プリミティーヴォのワイン一覧

1,045円
テッレ・ディ・サーヴァ(Terre di Sava) / 販売: うきうきワインの玉手箱

3,586円
ファタローネ(Fatalone) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア セッサンタアンニ 2020
4,565円
カンティーネ・サン・マルツァーノ(Cantine San Marzano) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア・ドルチェ・ナトゥラーレ エス・ピウ・ソーレ 2018(375ml)
10,680円
ジャンフランコ・フィーノ(Gianfranco Fino) / 販売: ワインの専門店・紀伊国屋リカーズ
プリミティーヴォとは?
プリミティーヴォ(Primitivo)は、イタリア半島の南東のはし、プーリア州で多く育てられている黒ぶどうです。色の濃い、熟した果実の香りの豊かな赤ワインになり、辛口のものから、ぶどうを干して糖分を濃くした甘口ワインまでつくられます。
名前は「早い」を意味する言葉から来ています。18世紀の終わりごろ、バーリ県のジョイア・デル・コッレ(Gioia del Colle)の聖職者フランチェスコ・フィリッポ・インデッリカーティ(Francesco Filippo Indellicati)が、いろいろな品種が混ざって植わる畑の中で、ほかより早く熟すぶどうに目をとめ、「プリマティーヴォ(Primativo)」と名づけたと伝えられています。文書がこの話の根拠に挙げているのは、1919年に出た地元の研究者の本です。

このぶどうは、アメリカのカリフォルニア州で「ジンファンデル(Zinfandel)」と呼ばれているぶどうと、DNAの上では同じ品種です。1993年にアメリカのブドウ・ワインの学術誌に載った研究は、DNAの型を比べて、二つが一つの品種の別名だという見方を支持しました。イタリアの国の品種登録簿も、ジンファンデルをプリミティーヴォの別名として載せています。
このぶどうの古い故郷の手がかりが見つかったのは、アドリア海の対岸のクロアチアです。2004年に同じ学術誌に載った論文は、クロアチアのダルマチア地方の畑で2001年と2002年に見つかった、ツルリェナク・カシュテランスキ(Crljenak kaštelanski)とプリビドラグ(Pribidrag)というぶどうが、ジンファンデルと同じDNAの型を持つことを示しました。さらに2011年、ザグレブ大学の研究者たちは、90年前の押し葉の標本に残っていた「トリビドラグ(Tribidrag)」というぶどうのDNAを調べ、これもジンファンデルと同じ型だと報告しています。古い記録とあわせると、クロアチアでは15世紀のはじめにはこの名前で育てられていたことになる、と論文は書いています。

いつ、どのようにアドリア海を渡ってプーリアに来たのかは、今回あたった資料では確かめられませんでした。
どこで育てられているか
イタリアのプリミティーヴォの畑の広さは、資料によってかなり違います。アデレード大学のワイン経済研究センターがまとめた品種別のデータベースでは、およそ14,000ヘクタールです。EUの統計局(Eurostat)の2020年の値で、このデータベースはプリミティーヴォを、国際的な代表名の「トリビドラグ」の行に入れています。一方、イタリアの農業食品市場サービス公社(ISMEA)などによる2025年の数字は、およそ21,700ヘクタールで、2005年の2倍を超えています。年も数え方も違うので、どちらか一方を「イタリアの面積」とは言えません。
主な産地は、プーリア州の二つの土地です。
ひとつは、州の南、ターラント県とブリンディジ県にまたがるマンドゥーリア(Manduria)のまわりです。イオニア海に面したほぼ平らな土地で、冬はおだやか、夏は暑く、雨は冬に多く降ります。保護協会によれば、土は鉄分を含んだ赤い土から、海に近い地区では砂まであります。ぶどうは、アルベレッロ(alberello=小さな木)と呼ばれる低い株仕立てでも育てられています。この平野にプリミティーヴォが伝わったのは19世紀の終わりで、アルタムーラの伯爵家から嫁いだ女性が持ってきた苗が始まりだったと伝えられています。

もうひとつは、名前の生まれたジョイア・デル・コッレのまわりで、バーリ県の内陸、ムルジャ(Murgia)と呼ばれる石灰岩の台地です。この土地では、畑の6割ほどがプリミティーヴォだとされます。春は霜が降りやすい土地ですが、このぶどうは芽吹きが遅いので霜の害を受けにくく、それでいて8月の終わりから9月のはじめには熟します。この二つの性質があったから、プリミティーヴォはムルジャの丘に広まったとされます。

プリミティーヴォが主役のワイン
主な呼称と、そのワインに使うプリミティーヴォの割合です。DOCとDOCGは、産地や造り方が国の決まりで定められたイタリアの原産地呼称で、DOCGはそのうち生産の条件がもっとも厳しい区分です。
| ワイン | 産地 | プリミティーヴォの割合 |
|---|---|---|
| プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア(Primitivo di Manduria、DOC) | ターラント県・ブリンディジ県 | 85%以上 |
| プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア・ドルチェ・ナトゥラーレ(Dolce Naturale、DOCG) | 同上 | 100% |
| ジョイア・デル・コッレ・プリミティーヴォ(DOC) | バーリ県 | 100% |
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアには、香りの強くない黒ぶどうを15%まで混ぜることができます。リゼルヴァ(riserva)を名乗るなら、2年以上熟成させ、そのうち9か月以上は木の樽に入れます。
ドルチェ・ナトゥラーレは、ぶどうを干して糖分を濃くしてからつくる甘口ワインです。決まりでは、木につけたまま干しても、収穫してからすのこや箱で干してもよいことになっています。ただ保護協会は、このワインの特徴を、木につけたまま干すことだと説明しています。
マンドゥーリアの二つの呼称には、最初に実った房しか使えません。このぶどうは収穫のあとに脇の枝の房がもう一度熟し、かつてはひと月ほど遅れてそれも摘み取って、別にワインにしていたそうです。
ラベルに品種の名前を出したワインには、ワイン一覧のノッテ・ロッサのように、DOCより広い範囲で名乗れる地理的表示「サレント(Salento)IGP」のものもあります。
どんなワインになるか
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリアは色の赤みが濃く、熟成につれてガーネットに傾きます。香りは広がりがあって複雑で、味わいは辛口から、ほのかに甘さを残すもの(abboccato=アッボッカート)まで認められています。アルコール分は13.5%以上、リゼルヴァは14%以上です。
保護協会は、香りをプラムやさくらんぼ、ブラックベリー、小さな森の果実にたとえ、口に含むと豊かで温かみがあり、渋みがしっかりしていて、酸とのつりあいがよいと説明しています。畑のまわりに生えるレンティスコ(lentisco)という地中海沿岸の低木の香りも、このワインの特徴に挙げています。
ジョイア・デル・コッレのプリミティーヴォは、色が赤紫を帯び、熟成すると橙色に傾きます。香りは軽やかで、味わいはふくよか、熟成するにつれてビロードのようななめらかさが出ます。ドルチェ・ナトゥラーレは、1リットルに50グラム以上の糖分が残る甘口ワインで、協会は香りにジャムや干しいちじくを感じるとしています。
プリミティーヴォに合わせる食事
マンドゥーリアの保護協会が第一に挙げるのは、地元のオレッキエッテ(orecchiette)です。プーリアの料理に欠かせない、表面がざらざらした、くぼみのある小さなパスタで、協会が挙げるのは、ソースで和えてカチョリコッタ(cacioricotta)というチーズを合わせたものです。ほかに肉のラグー(ragù)や、トマトで煮た魚のスープも挙げていて、スパイスや香りの強いアジアの料理にもよく合わせられているとしています。リゼルヴァには、ジビエ、肉のロースト、炭火焼きです。
甘口のドルチェ・ナトゥラーレは、焼き菓子やビターチョコレート、青かびのチーズや長く熟成させたチーズと合わせるよう、協会は勧めています。
日本の食卓で試すなら、トマトソースで煮込んだ肉団子のパスタ、魚介のトマト煮、スペアリブの炭火焼きが、地元の料理に近い組み立てです。甘口なら、ビターチョコレートやゴルゴンゾーラを用意します。
