Vino Storia

ワインのお話

北海道 / 札幌

八剣山ワイナリー

Hakkenzan Winery

札幌の街から車で40分ほどの果樹の里で、土地の地質を調べて畑を拓き、ダムのトンネルをワインの貯蔵庫にしているワイナリーです。

  • 見学 休止中
  • 試飲あり
  • ショップ
  • レストラン
岩山の上から見下ろした新緑の谷。手前に川と道路の橋、谷あいに家並みがあり、奥に雪の残る山々が連なっている
写真: 禁樹なずな / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
休止中(ワイナリーのガイドツアーは受け付けを止めていて、2027年…

営業案内

営業時間
八剣山キッチン&マルシェ 9時30分〜16時(レストランのラストオーダー15時30分。公式のお知らせ、2026年7月1日)
定休日
4月〜10月は無休(同じお知らせ)。11月以降は公式サイトの「お知らせ」に掲示
試飲
キッチン&マルシェのレストランでグラスワイン(100ミリリットル、700円から)と、豊平峡ダム熟成ワインの2種の飲み比べ(1,200円)
ショップ
あり(キッチン&マルシェの直売コーナー。ワインのほか、ジャムやシードル、近くの農園の野菜)
飲食
八剣山キッチン&マルシェのイートインレストラン(札幌市南区産の野菜・卵・豚肉を使った洋食。オープンデッキあり)

ガイドツアーの代わりに、送迎付きの「Kitchen & Marche ご利用券コース」(1名6,000円、キッチン&マルシェで使える5,000円分の利用券付き、2名から、水曜は休み)を受け付けています。送迎は地下鉄真駒内駅か定山渓温泉のホテルから。9月・10月は土曜・日曜・祝日だけの催行です。
営業時間と定休日は、公式サイトのお知らせ(9時30分〜16時、4月〜10月は無休)と、オンラインショップの店舗案内(10時〜16時、水曜定休)で食い違っています。公式サイトはお知らせで営業情報を出すとしているので、出かける前に確かめてください。 情報は2026年10月27日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
北海道札幌市南区砥山194-1
電車で
札幌駅からじょうてつバス「カッパライナー号」(豊平峡温泉行き)で「八剣山中央口」下車、ワイナリーまで約300メートル(ハイシーズンは全便が八剣山を経由)
札幌市営地下鉄南北線 真駒内駅からタクシー
車で
札幌市街地から30〜40分(定山渓温泉・小金湯温泉の少し札幌寄り)
駐車場
キッチン&マルシェ前 乗用車20台
第一圃場前 乗用車20台・大型バス2台
ワイナリー前 乗用車15台

ワイナリーの話

八剣山ワイナリーとは?

八剣山ワイナリー(Hakkenzan Winery)は、札幌市南区の砥山(とやま)にあるワイナリーです。札幌の市街地から車で30〜40分、定山渓温泉へ向かう途中にあり、ごつごつした岩山の八剣山(はっけんざん)のふもとに畑と醸造所を構えています。自社の畑と近くの農家のぶどうやりんごで、会社が「さっぽろ地ワイン」と呼ぶワインを造っています。

このワイナリーには、札幌の水がめである豊平峡(ほうへいきょう)ダムのトンネルで寝かせた赤ワインがあります。オンラインショップの説明によれば、山深い定山渓にあるダムの、工事のときに使ったトンネルの中で、3年のあいだ瓶を眠らせています。


八剣山のふもとの扇状地

公式サイトによれば、八剣山の一帯は札幌の市街地に近いのに大きな自然が残り、古くからりんごやさくらんぼが育てられてきた果樹の里です。山の南のふもとには、南に向かってゆるやかに下る扇状地が広がっています。水はけと日当たりがよいことから、2008年にここで試しにぶどうを植えはじめました。

会社は畑の足もとの地質を、かなり詳しく書いています。周りの土台は、数百万年前に海の底にたまった砂や泥が固まった岩です。そこに溶岩が入り込み、まわりが削られたあとにも硬い溶岩だけが板のように残って、恐竜の背中のような八剣山の形ができました。ワイナリーのあたりでは、支流の砥山沢川から流れ出た土石流が扇状地をつくり、第一・第二の畑はその上に拓かれています。

畑の土は大小の石を多く含みます。会社は、石が熱をためてぶどうを温め、石から溶け出す成分がワインの味わいに影響すると説明しています。試験用の第一圃場では、ヨーロッパ系の品種と交配品種をあわせて25種類以上を育て、この土地にいちばん合うぶどうを探し続けています。一方で、扇状地の先には湧き水が集まってできた湿地の粘土がたまり、敷地に「八剣山キッチン&マルシェ」を建てたときには、地盤を調べて固める工事が必要になったといいます。

醸造所では、敷地の井戸からくみ上げた地下水を、発酵タンクと貯蔵室を冷やすのに使っています。


歩み

公式の沿革は、2008年の試験用のぶどう園の整備から始まります。2010年には「八剣山周辺地域の地元資源とその活用」と題したシンポジウムが開かれ、翌2011年1月に農業法人の八剣山ファーム、4月にワインを造る株式会社八剣山さっぽろ地ワイン研究所が設立されました。同じ年の8月に醸造所が完成し、9月に醸造の免許を受けて、最初に仕込んだワインを2012年3月に出荷しています。

2015年には設備を増やして第二工場を建て、2016年には甘口の「北海道恋ワイン」を売り出しました。ぶどうを仕込む早い段階で、圧力を下げて水分を飛ばし、果汁を濃くしてから造るもので、会社はこの造り方を「CuVT(キュービット)製法」と名づけています。2020年3月には、敷地の中に八剣山キッチン&マルシェが完成しました。地元の野菜や卵、ソーセージを使う料理を出すレストランと、直売のコーナーがあります。

ダムで寝かせるワインは、2015年の春に始まりました。製品紹介のページは、セイベル13053の赤ワインを「2015年春から豊平峡ダムサイトで熟成中」と書いています。2026年7月からは、それまで瓶でしか売っていなかったダム熟成のワインを、キッチン&マルシェでグラスでも出しています。


代表的なワイン

蒼ノキオク(豊平峡ダム熟成ワイン)は、豊平峡ダムのトンネルで3年寝かせた赤ワインです。セイベル13053(Seibel 13053)とアルモノワールを中心に、ツヴァイゲルトレーベ(Zweigeltrebe)を合わせています。オンラインショップは、寒い土地の品種らしいさわやかな酸と、やわらかな甘みがつり合う、中くらいの重さのミディアムボディと説明しています。長く寝かせたため瓶の内側に澱(おり)が付いていて、飲む前の日から瓶を立てておくように、と添えています。

北海学園オリジナルワインは、札幌の北海学園大学工学部のゼミとの共同研究から生まれたワインです。学生が卒業研究としてワイナリーの試験の畑で剪定や収穫を手伝い、専用のタンクで仕込みから瓶詰めまでを一緒に行っています。会社は、畑から採った試料からワイン造りに向く酵母を選び出す研究を進めていて、その一部をこのワインに使っていると書いています。2024年の赤ワインはセイベル13053で造り、ろ過をしていません。

ナイアガラBRUTは、余市町のナイアガラ(Niagara)で造る辛口のスパークリングワインです。甘い香りの品種を辛口に仕上げたもので、会社は創業のときから造り続けている品だとしています。

ラベルにアイヌ語の名前を付けた「MINAMINAKU」のシリーズもあります。札幌市南区に住むアイヌ系の美術家、結城幸司さんが描いたラベルで、自社の畑のカベルネ・フラン(Cabernet Franc)を主体にした赤ワインなどがあります。

調査時点(2026年10月27日)のオンラインショップの税込価格は、蒼ノキオク(2021年、720ミリリットル)が4,840円でした。北海学園オリジナルワインの赤ワイン(2024年、750ミリリットル)は2,750円、ナイアガラBRUT(750ミリリットル)は2,640円で、どちらもこの日は売り切れでした。

基本情報

創業
2011年(株式会社八剣山さっぽろ地ワイン研究所を設立した年)
人物
亀和田俊一(代表取締役)
代表的なワイン
蒼ノキオク(豊平峡ダム熟成ワイン) / 北海学園オリジナルワイン / ナイアガラBRUT
公式サイト
hakkenzanwine.com

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