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フランチャコルタ

フランチャコルタのワイン一覧


フランチャコルタとは?

フランチャコルタ(Franciacorta)は、シャルドネ(Chardonnay)とピノ・ネロ(Pinot nero)を主に使い、瓶の中で二度目の発酵をさせてつくる泡のワインです。色は麦わら色から黄金色で、泡は細かく、甘さは糖分を足さない辛口から、やや甘口のものまであります。

つくられているのはロンバルディア州の東寄り、ブレーシャ県のイセオ湖(Lago d’Iseo)の南に広がる丘です。生産規定は、この土地を、氷河が運んだ土砂が積もってできた、円形劇場のような丘の連なりだと説明しています。夏は湖と北の谷を抜ける涼しい風が暑さをやわらげ、冬は湖にたまった熱が寒さをやわらげます。畑はブレーシャ県の14の村の全域と、4つの村とブレーシャ市の一部に広がります。

ミラノスイスフランチャコルタ
ロンバルディア州の中のフランチャコルタ。産地はイセオ湖の南、ブレーシャ県の村々に広がる 小さな点は、この州のほかの DOCG です。 地図: Istat(CC BY 4.0・加工あり)
山の上から見下ろした、なだらかな丘と平地。畑と村が点在し、画像の中に村の名前が書き込まれている
モンテ・アルトの上から見たフランチャコルタ。丘のあいだに村と畑が広がる(地名は撮影者の書き込み)Trk at Italian Wikipedia / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

このワインのラベルには「ヴィーノ・スプマンテ(vino spumante、泡のワインの意味)」の文字がありません。書かなくてよいのではなく、書くことが禁じられています。「メトド・クラッシコ(metodo classico)」のような、造り方を示す言葉も同じです。規定によれば、1967年にDOCとなったとき、泡のワインは区分のひとつでした。1995年、その泡のワインにだけDOCGが認められ、「フランチャコルタ」の一語でワインと造り方の両方を表すことにした、と規定は書いています。DOCGは、イタリアの原産地呼称のうち、生産の条件がもっとも厳しい区分です。

同じ州で、ピノ・ネロを7割以上使う泡のDOCG、オルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラッシコ(Oltrepò Pavese Metodo Classico)は、呼称名そのものに「メトド・クラッシコ」を含んでいて、反対の選び方をしています。

泡の立つグラスの横に、首に「FRANCIACORTA D.O.C.G.」と上が城壁の形のFの印がついた瓶
瓶の首に「FRANCIACORTA D.O.C.G.」の文字と、上が城壁の形をした「F」の印。生産者の共同の標章として規定に定められているNautinut / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

どんなワインか

瓶に詰めて二度目の発酵を始めてから、瓶の中にたまった澱(おり、発酵を終えた酵母)を抜くまでの期間に下限があります。通常のものは18か月以上、サテン(Satèn)とロゼ(Rosé)は24か月以上です。収穫年を名乗るミッレジマート(millesimato)は30か月以上で、その年のワインを85%以上使います。リゼルヴァ(riserva)はミッレジマートのうち60か月以上ねかせたものです。それ以外のものは、ラベルに収穫年を書けません。

香りは細やかで広がりがあり、規定はパンの皮や酵母、柑橘、アーモンドやヘーゼルナッツ、干した白いいちじくにたとえています。味わいはしっかりしていて(sapido)、新鮮で、きめが細かく、調和がとれています。アルコール分は11.5%以上です。

甘さは、糖分を足さないドザッジョ・ゼロ(dosaggio zero)から、やや甘口のドゥミ・セック(demi-sec)まで6段階で表示されます。リゼルヴァに認められているのは、ブリュット(brut)までの辛口の側だけです。

サテンは、白ぶどうだけでつくり、瓶の中の圧力を5気圧までに抑え、甘さはブリュットだけと決められた区分です。規定は泡を「持続し、クリームのよう(cremosa)」と書き、保護協会は口あたりを絹(seta)にたとえています。

黄色やだいだい色に色づいたぶどうの列のあいだを、朝の光が差し込む草の道
秋、色づいたフランチャコルタのぶどう畑Consorzio Franciacorta / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

使われているぶどう品種

シャルドネとピノ・ネロを、どちらか一方でも両方でも使います。ピノ・ビアンコ(Pinot bianco)は50%まで、エルバマット(Erbamat)は10%まで加えてよいことになっています。ロゼはピノ・ネロを35%以上使います。サテンはシャルドネが50%以上で、残りに使えるのはピノ・ビアンコだけです。

エルバマットは、2017年に加わった白ぶどうです。保護協会によれば、ブレーシャ県に古くからある品種で、16世紀から記録があるものの、長く忘れられていました。シャルドネやピノより1か月以上遅れて熟し、酸がはっきりしていて、香りは控えめです。

緑色の小さな粒がついたぶどうの房が、葉の下に垂れ下がっている
フランチャコルタのぶどうの房。色づく前の夏のころConsorzio Franciacorta / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

規定によれば、DOCが生まれたころに泡のワインの品種として選ばれた「ピノ」は、ピノ・シャルドネとも呼ばれていました。ピノ・ビアンコとシャルドネがはっきり区別されたのは1980年代です。

若い葉の茂ったぶどうの列と支柱。奥に木におおわれた丸い山が見える
産地の村のひとつ、アドロのぶどう畑。5月の終わりTerenzia / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

価格帯

調査時点(2026年9月23日)に楽天市場で見つかった、750ミリリットルの単品の価格です。セット商品、ハーフやマグナムなどの瓶、同じ土地の泡でないワイン(クルテフランカ Curtefranca DOC)は除いています。

確認できた本数価格の幅中央値
年号のないもの421本3,480円〜27,031円6,111円
ミッレジマート163本4,400円〜165,000円7,546円
リゼルヴァ44本8,455円〜32,725円11,303円

年号のないものは、半分ほどが5,100円から7,600円のあいだにありました。サテンは71本で、中央値は7,568円です。価格は税込の表示で、送料は含みません。同じワインを複数の店が売っているので、本数は銘柄の数ではありません。

保護協会の集計では、2025年に輸出された分のうち12.6%が日本向けで、スイスに次ぐ2番目でした。


フランチャコルタに合わせる食事

保護協会は、食前から食事の最後まで通して合わせられるワインとしています。

ロヴァート(Rovato)のマンツォ・アッロリオ(manzo all’olio)は、牛肉をオリーブオイルと水で3時間ほど煮込む料理です。アンチョビ、パセリ、にんにくを加え、煮汁にパン粉とチーズを混ぜてソースにし、ポレンタ(とうもろこしの粉を練ったもの)やゆでたじゃがいもを添えます。協会はリゼルヴァやロゼを勧めています。

イセオ湖のほとりのクルザーネ(Clusane)のティンカ・アル・フォルノ(tinca al forno)は、テンチという淡水魚にチーズとパンとスパイスを詰め、2時間ほどオーブンで焼いた料理で、ポレンタを添えます。19世紀にさかのぼる祝いの席の料理とされ、協会はブリュットを勧めています。

日本の食卓で試すなら、白身魚の天ぷらや刺身、生ハム、牛肉をオリーブオイルで煮込んだものが、協会の挙げる料理に近い組み立てです。