アリアニコのワイン一覧

2,332円
フィラドーロ(Filadoro) / 販売: ココス ワイン アンド ウイスキー

3,301円
ファットリア・ラ・リヴォルタ(Fattoria La Rivolta) / 販売: 酒宝庫 MASHIMO

アリアニコ・デル・ヴルトゥレ ピアーノ・デル・チェッロ 2020
5,104円
ヴィニエティ・デル・ヴルトゥレ(Vigneti del Vulture) / 販売: うきうきワインの玉手箱
12,833円
カンティーナ・デル・タブルノ(Cantina del Taburno) / 販売: 酒宝庫 MASHIMO
アリアニコとは?
アリアニコ(Aglianico)は、南イタリアのカンパーニア州と、その東隣のバジリカータ州で育つ黒ぶどうです。色が濃く、タンニン(渋み)のしっかりした辛口の赤ワインになります。このぶどうを主役にするDOCGのワインは、どれも売り出すまでに2年以上ねかせる決まりです。カンパーニア州のタウラージは、アリアニコからつくる赤ワインです。

バジリカータ州の北のはしに、ヴルトゥレ山(Monte Vulture)という火山があります。いまは活動をやめていて、頂は1,300メートルあまりです。そのふもとの標高200メートルから700メートルの丘に、アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(Aglianico del Vulture)の畑が広がっています。土は火山の噴出物と砂岩に由来するもので、地下には凝灰岩(tufo)の層があります。この層が、雨のほとんど降らない7月と8月に水をたくわえると、ワインの決まりの文書は説明しています。

アリアニコは熟すのが遅いぶどうで、ヴルトゥレでは収穫が10月から11月になります。雨が増え、年によっては雪で摘み取りが難しくなる時期です。同じ文書によれば、遅く摘んだぶどうは糖分が多く、最初の発酵で糖が酒に変わりきらないことがありました。甘さの残ったワインを瓶に詰めると、瓶の中でふたたび発酵が始まり、泡が生まれます。
この泡のワインは20世紀のはじめからつくられ、1950年代から60年代に最盛期を迎えました。リオネーロ・イン・ヴルトゥレ(Rionero in Vulture)やバリーレ(Barile)などの村から、婚礼や村の祭りのために州の外へたくさん送り出され、値段は泡のないワインの3倍から4倍だったといいます。ヴァチカンからも毎年注文が届いていたと、文書は書いています。いまのアリアニコ・デル・ヴルトゥレにも、瓶の中で二度目の発酵をさせる泡(spumante)の区分が残っています。
ワインの蔵は、昔から丘の洞窟を使ってきました。文書は、メルフィ(Melfi)の町には蔵が「数百」あったと書き、続けて1589年の目録では110だったと記しています。

どこで育てられているか
アデレード大学のワイン経済研究センターがまとめた品種別のデータベースでは、イタリアのアリアニコの畑はおよそ9,600ヘクタールです。EUの統計局(Eurostat)の2020年の値で、2016年の値もほぼ同じでした。イタリアのワイン情報サイト、クアットロカリチ(Quattrocalici)は7,500ヘクタールとしていて、資料によって幅があります。同じデータベースでは、北イタリアのネッビオーロより広い面積です。
主な産地は、カンパーニア州の内陸にあるアヴェッリーノ県とベネヴェント県、そしてバジリカータ州の北部です。隣のモリーゼ州やプーリア州にも、アリアニコの名前をラベルに書けるワインがあります。
国の品種登録簿は、アリアニコの別名として、グリアーニカ(Glianica)、グリアーニコ(Glianico)、エッラーニコ(Ellanico)、エッレーニコ(Ellenico)を載せています。エッレーニコは「ギリシャの」を意味する語に通じる名前で、アリアニコの名前の由来をここに求める説があります。タウラージの決まりの文書は、ぶどうが紀元前にギリシャから伝わった可能性と、この名前の説を挙げていますが、どちらも確かではないとしています。
登録簿を引くと、「アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(Aglianico del Vulture N.)」という名前も1971年に別の番号で登録されていて、アリアニコと互いを別名として指し合っています。一方、名前のよく似たアリアニコーネ(Aglianicone)は、登録簿では別の品種です。
アリアニコが主役のワイン
主な呼称と、そのワインに使うアリアニコの割合です。DOCとDOCGは、産地や造り方が国の決まりで定められたイタリアの原産地呼称で、DOCGはそのうち生産の条件がもっとも厳しい区分です。
| ワイン | 州 | アリアニコの割合 |
|---|---|---|
| タウラージ(DOCG) | カンパーニア | 85%以上 |
| アリアニコ・デル・タブルノ(Aglianico del Taburno、DOCG) | カンパーニア | 85%以上 |
| アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレ(Aglianico del Vulture Superiore、DOCG) | バジリカータ | 100% |
| アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(DOC) | バジリカータ | 100% |
| イルピニア・アリアニコ(Irpinia Aglianico、DOC) | カンパーニア | 85%以上 |
| ファレルノ・デル・マッシコ(Falerno del Massico、DOC)の赤ワイン | カンパーニア | 60%以上 |
アリアニコ・デル・タブルノは、ベネヴェント県のタブルノ山(Taburno)のまわりの村でつくられます。収穫した年の11月1日から数えて2年以上熟成させ、ロゼワインもこの名前で出せます。ヴルトゥレの二つは同じ15の村が産地で、スペリオーレは木の樽で1年以上、瓶で1年以上ねかせ、収穫の3年後の11月1日まで売り出せません。

イルピニア(Irpinia)はタウラージと同じアヴェッリーノ県の広い範囲にかかるDOCで、アリアニコを85%以上使えば、ラベルに品種の名前を書けます。この呼称には、黒ぶどうのアリアニコを白ワインのように仕込む「ヴィニフィカート・イン・ビアンコ(vinificato in bianco)」の区分もあり、色は麦わら色で、灰色やばら色がかった反射を帯びます。
どんなワインになるか
クアットロカリチによれば、アリアニコのワインは濃いルビー色に、ガーネットの色合いが差します。香りは、アマレーナ(amarena)と呼ばれる酸味のあるさくらんぼやプラム、ブラックベリーに、たばこ、革、カカオ、甘いスパイスが重なります。味わいは骨格がしっかりしていて、タンニンは密でも上品で、酸も生き生きしています。20年を超えて熟成させることも難しくないとしています。渋みの強さと熟成に耐える力から、アリアニコは「南のバローロ(Barolo del Sud)」と呼ばれることがあるとも紹介しています。
ヴルトゥレのワインの決まりは、香りを果実のほか花にもたとえ、味わいには「かすかな苦み」と、品種に由来する渋みが残ることがあると書いています。スペリオーレの味わいは「辛口で、ほどよく渋く、サピド(sapido)で、余韻が長い」です。サピドは日本語にしにくい語で、「味がしっかりある」という意味で使われます。アリアニコ・デル・ヴルトゥレのDOCは、辛口のほかに、わずかに甘みを残した「アッボッカート(abboccato)」も認めています。
アリアニコに合わせる食事
タブルノの産地があるベネヴェントの料理は、手打ちのパスタが中心だと、イタリア政府観光局は紹介しています。フジッリ(fusilli)は、毛糸を紡ぐための鉄の棒に生地を巻きつけてつくるパスタで、ナポリのものに近いラグー(肉のソース)とすりおろしたペコリーノ(pecorino、羊の乳のチーズ)で食べます。チカティエッリ(cicatielli)は手でかたちをつくる短いパスタで、肉のソースや子羊のソース、野菜と合わせます。
ヴルトゥレのあるバジリカータ州では、同じ観光局がカチョカヴァッロ・ポドリコ(caciocavallo podolico)を、ぜひ味わいたい土地の産物に挙げています。固まった乳をもう一度熱して、練りのばしてつくるチーズです。ヴルトゥレのふもとの町ヴェノーザでは、広場に面したバールに、軽いつまみやビール、あるいはグラスのアリアニコを求めて人が集まるそうです。
日本の食卓で試すなら、牛ひき肉や豚肉をトマトで煮込んだラグーのショートパスタにペコリーノ・ロマーノをたっぷりかけたもの、ラム肉のトマト煮込みをソースにしたパスタ、熟成させた硬いチーズが、地元の料理に近い組み立てです。
