Vino Storia

ワインのお話

長野 / 塩尻

井筒ワイン

Izutsu Wine

昔から食べるために育てられてきた桔梗ヶ原のぶどうのワインと、ヨーロッパの品種のワインを、同じ蔵で造り続けているワイナリーです。

  • 見学 不可
  • 試飲あり
  • ショップ
レンガ色の壁に大きな三角屋根が二つ並ぶ建物。手前の壁を、緑の葉をつけたぶどうの蔓が覆っている
写真: Qurren / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
不可(工場見学は行っていない)

営業案内

営業時間
売店 9時〜17時
試飲
売店の試飲コーナーで自由に(料金の記載なし)
ショップ
あり(売店)

工場の見学はできません。売店での試飲と買い物が中心です。
店内が狭く、10名ほどで混み合うため、少人数での来店を求めています。
試飲をするなら、運転しない人と一緒に行くか、塩尻駅からタクシーを使ってください。
最寄りのインターチェンジの名前が、公式サイトのトップページ(塩尻)とアクセスマップ(塩尻北)で食い違っています。
定休日は公式サイトに書かれていません。電話で確かめると確実です。 情報は2026年10月27日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
長野県塩尻市大字宗賀桔梗ヶ原1298-187
電車で
JR塩尻駅からタクシーで約5分
車で
長野自動車道 塩尻北インターチェンジから約7分(公式サイトのアクセスマップ。トップページは「塩尻インターより車で7分」)

ワイナリーの話

井筒ワインとは?

井筒ワイン(Izutsu Wine)は、長野県塩尻市の桔梗ヶ原(ききょうがはら)にあるワイナリーです。レンガ色の大きな三角屋根の建物があり、売店の試飲コーナーでは、並んだワインを自由に試せます。工場の見学は行っていません。

この蔵は、桔梗ヶ原で昔から食べるために育てられてきたぶどうのワインを、ヨーロッパのワイン用の品種に力を入れたあとも造り続けてきました。北アメリカ生まれのコンコード(Concord)とナイヤガラ(Niagara)です。公式サイトは、そのワインについてこう書いています。

桔梗ヶ原のワインあるいは地酒として国内ワイン市場だけにとどまらず、他に類を見ない独自の商品価値、分野を確立しています。


北アルプスを望む原の、棚と垣根

公式サイトによれば、ワイナリーは信州のほぼ中央、北アルプスを望む松本平の一角にあり、標高はおよそ700メートルです。建物のまわりには、頭の上に棚を張って枝を広げる日本式の畑と、ヨーロッパ式に枝を壁のように仕立てる垣根の畑が、どちらも広がっています。

冬の曇り空の下に建つレンガ色の三角屋根の建物。葉を落としたぶどうの蔓が壁と入口のアーチを伝い、手前の電柱に「イヅツワイン」の看板がある
冬の井筒ワイン。葉を落としたぶどうの蔓が、建物の壁と入口のアーチを伝っている(2024年1月)Keeezawa / CC0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

自社の畑は塩尻市におよそ8ヘクタール、契約した農家の畑は塩尻市と松本市におよそ40ヘクタールあると、会社概要にあります。コンコードとナイヤガラは、会社が「地場の特産品」と呼ぶ、生で食べるためのぶどうです。ワインにすると、コンコードは軽い赤ワインに、ナイヤガラはほどよい甘口の白ワインになります。


歩み

会社概要によれば、1927年に井筒屋農園が醸造の部門を始め、1933年に井筒屋葡萄酒醸造所を創業して、自分たちの銘柄のワインを造り始めました。原料は地元のナイヤガラとコンコードで、戦時中には軍用のワインとしても広く扱われたといいます。

1956年、会社概要が現社長として紹介する塚原嘉章が、山梨大学の発酵研究所に研究生として入り、ぶどうの栽培と醸造を学びました。当時の桔梗ヶ原にあったのはコンコードやナイヤガラだけだったと会社は書いています。塚原は桔梗ヶ原に戻ってヨーロッパのワイン用品種を育てると決め、国内で育ったワイン用のぶどうだけで、1,000円台で売れる良いワインを目標にしました。数十種類のぶどうで栽培と醸造の試験を重ね、そのなかから土地に合う品種がいくつか見つかります。会社はなかでもメルロ(Merlot)を、桔梗ヶ原の名を世界に知らせた品種としています。

一方で、1980年には酸化防止剤などを加えない「無添加」の新酒を売り出しました。会社は、この種類のワインにいち早く取り組んだとしています。2001年には、品種ごと・収穫年ごとに瓶に詰めた日常向けの「果報(かほう)」シリーズを出しました。2002年に長野県が原産地呼称管理制度を始めると、認定を受けたワインを「井筒ワインNAC」シリーズとして売り出しています。長野県で育ったぶどうを県内で醸造し、県の委員会の審査に通ったワインに付く認定です。株式会社になったのは1984年です。

公式サイト「井筒ワインについて」は、創業から「現在まで75年あまり」と書いています。1933年から数えると、2008年ごろの文章です。お知らせの欄も2010年の記事で止まっていて、サイトの多くは十数年前の形のまま残っています。代表者の名前も、そのころの会社概要の記載である可能性があります。


代表的なワイン

シャトーイヅツは、会社が「最高級の逸品」と呼ぶ赤ワインです。いちばん出来のよいメルロを醸造したあと、地下の貯蔵庫でオークの新しい樽に入れて長く熟成させます。会社概要によれば、スロベニアのリュブリアナ国際ワインコンクールで、1990年産が銀賞を、1997年産が金賞を受けました。

スタンダードは、桔梗ヶ原の特産のぶどうで造るシリーズで、会社は「葡萄そのままの味わい」と説明しています。コンコードの赤ワインは軽めで、ナイヤガラの白ワインはほどよい甘口、ロゼはこの二つを合わせています。720ミリリットルのほかに360ミリリットルの瓶もあります。

酸化防止剤無添加新酒は、その年に穫れたばかりのコンコードやナイヤガラ、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)、メルロなどを、いち早く瓶に詰めて出荷する新酒です。添加物を使わないため、期間を限った予約の品になっています。

NAC コンコード[氷搾]とNAC ナイヤガラ[氷搾]は、穫ったぶどうをすぐに凍らせてから搾る、極甘口のワインです。凍った水分が除かれて、果実の味がぎゅっと詰まり、デザートのような甘さになると会社は書いています。瓶は375ミリリットルです。

このほか、NACシリーズには、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)を新しい樽で熟成させた「樽熟/スープリーム」もあります。会社によれば、国産ワインコンクールで2006年に「NACメルロー樽熟/スープリーム」が金賞を受けました。

調査時点(2026年10月27日)、公式のオンラインショップは「メンテナンス中」の表示で、いまの価格は確かめられませんでした。

基本情報

創業
1933年(井筒屋葡萄酒醸造所を創業した年。1927年に井筒屋農園が醸造部門を開業、株式会社の設立は1984年)
人物
塚原嘉章(代表取締役社長。公式の会社概要による)
代表的なワイン
シャトーイヅツ / スタンダード / 酸化防止剤無添加新酒 / NAC コンコード[氷搾]
産地の表示
長野県原産地呼称管理制度(NAC)の認定品
公式サイト
izutsuwine.co.jp

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