ガリオッポのワイン一覧

2,090円
リブランディ(Librandi) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

2,255円
リブランディ(Librandi) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

チロ・ロッソ・リゼルヴァ ドゥーカ・サンフェリーチェ 2022
3,443円
リブランディ(Librandi) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店
チロ・ロッソ・クラッシコ・スペリオーレ・リゼルヴァ アリス 2021
4,400円
セルジオ・アルクリ(Sergio Arcuri) / 販売: 酒宝庫 MASHIMO
ガリオッポとは?
ガリオッポ(Gaglioppo)は、イタリア半島の爪先にあたるカラブリア州の黒ぶどうです。イオニア海に面した町チロ(Cirò)のまわりで、渋みのしっかりした赤ワインと、ロゼワインになります。英国のワイン誌デキャンター(Decanter)によれば、チロはカラブリアのDOCでいちばん多くつくられているワインです。
名前は、カラブリアの方言で「握りこぶし」を意味する言葉から来たとされています。イタリア語版ウィキペディアは、房が実の詰まった丸い形をしていることにちなむ、と説明しています。

このぶどうは長いあいだ、古代ギリシャ人がイオニア海の沿岸に持ち込んだものと言われてきました。沿岸はかつてギリシャ人の植民市が栄えた土地で、イタリアのワイン情報サイト、クアットロカリチ(Quattrocalici)も、ギリシャ系の起源を「ありうる」としています。
遺伝子の研究は、別の答えを出しました。2008年にイタリアの研究所が発表した論文は、ガリオッポが、トスカーナのサンジョヴェーゼと親子の関係にあることを示しました。ただし、この時点ではどちらが親なのかは決められませんでした。2013年に南イタリアの研究所が発表した論文は、ガリオッポの両親を、サンジョヴェーゼと、カラブリアの白ぶどうマントニコ・ディ・ビアンコ(Mantonico di Bianco)だとしています。同じ論文は、シチリアのエトナの黒ぶどうネレッロ・マスカレーゼも同じ両親から生まれたとしており、海峡をはさんだ二つの品種は、きょうだいということになります。
ギリシャの話が消えたわけではありません。チロのワインの決まりの文書は、チロのワインの祖先を、古代に「クリミサ(Krimisa)」と呼ばれたワインだと書いています。いまのチロ・マリーナ(Cirò Marina)の場所にあったギリシャの植民市の名から来た呼び名で、オリンピックの勝者に贈られたという言い伝えも添えられています。ただし、それがどのぶどうからつくられていたのかは、文書には書かれていません。
どこで育てられているか
クアットロカリチによれば、ガリオッポはほとんどがカラブリア州で育てられ、中心はイオニア海側の州の中ほどから北にかけての海岸です。なかでもクロトーネ県のチロの一帯に多く、ほかにメリッサ(Melissa)やサヴート(Savuto)などの産地にもあります。州の外ではごくわずかです。
畑の広さは、アデレード大学のワイン経済研究センターの品種別データベースで、およそ3,700ヘクタールです(EUの統計局 Eurostat の2020年の値)。同じデータベースの2010年の値は4,200ヘクタールあまりで、クアットロカリチもこの数字を挙げています。
チロの畑は、海辺から標高460メートルほどまでの丘に広がります。決まりの文書によれば、西には高原シーラ(Sila)の山並みがあって、東には海があり、雨は秋から冬に集まって、夏は水が足りなくなるほど乾きます。クアットロカリチは、ガリオッポを日照りに強く、やせた土や海からの風にもよく耐える、丈夫な品種だと書いています。古い畑には、支柱を立てずに株を低く仕立てる「アルベレッロ(alberello)」がいまも多く残っているそうです。

ガリオッポが主役のワイン
DOCとDOCGは、産地や造り方が国の決まりで定められたイタリアの原産地呼称で、DOCGはそのうち生産の条件がもっとも厳しい区分です。表は、ガリオッポが主役になる呼称と、使う割合です。
| ワイン | どんなワインか | ガリオッポ |
|---|---|---|
| チロ・クラッシコ(Cirò Classico、DOCG) | 赤ワイン | 90%以上 |
| チロ(DOC) | 赤ワイン、ロゼワイン | 80%以上 |
| テッレ・ディ・コゼンツァ・ガリオッポ(Terre di Cosenza Gaglioppo、DOC) | 赤ワイン | 85%以上 |
チロの産地は、チロとチロ・マリーナの二つの町と、隣の二つの町の一部にまたがります。そのうちチロとチロ・マリーナの二つの町だけでつくる赤ワインが、チロ・クラッシコです。もとはDOCのなかで「クラッシコ」を名乗っていたもので、2025年にEUが承認し、カラブリアで初めてのDOCGになりました。ガリオッポに加えられるのは、地元の黒ぶどうのマリオッコ(Magliocco)とグレコ・ネーロ(Greco Nero)だけで、収穫の翌年から数えて3年以上、そのうち半年以上を木の樽で寝かせてから出荷します。
DOCのチロでは、ほかの品種を2割まで混ぜられ、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどの国際品種も1割までなら使えます。デキャンターによれば、国際品種が認められたのは1996年で、これに反発した小さな生産者たちが「チロ・レヴォリューション(Cirò Revolution)」という集まりをつくりました。加わる生産者はガリオッポだけでワインをつくり、小さな新しい樽を使いません。2024年の時点で11社が加わり、ロゴは剪定ばさみを握ったこぶしだそうです。

どんなワインになるか
チロ・クラッシコは、ルビー色で、熟成とともにガーネットの色合いに変わっていきます。香りは強く複雑で、赤い果実とスパイスが感じられます。味わいは辛口で、しっかりとした厚みがあり、余韻が長く残ります。熟成を重ねるほど、口あたりはビロードのようになめらかになります。DOCのチロの赤ワインは、紫がかったルビー色で、若いうちから飲めるものです。ロゼワインは、香りが穏やかで、辛口からほのかな甘口まであります。
クアットロカリチは、ガリオッポのワインの香りに、さくらんぼ、ざくろ、ブラックベリー、スミレ、甘いスパイス、ハーブを挙げています。渋みははっきりしていて、後味にはスパイスと、ほのかな苦みが残るとしています。
皮については、資料の書き方が逆です。クアットロカリチは、皮が厚く、色のもとになる色素と渋みのもとになるタンニンをたっぷり含むと書いています。デキャンターは、皮は薄く、グラスの中では色が淡くオレンジがかって見えることが多いとし、酸と、熟成させないとほどけない噛みごたえのある渋みを、バローロのネッビオーロになぞらえています。
ガリオッポに合わせる食事
イタリア政府観光局のサイトは、チロと同じクロトーネ県の県都クロトーネの市場で、地元の羊のチーズのペコリーノ・クロトネーゼ(Pecorino Crotonese)と、サルデッラ(sardella)を、一杯のチロといっしょに味わうことを勧めています。サルデッラは「カラブリアのキャビア」とも呼ばれる、小魚の稚魚に唐辛子をきかせた、パンに塗るペーストです。同じサイトは、カラブリアの食卓の王様は唐辛子だと書き、豚肉の加工品では、塗って食べるサラミのンドゥイヤ(’nduja)を挙げています。
日本の食卓で試すなら、しらすに一味唐辛子とオリーブオイルを合わせてパンにのせたものと、羊乳のハードタイプのチーズが、地元の組み立てに近い組み合わせです。
