- カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロ Castel del Monte Bombino Nero
- カステル・デル・モンテ・ネーロ・ディ・トロイア・リゼルヴァ Castel del Monte Nero di Troia Riserva
- カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァ Castel del Monte Rosso Riserva
- プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア・ドルチェ・ナトゥラーレ Primitivo di Manduria Dolce Naturale
二つの海にはさまれた、平らな土地
イタリア半島の南東の端にある州です。北西から南東へ細長くのびてアドリア海とイオニア海にはさまれ、州都はバーリ(Bari)です。百科事典のトレッカーニによれば、土地は平らか、ゆるやかに波打つところがほとんどで、北には石灰岩の台地ガルガーノ(Gargano)が海へ突き出し、その南西に広い平野のタヴォリエーレ(Tavoliere)が開けます。気候は地中海性で、夏は長く暑くて雨が少なく、冬は穏やかです。
州の中央には、石灰岩の台地ムルジェ(Murge)が横たわっています。その北西寄りにあるのがカステル・デル・モンテ(Castel del Monte)の産地で、生産規定は、多くの土が浅く、石や岩が多いと書いています。南のイオニア海側にはマンドゥーリア(Manduria)の、半島サレント(Salento)のレッチェ(Lecce)の北にはサリーチェ・サレンティーノ(Salice Salentino)の産地があります。
土地ごとの黒ぶどう
生産規定によれば、プリミティーヴォ(Primitivo)は名前が実の熟す早さを表す黒ぶどうで、18世紀の終わりにバーリ県のジョイア・デル・コッレ(Gioia del Colle)で選び出されたのが始まりです。ネグロアマーロ(Negroamaro)はサレントの第一の品種で、サリーチェ・サレンティーノの赤ワインとロゼワインに75パーセント以上使います。
産地や品種、造り方の条件を満たしたワインだけが名乗れる名前を「原産地呼称」といい、そのうち条件のより厳しい区分をDOCGと呼びます。イタリア農業省の呼称一覧(2026年3月時点)では、プーリア州のDOCGは4、DOCは28です。産地をゆるやかに示す区分(IGT)は、2026年5月の省の一覧で6つです。DOCGのうち三つはカステル・デル・モンテの名を持ち、黒ぶどうのネーロ・ディ・トロイア(Nero di Troia)を主体にする赤ワインが二つ、ボンビーノ・ネーロ(Bombino Nero)のロゼワインが一つです。残るプリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア・ドルチェ・ナトゥラーレ(Primitivo di Manduria Dolce Naturale)は、プリミティーヴォだけでつくる甘口の赤ワインで、ぶどうを木に付けたまま、または摘んで棚などで干すことが認められています。
名前のついた風と、海を渡ってきた人びと
生産規定によれば、アペニン山脈が西からの風をさえぎり、冬には東から冷たく湿った風が吹きます。カステル・デル・モンテのあたりでは、北からの冷たく乾いた風を「セッラティーナ(Serratina)」、南や南西からの暑く乾いた風を「ファヴォーニオ(Favonio)」と呼びます。海へ突き出したサレントは州のほかの土地より湿気が多く、夏はとくに南のほうが蒸し暑くなります。
トレッカーニによれば、紀元前8世紀の終わりにギリシャ人がターラント(Taranto)に植民市を開きました。13世紀の皇帝フェデリーコ2世(Federico II)の時代には大聖堂や城塞が建ち、八角形の城カステル・デル・モンテは1996年に世界遺産になりました。ワインの名はこの城から取られています。石を積んで円錐形の屋根をのせた家トゥルッリ(trulli)が並ぶアルベロベッロ(Alberobello)も、同じ年に登録されました。

