の少なさです。
トレッカーニは、岩の多くが石灰岩で、雨が少なく降り方も不規則なため、地面の上を流れる川が「ほとんど無い」と書いています。主な川はオファント(Ofanto)とフォルトーレ(Fortore)の二つで、どちらもよその州に発し、プーリアは数キロ通り過ぎるだけです。州の中央のバーリのあたりは、川の無い石灰岩の平原だとされています。
ムルジェの北西にあるカステル・デル・モンテ(Castel del Monte)の生産規定は、そのわけを地質で説明します。台地の岩はひび割れたカルスト(石灰岩が水に溶けてできた地形)で、地表に水が残りません。地下水は深いところにあり、くみ上げるには費用がかかります。そのため畑に水を引くことはあまり行われず、伝統的な仕立て方は、ぶどうの木を低く小さく育てるアルベレッロ(alberello=小さな木)でした。規定はこれを、暑く乾いた土地のぶどう栽培と「自然に結びついた」形だと書いています。
南のサレントでも同じです。サリーチェ・サレンティーノ(Salice Salentino)の規定によれば、「アルベレッロ・プリエーゼ(alberello pugliese)」と呼ばれる株仕立ては、南イタリアの少ない雨に畑の実りを合わせるため、木の茂りを小さく抑える形です。1980年代までは畑の9割がこの仕立てでした。規定が書かれた時点では、機械を入れやすい垣根仕立てに替わり、多くても2割ほどに減っています。

北から南へ、替わっていく黒ぶどう
細長い州を北から南へたどると、主役の黒ぶどうが入れ替わります。
北のカステル・デル・モンテでは、ネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia)です。この名を冠したDOCG(後述)の赤ワインは、二つともこのぶどうが主体です。
中ほどのバーリ県の内陸と、南のイオニア海側ではプリミティーヴォ(Primitivo)です。生産規定によれば、18世紀の終わりにバーリ県のジョイア・デル・コッレ(Gioia del Colle)で選び出されたぶどうで、名前は実の熟す早さを表しています。
いちばん南のサレントではネグロアマーロ(Negroamaro)です。サリーチェ・サレンティーノの規定はこれを「サレントの第一の品種」と呼び、ブリンディジ(Brindisi)県とレッチェ(Lecce)県のぶどう畑のおよそ7割を占めるとしています。
覚えておきたい四つの産地
産地や品種、造り方の条件を国の決まりで定めた名前を「原産地呼称」といい、DOCとDOCGがあります。DOCGはそのうち条件のより厳しい区分です。農業省の一覧(2026年3月時点)では、プーリアのDOCGは4つ、DOCは28あります。
- カステル・デル・モンテ — バーリの北西、ムルジェの台地の上。名前は、13世紀の皇帝フェデリーコ2世(Federico II)の八角形の城から取られています。DOCGが三つあり、ネーロ・ディ・トロイアを主体にした赤ワインのリゼルヴァ(riserva)が二つ(どちらも2年以上熟成させ、うち1年以上は木の樽)、黒ぶどうのボンビーノ・ネーロ(Bombino Nero)を9割以上使う辛口のロゼワインが一つです
- プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア(Primitivo di Manduria) — ターラント(Taranto)県とブリンディジ県、イオニア海側のほぼ平らな土地。プリミティーヴォを85%以上使う赤ワインです。ぶどうを干して糖分を濃くした甘口の「ドルチェ・ナトゥラーレ(Dolce Naturale)」は、州のもう一つのDOCGです
- ジョイア・デル・コッレ — プリミティーヴォの名が生まれた、バーリ県の内陸の町のまわり。品種名を名乗る赤ワインは、プリミティーヴォだけでつくります
- サリーチェ・サレンティーノ — レッチェの北の町の名前。赤ワインとロゼワインに、ネグロアマーロを75%以上使います
サリーチェ・サレンティーノの規定によれば、1930年代から、この土地の生産者はネグロアマーロとマルヴァジーア・ネーラ(Malvasia Nera)で赤ワインとロゼワインをつくっていて、そのワインが国内外で認められたことから、1976年に呼称ができました。同じ町の生産者レオーネ・デ・カストリスは、1943年に瓶に詰めたロゼワインを、イタリアで初めて瓶詰めで売られたロゼワインだと説明しています。
ほかに、白ワインの産地としてロコロトンド(Locorotondo)があります。イタリア政府観光局は、香りが強く、辛口でやわらかく、桃とサンザシを思わせるワインとして紹介しています。

プーリアのワインに合わせる食事
イタリア政府観光局は、プーリアの食卓を三つの色で説明しています。緑はオリーブオイルと野菜、白い色は手打ちパスタとチーズとパン、赤い色はマルティナ・フランカ(Martina Franca)のカポコッロ(capocollo)といった加工肉と、プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア、ネーロ・ディ・トロイア、ネグロアマーロの赤ワインです。
州を象徴する料理のひとつに観光局が挙げるのが、オレッキエッテ・コン・レ・チーメ・ディ・ラーパ(orecchiette con le cime di rape)です。ほろ苦い青菜のチーメ・ディ・ラーパに、アンチョビと唐辛子を合わせて、くぼみのある小さな手打ちパスタとあえます。パスタはバーリのあたりで生まれた形で、刃のないナイフの先と指先で一つずつつくります。サレントには、白いそら豆とチコリの料理ファーヴェ・エ・チコーリア(fave e cicoria)があります。
内陸のヴァッレ・ディトリア(Valle d’Itria)については、この谷の赤ワインとロゼワインを、樫の炭の窯で焼く子羊の串焼きのような土地の料理に合わせるよう、観光局は勧めています。
日本の食卓で試すなら、菜の花とアンチョビのパスタ、豚の肩ロースの生ハムやサラミ、ラム肉の串焼きが、この土地の料理に近い組み立てです。

訪ねる・買う
イタリア政府観光局の案内も、旅の起点をバーリに置いています。旧市街は、細い路地が入り組んだ迷路のような町です。南東には、石を積んで円錐形の屋根をのせた家トゥルッリ(trulli)の町アルベロベッロ(Alberobello)と、ヴァッレ・ディトリアの村があります。西の内陸にはカステル・デル・モンテの城が建ち、城とトゥルッリはどちらも1996年に世界遺産になりました。さらに南へ下ればレッチェとサレントの海です。
日本での入手ですが、調査時点(2026年10月20日)に楽天市場で在庫を確かめた範囲では、サリーチェ・サレンティーノは1,200円前後から、プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアは1,500円台から、カステル・デル・モンテのロゼワインは1,500円台から見つかりました。DOCGのカステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァは2,400円前後から4,000円台です。
