ガヤのワイン一覧
ガヤとは?
ガヤ(Gaja)は、北イタリアのピエモンテ州、バルバレスコ(Barbaresco)の村にあるワインのつくり手です。1859年にジョヴァンニ・ガヤ(Giovanni Gaja)が始め、いまは5代目のきょうだいが両親とともに営んでいます。つくっているのは主に、ネッビオーロ(Nebbiolo)という黒ぶどうの赤ワインです。
この家の歩みでいちばん知られているのは、自分たちの看板のワインから、あえて「バルバレスコ」の名前を外したことです。バルバレスコはDOCG(統制保証付き原産地呼称)で、品質の等級ではなく、その名前を名乗るための産地と造り方の決まりです。ガヤは1996年に収穫した分から、畑の名前を付けた3本をこの決まりの外に出し、2013年に収穫した分から戻しました。
畑のある土地
バルバレスコは、アルバ(Alba)の街の北東に広がる丘の村で、バローロと同じランゲ(Langhe)と呼ばれる丘陵の一角にあります。畑はタナロ川(Tanaro)を見下ろす斜面にあり、産地の決まりは、北向きの斜面や、平らで湿った谷底を外しています。ガヤの醸造所は、村の中を通るトリノ通り(Via Torino)に面しています。

この丘でネッビオーロを熟させるのは、かつては簡単ではありませんでした。アンジェロ・ガヤ(Angelo Gaja)は2010年のインタビューで、自分が家業に入った1961年ごろは「10年のうち5年は、ネッビオーロのアルコール分が12パーセントに届かなかった」と振り返っています。9月にはよく雨が降り、収穫の量を減らしても難しかったそうです。1995年からは、ほぼ毎年ぶどうが十分に熟すようになったとも話しています。
歩み
3代目のジョヴァンニ(創業者と同じ名前です)は、1937年からラベルに「GAJA」の名を大きな赤い文字で入れました。1964年以降は、村の中でも条件のよい畑を買い集めていきます。のちに畑の名前で瓶詰めされるソリ・サン・ロレンツォ(Sorì San Lorenzo)、ソリ・ティルディン(Sorì Tildìn)、コスタ・ルッシ(Costa Russi)の3つの畑も、このとき手に入れたものでした。

1961年に家業に入った息子のアンジェロは、小さな樽(バリック)での熟成、長いコルク、畑に植える株を増やすこと、夏のうちに房を間引くことなどを取り入れていきます。それでも本人は「父も革新者だった」と話しています。
そして1996年、アンジェロは畑の名前を付けた3本に、ネッビオーロだけでなく、同じピエモンテのぶどうバルベーラ(Barbera)を少し加えることにします。バルバレスコの決まりはネッビオーロ100パーセントなので、そのままではバルバレスコを名乗れません。3本は、バルベーラを15パーセントまで混ぜてよい「ランゲ」という、より広い範囲の呼称で出されるようになりました。娘のガイアはのちに、父の狙いは、バルバレスコの呼称が生まれる1966年より前の造り方でつくることだったと説明しています。
この時期の名残は、日本の通販でも見られます。調査時点(2026年10月4日)の楽天市場では、同じソリ・ティルディンが、2009年のものは「ランゲ・ロッソ」、2020年のものは「バルバレスコ」の名前で売られていました。
2016年、アンジェロの子どもたち、ガイア(Gaia)、ロッサーナ(Rossana)、ジョヴァンニの3人は、2013年に収穫した分から3本をネッビオーロだけでつくり、バルバレスコに戻すと発表します。ガイアは英国のワイン誌の取材に、「どの世代にも進むべき道があり、自分のやり方で進む権利がある」と話しました。父の意に反した決定ではなく、父の支えもあってたどり着いたものだ、とも付け加えています。
アンジェロは1990年代にトスカーナにも畑を求め、1994年にモンタルチーノのピエーヴェ・サンタ・レスティトゥータ(Pieve Santa Restituta)を手に入れ、1996年には海に近いマレンマにカ・マルカンダ(Ca’ Marcanda)を開きました。
代表的なワイン
村の名前だけを付けたバルバレスコ(Barbaresco DOCG)が、ガヤの基本の1本です。生産規定は、バルバレスコをネッビオーロだけでつくると定め、色をガーネット、香りを強く特徴のあるもの、味を辛口でふくよか、調和のとれたものとしています。売り出すまでに2年あまりねかせ、そのうち9か月以上を木の樽で過ごす決まりです。産地の結びつきを述べた部分は、この土地のネッビオーロからできるワインを、オレンジがかった光を帯びたガーネット色で、口当たりはビロードのよう、渋みはほどよいと描いています。
ソリ・サン・ロレンツォ、ソリ・ティルディン、コスタ・ルッシの3本は、それぞれ1つの畑のぶどうだけでつくる、単一畑のバルバレスコです。2013年に収穫した分から、ラベルにバルバレスコの名前が戻っています。
同じランゲの丘にあるバローロの畑からは、スペルス(Sperss)とコンテイザ(Conteisa)をつくっています。手に取りやすい価格のものには、ランゲの呼称で出している赤ワインのシト・モレスコ(Sito Moresco)があります。
調査時点(2026年10月4日)に楽天市場で確認できた750ミリリットルの価格は、シト・モレスコが7,000円前後、バルバレスコの2021年が3万6,000円から4万1,000円ほど、単一畑の3本の2020年が11万円から14万円ほどでした。
訪ねるには
公式サイトに載っているのは、住所と電話番号、メールアドレスだけで、見学の案内はありません(2026年10月4日時点)。
2011年に撮られた写真には、醸造所の扉に掲げられた4か国語の案内が写っています。個人には直接販売せず、観光の訪問は受け入れていないこと、仕事で訪ねたい人は電話で約束を取ってほしいことが書かれています。掲示の住所はトリノ通り36番で、いまの公式サイトの住所(5番)とは番地が違います。訪ねる前に、公式の連絡先で確認してください。

