Vino Storia

ワインのお話

コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ

コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコのワイン一覧


コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコとは?

コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ(Conegliano Valdobbiadene – Prosecco)は、グレラ(Glera)という白ぶどうからつくる白ワインで、9割あまりが泡のワイン(スプマンテ)です。泡のものは呼称に「スペリオーレ(Superiore)」が付く決まりで、店では「プロセッコ・スペリオーレ」の名前でよく並んでいます。甘さの表示は極辛口からやや甘口まであります。

つくられているのはヴェネト州の北東、トレヴィーゾ県のコネリアーノ(Conegliano)とヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)の町のあいだの丘です。名乗れるのは15の村の丘の部分だけで、谷底や北向きの斜面、平地は外されています。北の山並みが冷たい風をさえぎり、南へ40キロほどでヴェネツィアの潟です。

ヴェネツィアオーストリアアドリア海コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ
ヴェネト州の中のコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコの産地。トレヴィーゾ県の15の村の丘に広がる 小さな点は、この州のほかの DOCG です。 地図: Istat(CC BY 4.0・加工あり)

この丘の景観は2019年、「コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコの丘(Le Colline del Prosecco di Conegliano e Valdobbiadene)」として、ユネスコの世界遺産(文化的景観)に登録されました。決め手になったのは、地形と畑のつくり方です。

木に覆われた細い尾根がいくつも並び、手前の斜面をぶどうの畝が曲線を描いて覆っている。谷間に小さな集落が見える
ヴァルドッビアーデネの丘。細い尾根と谷が交互に続き、斜面をぶどうの畝が覆うAlberto Davide Lorenzi / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

丘は、英語で「豚の背」を意味するホグバック(hogback)と呼ばれる形で、細く急な尾根がいくつも並び、あいだを小さな谷が走っています。その斜面に、人々は石垣ではなく、草に覆われた土の段をつくってぶどうを植えてきました。チリオーニ(ciglioni)と呼ばれるこの段は、保護協会によれば斜面を支え、土が流れるのを抑えます。ユネスコは、17世紀からこの段が使われ、斜面に平行な畝と垂直な畝が入り組む市松模様のような景色ができたと説明しています。

保護協会の調べでは、登録された範囲でチリオーニが占める割合は、1960年の28%から2015年には20%に減りました。減ったのはおもに傾斜のゆるい場所で、急な斜面ほど残っているといいます。

急な斜面に小さなぶどう畑が段をなして並び、林や小屋、細い道と入り組んでいる
ファッラ・ディ・ソリーゴのコッラグーの斜面。小さな畑が林や小屋と入り組んでいるPatafisik / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

どんなワインか

色は麦わら色で輝きがあり、泡は細かく長く続きます。香りは心地よい果実の香りで、味わいはフレッシュで調和がとれ、果実味があります。アルコール分は11%以上です。保護協会によれば、糖分はブリュット(Brut)よりエクストラ・ドライ(Extra Dry)、それよりドライ(Dry)のほうが多くなります。

リーヴェ(Rive)は、ひとつの村か集落のぶどうだけでつくったものです。名乗れる地名は43か所に決められ、手で収穫し、ラベルに収穫年を書きます。協会によれば、リーヴェは土地の言葉で急な丘の斜面を指す語です。

協会が最上位としているのが、ヴァルドッビアーデネのサン・ピエトロ・ディ・バルボッツァ(San Pietro di Barbozza)にあるカルティッツェという区画のぶどうからつくる、スペリオーレ・ディ・カルティッツェ(Superiore di Cartizze)です。南向きの急な斜面が、すり鉢のように囲む場所です。広さは、生産規定が106ヘクタール、保護協会が107ヘクタールとしています。

丘に囲まれたくぼ地の斜面一面に、ぶどうの畝が等高線のように走っている。中ほどに小さな集落がある
カルティッツェの丘。南向きの斜面に畝が等高線を描くCivvì / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

使われているぶどう品種

グレラが主役で、生産者の畑全体で15%までは、ヴェルディーゾ(Verdiso)、ビアンケッタ・トレヴィジャーナ(Bianchetta trevigiana)、ペレーラ(Perera)、グレラ・ルンガ(Glera lunga)という土地の白ぶどうを混ぜてよいことになっています。泡のワインにはシャルドネやピノのワインを加えるやり方も認められていますが、土地の白ぶどうと合わせて15%までです。

枝から下がる、黄緑色の粒がぎっしり詰まったぶどうの房
グレラの房Ursula Brühl, Julius Kühn-Institut (JKI) / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

生産規定は、グレラを勢いよく育つ品種とし、この丘では酸と香りが保たれやすいと書いています。規定の歴史を述べた段には、この品種を「プロセッコ」と呼んでいる箇所があります。

同じグレラからつくる呼称には、アーゾロ・プロセッコ(Asolo Prosecco)のDOCGと、範囲の広いプロセッコのDOCがあり、この産地はプロセッコDOCの範囲の中にあります。同じ州の白ワインでも、ソアーヴェはガルガーネガ(Garganega)という別の品種からつくります。


価格帯

調査時点(2026年9月23日)に楽天市場で見つかった、750ミリリットルの単品の泡の価格です。商品名に「コネリアーノ」「ヴァルドッビアーデネ」「カルティッツェ」のどれかがあるものを数え、セット商品やハーフなどの瓶、微発泡、アーゾロとプロセッコDOCの商品は除いています。

確認できた本数価格の幅中央値
通常のもの155本1,938円〜7,180円3,520円
リーヴェ12本2,933円〜4,906円3,553円
スペリオーレ・ディ・カルティッツェ9本3,880円〜8,493円5,156円

通常のものは7割ほどが4,000円未満で、リーヴェもほぼ同じ価格帯でした。価格は税込の表示で、送料は含みません。同じワインを複数の店が売っているので、本数は銘柄の数ではありません。


コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコに合わせる食事

イタリア政府観光局は、この丘でいちばん親しまれているサラミのソプレッサ(sopressa)と、トレヴィーゾの葉野菜ラディッキオ・ロッソ(radicchio rosso di Treviso)を挙げています。保護協会は、瓶の中で発酵させた極辛口のスイ・リエヴィティ(sui lieviti)に、塩漬けの干し鱈の料理(baccalà)や、玉ねぎと甘酢でいわしを漬けたサルデ・イン・サオール(sarde in saor)を合わせる例を挙げています。エクストラ・ドライには、豆や魚介のスープ、鶏肉を挙げています。

日本の食卓で試すなら、いわしの南蛮漬け、生ハムやサラミ、鶏肉のソテーが、地元の料理に近い組み立てです。協会は6〜8℃に冷やし、フルートではなく大きめのチューリップ形のグラスで飲むことを勧めています。