アルネイスのワイン一覧

1,680円
テッレ・ダ・ヴィーノ(Terre da Vino) / 販売: ワインの専門店・紀伊国屋リカーズ

2,544円
フォンタナフレッダ(Fontanafredda) / 販売: 酒類の総合専門店 フェリシティー

3,278円
チェレット(Ceretto) / 販売: うきうきワインの玉手箱

ロエロ・アルネイス リゼルヴァ レネージオ・インチーザ 2021
8,305円
モンキエロ・カルボーネ(Monchiero Carbone) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店
アルネイスとは?
アルネイス(Arneis)は、北イタリアのピエモンテ州、アルバ(Alba)の街の北に広がるロエロ(Roero)の丘で育つ白ぶどうです。辛口の白ワインになり、香りは白い花やりんご、桃、ヘーゼルナッツにたとえられます。タナロ川(Tanaro)をはさんだ向かい側は、バローロやバルバレスコの丘が続くランゲ(Langhe)です。
ロエロの生産者の団体、ロエロ保護協会(Consorzio di Tutela Roero)によれば、アルネイスは18世紀にはモスカートと並ぶ上等なぶどうとされ、おもに甘口のワインやヴェルモットにされていました。ところが20世紀にぶどう栽培が行き詰まると、食べるためのぶどうとして育てられるようになります。甘くて早く熟すので、ネッビオーロの脇に植えて、鳥をそちらに引きつけたといいます。「白いネッビオーロ(nebbiolo bianco)」という呼び名はここから来た、と協会は説明しています。
協会によれば、1970年代にはアルネイスの畑は10ヘクタールあまりしか残っていませんでした。そのころにアルネイスだけの畑が植え直され、いくつかの生産者が辛口のワインに仕込み始めました。

名前の由来は、ひとつに決まっていません。ロエロのワインの決まりの文書は、怒りっぽくてあてにならない人を指す方言の言葉に、生産者たちがこのワインの性格をなぞらえたのだろう、と書いています。何が「扱いにくい」のかは資料で違い、イタリアのワイン情報サイト、クアットロカリチ(Quattrocalici)は畑での育てにくさを挙げます。イタリア語版ウィキペディアは「がらくた」を意味する方言とのつながりを挙げ、値打ちのあるネッビオーロのまわりに植えられていたからだとしています。
もうひとつは地名の説です。カナーレ(Canale)の村の裏手にレネージオ(Renesio)という畑があり、15世紀の文書には、このぶどうが「renexij」の名で出てきます。保護協会はこちらの説をとっていて、決まりの文書も二つめの説として載せています。ワイン一覧のモンキエロ・カルボーネの1本は、この畑の名前をラベルに付けています。
どこで育てられているか
アルネイスは、ほとんどがピエモンテ州で育てられています。アデレード大学のワイン経済研究センターの品種別データベースでは、イタリアの畑はおよそ1,200ヘクタールです(EUの統計局 Eurostat の2020年の値)。同じデータベースの2010年の値は1,000ヘクタールに届いていませんでした。保護協会が書く1970年代の「10ヘクタールあまり」とは資料も数え方も違いますが、半世紀のあいだに畑が大きく増えたことは分かります。
中心はいまもロエロです。ロエロはクーネオ(Cuneo)県の19の村にまたがる丘の地域で、保護協会によれば、ぶどう畑のあいだに森や果樹園が混じるのがこの土地の景色です。
その丘を南西から北東へ切り裂くように、ロッケ(Rocche)と呼ばれる崖が続いています。深いところでは高低差が数百メートルにもなる切れ込みです。決まりの文書は、この崖を、地殻の動きでタナロ川の流れが変わったことと結びつけています。崖の片側は川が運んだ砂利と粘土、もう片側は大昔の海の底にたまった土で、ぶどうに向いているのは海の側だと保護協会は説明しています。

ロエロの土には砂が多く、保護協会は、場所によっては半分を超えると書いています。軽くて水はけのよい土です。決まりの文書は、アルネイスはこの乾いた砂の土から、繊細で上品な香りを得るとしています。
同じ丘でも、黒ぶどうのネッビオーロとは畑の向きが違います。北向きの斜面のネッビオーロはロエロの赤ワインに使えませんが、アルネイスは北向きの涼しい斜面でも育ててよいことになっています。

アルネイスが主役のワイン
DOCとDOCGは、産地や造り方が国の決まりで定められたイタリアの原産地呼称で、DOCGはそのうち生産の条件がもっとも厳しい区分です。アルネイスが主役になる呼称は三つあります。
| ワイン | どんなワインか | アルネイスの割合 |
|---|---|---|
| ロエロ・アルネイス(Roero Arneis、DOCG) | 辛口の白ワイン。長く熟成させるリゼルヴァ(riserva)と、泡のスプマンテ(spumante)もある | 95%以上 |
| テッレ・アルフィエーリ・アルネイス(Terre Alfieri Arneis、DOCG) | 辛口の白ワイン | 85%以上 |
| ランゲ・アルネイス(Langhe Arneis、DOC) | 辛口の白ワイン。干したぶどうでつくる甘口のパッシート(passito)もある | 85%以上 |
ロエロは1985年にDOCとなり、2004年にDOCGになりました。同じ「ロエロ」の名前で、ネッビオーロの赤ワインと、アルネイスの白ワインの両方を出します。白ワインのラベルは「ロエロ・アルネイス」と書くのがふつうですが、決まりの上では「ロエロ」とだけ書くこともできます。リゼルヴァは、収穫の翌々年の3月まで売り出せません。
テッレ・アルフィエーリは、となりのアスティ(Asti)県の丘と、ロエロの東のはしの四つの村でつくる呼称です。2020年にDOCGになりました。その決まりの文書は、アルネイスが昔から少しずつ畑に植わっていて、粘り強い農家のおかげで消えずに残った、と書いています。
ランゲ・アルネイスは、ロエロの村々に加えて、川の向こう岸のアルバやバルバレスコの村でもつくることができます。
どんなワインになるか
ロエロの決まりの文書によれば、色は麦わら色から黄金色です。香りは繊細で、白い花や、りんごから桃までの果物、ヘーゼルナッツを思わせます。味わいは辛口で、上品にまとまっています。
クアットロカリチは、香りにアカシアやカモミール、洋なしを加え、後味には塩気のような味わいが長く残るとしています。若いうちはみずみずしく、瓶の中で年を重ねると、はちみつやアーモンド、火打ち石のような香りが出てくると説明しています。
土による違いも書かれています。ロエロの決まりの文書は、砂の多い畑からはみずみずしく香りの繊細なワインが、粘土は色に、石灰は香りの細やかさに表れるとしています。
ランゲ・アルネイスは「辛口で、みずみずしく、繊細」で、ときに生き生きとした(vivace)口当たりがあります。テッレ・アルフィエーリのアルネイスは、辛口で、心地よいかすかな苦みがあります。ロエロのスプマンテには、辛口から甘口まであります。
アルネイスに合わせる食事
保護協会によれば、ロエロの料理はアルバの料理の流れをくみ、牛肉、手打ちのパスタ、きのこやトリュフが中心です。前菜には、薄切りの子牛肉にツナのソースをかけたヴィテッロ・トンナート(vitello tonnato)、アンチョビにソース(bagnet)を添えたもの、包丁でたたいた生の牛肉が並びます。パスタは詰めもののアニョロッティ(agnolotti)や、細い卵の麺タヤリン(tajarin)です。協会は、これらの料理がロエロのワインによく合うとしています。
そのなかで、名前にワインが入っている料理があります。ウサギの肉の料理、コニッリョ・アッラルネイス(coniglio all’Arneis)です。協会のページには、地元の料理人が、川魚のうなぎを酢で漬けるカルピオーネ(carpione)を今風に仕立てた一皿に、ロエロの白ワインのリゼルヴァを合わせた例も載っています。
土地の果物では、カナーレの桃(pesca di Canale)と、マデルナッサ(Madernassa)という洋なしが挙がっています。
日本の食卓で試すなら、小魚の南蛮漬け、ゆでた豚肉にツナのソースをかけたものが、地元の料理に近い組み立てです。
ロエロを訪ねるなら、ロッケの崖に沿って歩く道があります。保護協会のページによれば、カナーレの街なかには州のエノテカ(Enoteca Regionale del Roero)があり、試飲と買いものができます(調査時点は2026年10月19日)。協会は、レネージオの畑を通ってカナーレの丘をめぐる13キロほどの道も案内しています。
