Vino Storia

ワインのお話

山梨 / 塩山

Kisvinワイナリー

Kisvin Winery

塩山のぶどう農家が、生で食べるぶどうからワイン用のぶどうへ畑を切り替え、自分たちのワイナリーを建てるまでの話です。

  • 見学 休止中

見学・予約

見学
休止中(2026年のワイナリー見学ツアーは休止

営業案内

試飲
なし(ワイナリーでの試飲は行っていない)
ショップ
なし(ワイナリーの売店は新型コロナウイルスの感染拡大のときから休業したまま)

ワイナリーでは試飲も販売もしていません。公式サイトは、酒販店や酒販店のオンラインショップで買うよう案内しています。近くでは、甲州市勝沼町休息の新田商店が扱っています。
2026年11月14日(土)の「ワインツーリズムやまなし2026秋 塩山牧丘」では、参加者に限ってワイナリーでワインをグラスで販売します(チケットは主催者のサイトで)。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
山梨県甲州市塩山千野

ワイナリーの話

Kisvinワイナリーとは?

Kisvin(キスヴィン)は、山梨県甲州市塩山の千野(ちの)にあるワイナリーです。ウェブマガジン NIHONMONO の記事によれば、名前には「ブドウにキスを」という意味が込められています。

始めたのは、塩山のぶどう農家の3代目、荻原康弘です。2001年に父から家業を継いだとき、畑にあったのは生で食べるためのぶどうでした。荻原はワイン用のぶどうへの植え替えを進め、自分のワイナリーを持つより先に、ワインのためのぶどうを育てて売ることから始めました。そのうえで、アメリカで醸造を学んでいた日本人を塩山へ誘い、2013年に自分たちのワイナリーを建てています。


傘をかけて、緑のまま熟させる

Kisvinの畑は、甲州市の塩山と勝沼の地区にあわせて5ヘクタールあります。公式サイトによれば、栽培の中心にあるのは、光合成や植物ホルモン、根と葉の量の釣り合いといった、ぶどうの体のしくみについての考え方です。土は分析装置で細かく調べてから肥料を決め、畑は耕さずに草を生やしたままにしています(草生栽培)。

NIHONMONO の記事によれば、荻原は垣根ではなく、頭の上に棚を張ってぶどうを育てる棚栽培を選びました。垣根に仕立てると、地面に近い葉や実に朝露がついて湿気がこもるためだといいます。

甲州(こうしゅう)の育て方には、この畑ならではの手間があります。甲州は日本で古くから育てられてきた白ぶどうで、熟すと果皮が紫色を帯び、苦みが出てきます。Kisvinは、酸がきれいで苦みの少ない味をめざして、一房ごとに自社でつくった銀色の傘をかけて日差しをさえぎり、実を緑色のまま熟させています。こうして育てた甲州を、会社は「エメラルド甲州」と呼んでいます。

公式サイトには、「高品質のブドウが出来さえすれば、醸造とはシンプルかつ平易なものである」という考えが掲げられています。醸造家も日ごろから畑に出て、収穫の時期には実の成分を細かく分析し、ちょうど熟したときに摘み取ることをいちばんに考えているそうです。


歩み

公式サイトの沿革によれば、荻原が醸造用のぶどうに目を向けたのは2002年ごろです。2005年には醸造用ぶどうの勉強会「Team Kisvin(チームキスヴィン)」をつくり、ワイン用ぶどうの栽培を広げ始めました。

2008年、そのぶどうを甲府のシャトー酒折ワイナリーに売り始めます。NIHONMONO の記事によれば、品質が認められて専用のタンクで仕込まれることになり、シャトー酒折から「Kisvin Koshu 2008」が発売されました。2009年に農業生産法人の株式会社Kisvinを立ち上げます。

同じ2009年、荻原はカリフォルニア州立大学まで出向いて、一人の日本人の醸造家に会っています。斎藤まゆです。NIHONMONO の記事によれば、荻原は斎藤がワイン造りについて書いたブログを読み、本人を訪ねて誘いました。公式サイトによれば、斎藤は早稲田大学を中退してカリフォルニア州立大学でワインの醸造を学び、卒業後はその大学のワイナリーで醸造の助手を務めた人です。そのあとフランスのブルゴーニュの生産者のもとで経験を積みました。

2013年、自社の醸造施設 Kisvin Winery が建ち、斎藤を醸造責任者に迎えてワイン造りが始まります。最初のワインを売り出したのは2014年でした。2026年3月には、斎藤が「醸造総指揮」に移り、川上黎が新しい醸造責任者になることが発表されています。


代表的なワイン

公式サイトの商品案内には、甲州の白ワインとスパークリングワインのほか、シャルドネ(Chardonnay)、ピノ・ノワール(Pinot Noir)、シラー(Syrah)、ヴィオニエ(Viognier)、ジンファンデル(Zinfandel)などからつくるワインが並んでいます。どれも数が少なく、次の発売まで品切れになるものもあります。

2026年4月の塩ノ山ワインフェスに出したワインには、会社自身が短い紹介を添えています。

Kisvin 甲州(2024年)は、さわやかな香りとほろ苦さがあり、深い後味が重なる白ワインです。ANAの国際線ファーストクラスには、ANA向けにブレンドした「ANAオリジナル キスヴィン甲州」が選ばれたと、公式サイトは伝えています。

Kisvin シャルドネ(2024年)は、白桃のような華やかさとバニラの香りをもつ白ワインです。いちばん出来のよい実だけを使うシャルドネ レゼルヴもあり、NIHONMONO の記事は、洗練された酸と華やかさを備えたワインと紹介しています。

Kisvin シラー ヴィオニエは、黒ぶどうのシラーに白ぶどうのヴィオニエを合わせた赤ワインです。2022年はスミレの香りとなめらかな口当たり、長い余韻があり、2023年は華やかな香りにスパイスが重なると紹介されています。

Kisvin ピノ・ノワールは、2017年に来日した世界的なソムリエ、ジェラール・バッセ(Gérard Basset)が高く評価したと、NIHONMONO の記事は伝えています。

ワイナリーでは買えないので、公式サイトにある取扱店や、酒販店のオンラインショップで探すことになります。

基本情報

創業
2013年(自社の醸造施設 Kisvin Winery を建てて醸造を始めた年。会社の設立は2009年)
人物
荻原康弘(代表取締役)
斎藤まゆ(醸造総指揮。2013年から醸造責任者)
川上黎(醸造責任者。2026年3月に就任を発表)
代表的なワイン
Kisvin 甲州 / Kisvin シャルドネ レゼルヴ / Kisvin ピノ・ノワール / Kisvin シラー ヴィオニエ
公式サイト
kisvin.co.jp

塩山のほかのワイナリー

塩山のワイナリー一覧へ