Vino Storia

ワインのお話

北海道 / 札幌

さっぽろ藤野ワイナリー

Sapporo Fujino Winery

ぶどうが大好きだった札幌の女性が、病気の弟のために始めた、すべてのワインを野生の酵母で発酵させるワイナリーです。

  • 見学 不可
  • ショップ
  • レストラン
新緑の森に覆われた丸い山がいくつも並び、ふもとの谷あいに家が少し見える
写真: 禁樹なずな / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
不可(公式サイトに見学の案内が無い

営業案内

営業時間
ワインギャラリー「ピノ」 10時〜17時
定休日
年中無休(年末年始を除く)
ショップ
あり(エルクの森 ワインギャラリー「ピノ」。自社畑のぶどうだけで造るFUJINOシリーズは、ワイナリーでの限定販売)
飲食
隣にイタリアンレストラン「ヴィーニュ」(運営のサイトは別)

住所はワインギャラリー「ピノ」のものです。醸造所は同じ藤野の670番1号にあります。ショップは2025年4月19日に移転しているので、古い案内で行く場合は注意してください。
ワインはすべて公式のオンラインショップでも買えます(FUJINOシリーズはワイナリーでの限定販売と案内)。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
北海道札幌市南区藤野664番23
電車で
地下鉄南北線 真駒内駅から、じょうてつバス真駒内線[12](定山渓車庫前・藤野4条11丁目行き)で「藤野4条2丁目」下車、徒歩7分
札幌駅バスターミナルから、じょうてつバス定山渓線[7]で「藤野4条2丁目」下車、徒歩7分
車で
国道230号を札幌の市街地の方から進み、藤野3条2丁目の信号を左折、道なりに約2キロ先の右側(看板あり)

ワイナリーの話

さっぽろ藤野ワイナリーとは?

さっぽろ藤野ワイナリー(Sapporo Fujino Winery)は、札幌市南区の藤野(ふじの)にあるワイナリーです。札幌の市街地から定山渓温泉へ向かう国道230号から、2キロほど入ったところにあります。自分たちの畑か北海道で育ったぶどうだけを使い、すべてのワインを、ぶどうについている野生の酵母で発酵させています。創業のときから、ろ過もしていないといいます。

始めたのは、代表の伊與部淑惠(いよべ)さんです。公式サイトによれば、ワインが好きだった体の弱い弟に、家の畑でとれたぶどうをできるだけ自然のまま醸造して飲ませたい、と思ったのがきっかけでした。伊與部さんは妹と一緒にワイン造りを始めます。弟は闘病の末に亡くなり、2009年、弟が亡くなったその年に最初のワインができました。完成を楽しみにしていた弟には、墓前に供えることしかできなかったと伊與部さんは公式サイトで語っています。


バラが咲く藤野の畑

公式サイトのインタビューによれば、伊與部さんは札幌で生まれ育ちました。精肉業を営んでいた父は野菜づくりが好きで、郊外に畑を持ち、そこに娘の好きなぶどうの棚を作ってくれました。小学校に入る前のことで、育てていたのは昔から北海道にあるナイアガラやキャンベルといった、種のあるぶどうでした。

藤野の土地は、亡くなった夫が庭を作ろうと確保していたものです。隣のパークゴルフ場「エルクの森」もそこから始まり、30年ほど続いています。伊與部さんはこの土地にイタリアンレストラン「ヴィーニュ」(フランス語でぶどうの木のこと)を開き、父が野菜を作り、自分はぶどうを植えました。ワイン用を含めて、最初に買った苗は250本ほどだったといいます。

公式サイトは、自社畑でのぶどうの栽培を2000年に始めたと書いています。はじめは試行錯誤の連続でしたが、当時は北海道では難しいと言われたシャルドネ(Chardonnay)なども実るようになり、いまはピノ・ノワール(Pinot Noir)とシャルドネが多く収穫されています。畝の端にはバラが植えてあります。ぶどうとバラは同じ病気にかかるので、バラに病気が出るとぶどうにも出るかもしれないと分かる、と公式サイトは説明しています。伊與部さんがヨーロッパの畑で見て、植えてみようと思った景色です。


歩み

ワイン造りを夢見るようになったのは、ヨーロッパを旅したときにフランスで見た、シャトーとその周りのぶどう畑の光景からでした。ぶどうがとれるようになると、ジュースやジャムを作り、やがて近くのワイナリーへ勉強に通い始めます。そこで出会ったのが近藤良介さんでした。近藤さんは余市のぶどう農家で研修したあと、栃木県のワイナリーでの委託醸造で初めてワインを造った人で、2007年からは三笠市で自分の畑を開いていました。

二人は醸造免許の申請と設備づくりを同時に進め、最初のワインができる直前の2009年に免許を取ります。伊與部さんは60歳でした。最初の醸造所は国道沿いの小さなプレハブで、使ったのは伊與部さんが好きで食べていたキャンベルとナイアガラでした。新参者にワイン用のぶどうは買えなかったからだといいます。

2010年には余市から質のよいナイアガラとキャンベルが手に入り、天然の泡を閉じ込めた辛口のナイアガラが評判になりました。甘いぶどうを甘いまま残す技術と設備がなかったため、必然的に辛口になったのだと近藤さんは振り返っています。2015年に醸造所をいまの場所へ移しました。北海道大学の学生だった浦本忠幸さんが加わり、近藤さんのもとで学んだあと、醸造の中心を担うようになっています。


代表的なワイン

FUJINO ピノ・ノワールは、藤野の自社畑のピノ・ノワールで造る赤ワインで、ワイナリーでの限定販売です。公式サイトは2022年について、オレンジがかったルビー色で、木苺やラズベリー、カシスのような小さな赤い果実の香りに、小梅やビーツの香りが少し混じると書いています。口当たりはやわらかく、軽やかな酸とやさしい苦みの余韻が続く、穏やかなピノ・ノワールです。

キャンベル サンスフルは、七飯町のキャンベル・アーリーだけで造る赤ワインです。サンスフル(sans soufre)はフランス語で「亜硫酸なし」という意味です。2025年は、ラズベリーやダークチェリーのような甘酸っぱい香りに、細かな泡の感じがあり、アルコール度数は8.5度と軽めです。公式サイトは、少し冷やして気軽に飲むことを勧めています。

ナカイ ブランは、余市町登町の中井観光農園のケルナー、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリで造る白ワインです。マンダリンオレンジや八朔のような柑橘、青りんごやハーブの香りがあるとされています。

調査時点(2026年11月3日)の公式サイトのワインリストの税込価格は、FUJINO ピノ・ノワール 2022が4,620円、ナカイ ブラン 2023が3,960円、キャンベル サンスフル 2025が2,310円(販売終了)でした。

基本情報

創業
2009年(最初のワインができ、醸造の免許を取った年。自社畑のぶどうの栽培は2000年から)
人物
伊與部淑惠(代表)
近藤良介(取締役。KONDOヴィンヤード代表)
浦本忠幸(醸造)
代表的なワイン
FUJINO ピノ・ノワール / キャンベル サンスフル / ナカイ ブラン
公式サイト
sapporo-fujino-winery.com

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