ベリービーズワイナリーとは?
ベリービーズワイナリー(Belly Beads Winery)は、長野県塩尻市(しおじりし)のワイナリーです。株式会社ベリービーズワイナリーは、長野県で飲食店や仕出しを営む王滝(おうたき)グループの会社で、塩尻駅から歩いて3分のところにある直売所も、グループの仕出しの店の中にあります。直売所ではワインのほかに、グループのお弁当も売っています。
名前の「ベリー(belly)」は英語で「おなか」「おへそ」のことです。会社は、日本のおへそにあたる塩尻から、輝くビーズ(beads)の輪のように人のつながりを広げていきたい、という思いをこめたと説明しています。
この会社がワインに求めているのは、家の食事に合うことです。会社は、外食の仕事で長く積んできた経験を生かして「おうちごはんに合うワイン」をつくると書き、グループの飲食店でも自分たちのワインを出しています。公式サイトには、ワインごとに合わせる料理のレシピまで載っています。
標高780メートルの床尾の畑
畑は、塩尻市の南の端の床尾(とこお)地区にあります。会社によれば、塩尻のぶどう畑の多くが標高700〜730メートルにあるのに対し、ここは780メートルと高く、山の上のほうの斜面なので風がよく通ります。東と西にそびえる山々のおかげで昼と夜の気温の差が大きく、ぶどうがよく色づくといいます。
まわりは山に囲まれています。会社は、南に鳴雷山(なるかみやま)、東に八幡山、西に石灰山などの山があり、北東には国の史跡の平出(ひらいで)遺跡が広がると紹介しています。西の山々の石灰質の土が「特殊なミネラル」をもたらす、というのも会社の言葉です。山の裾の畑なので動物が多く、熊やカモシカもときどき見かけるそうです。
畑では草を刈ってそのまま堆肥にし、土に返しています。育てているのは、ナイアガラ(Niagara)、コンコード(Concord)、メルロー(Merlot)、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)などです。ナイアガラとコンコードはアメリカ生まれのぶどうで、会社は、塩尻でぶどうづくりが始まったころにこの土地に合ったのがこの二つだったと説明しています。ナイアガラは果汁が多く糖度がとても高い白ぶどうで、皮が薄く遠くへ運ぶのに向かないため、ほとんどがワインやジュースになるといいます。
ワインのぶどうは自分の畑のものだけではありません。主力の「ルヴァン デュ ボヌール」のシリーズは、桔梗ヶ原(ききょうがはら)、床尾、岩垂原(いわだれはら)、西条、片丘(かたおか)、洗馬(せば)と、塩尻市のあちこちの畑のぶどうを使っています。片丘の栽培家が育てたヴィオニエ(Viognier)のように、育てた人の名前を添えたワインもあります。
歩み
会社は自分たちを「動き出したばかりの若いワイナリー」と呼んでいます。醸造は、ベテランと若手が混ざった少人数のチームが手作業で行っていて、少量ずつ仕込んでいます。ワイナリー長の川島和叔(かわしま かずよし)は長野県の出身で、地元の農家と一緒に、塩尻のワインを全国の人に届けたいと書いています。
ぶどうを育てる人の高齢化が進むなかで、会社は地域の担い手を育てることにも力を入れています。ある年には、諏訪郡原村の中学生を醸造所に招き、5年後に二十歳になる自分たちに向けたワインの仕込みを体験してもらいました。塩尻市の耕作放棄地を畑に生かすことも目標に挙げています。
ワイナリーを星の数で表彰する日本ワイナリーアワードでは、2025年6月の第8回で、前の年に続いて三つ星を受けました。会社は醸造所の改修と、農園を一般の人が見学できるようにする整備を進めていると書いています。
代表的なワイン
ルヴァン デュ ボヌール(le vent du bonheur)ナイアガラは、ナイアガラを早めに摘んでつくる辛口の白ワインです。フランス語で「しあわせの風」という意味のシリーズです。ナイアガラはそのままだと香りが強く、アメリカ系のぶどうに特有の甘い香り(フォクシー・フレーバー)があります。会社はあえて熟す前に摘むことでその癖を抑え、食事に合わせやすくしていると説明しています。2025年は、緑がかった淡い麦わら色で、マスカットやりんご、洋なし、パイナップルを思わせる香りがあり、ほんのりした甘酸っぱさのある辛口です。同じ考えでつくるコンコードの赤ワインは、いちごやラズベリー、ざくろの香りの、軽くて辛口の1本です。
ルヴァン デュ ボヌール メルロー 樽熟成は、塩尻のメルローを樽で寝かせた赤ワインです。2022年は、酸とタンニン(渋み)が豊かな若々しい味わいで、紅茶やタバコの葉のような香りが残ると説明されています。会社は鴨の料理と合わせることを勧めています。
ヘリテージ プレシャス ナイヤガラ スパークリングは、いくつかの年のナイアガラを合わせた辛口のスパークリングワインです。ナイアガラの果実味を残しながら、熟成による少し豊かな味わいがあるとされています。
ほかに、長野県安曇野市のぶどうでつくる「ゼフィール」のシリーズもあります。いくつかのワインは、国の制度にもとづいて産地の名前を守る地理的表示「GI長野」の認定を受けています。
調査時点(2026年10月27日)の公式の通販の税込価格は、ルヴァン デュ ボヌール ナイアガラ2025(750ミリリットル)が1,650円、ルヴァン デュ ボヌール メルロー 樽熟成2022(同)が4,400円、ヘリテージ プレシャス ナイヤガラ スパークリング(同)が2,750円でした。






