平野のふちに散らばる産地
イタリアの北にある州で、州都はミラノ(Milano)です。北はスイスと接し、南はおおむねポー川(Po)までです。北の山から幅の狭い丘を経て南の平野へ下り、平野が州の面積の半分近くを占めます。山と平野のあいだには、西からマッジョーレ湖、コモ湖、イセオ湖、ガルダ湖が並びます。
ワインの産地は、この平野のまわりに散らばっています。北のはしのヴァルテッリーナ(Valtellina)はコモ湖の北に東西にのびる谷で、畑は南を向いた斜面の標高300〜700メートルに石を積んだ段々として続きます。生産規定の見積もりでは、その石垣は全部で2,500キロを超えます。イセオ湖の南のフランチャコルタ(Franciacorta)は、氷河が運んだ土でできた丘です。ガルダ湖の南岸のルガーナ(Lugana)はヴェネト州にまたがり、規定が自ら「平野の産地」と書く平らな土地です。南のはしのオルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese)はポー川の南に広がる丘で、規定によれば四つの州が出会う場所です。
山の赤ワインと、瓶の中で泡立てるワイン
ヴァルテッリーナの主役は黒ぶどうのネッビオーロ(Nebbiolo)で、この谷ではキアヴェンナスカ(Chiavennasca)と呼ばれます。ヴァルテッリーナ・スペリオーレはこの品種を9割以上使う赤ワインです。同じ谷には、ぶどうを干してからつくるスフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ(Sforzato di Valtellina)もあります。フランチャコルタはシャルドネ(Chardonnay)やピノ・ネロ(Pinot Nero)を使い、瓶の中で二度目の発酵をさせて泡を生むワインです。
産地や品種、造り方の条件を満たしたワインだけが名乗れる名前を「原産地呼称」といい、そのうち条件のより厳しい区分をDOCG、それ以外をDOCと呼びます。農業省の2026年3月の一覧では、この州のDOCGは5、DOCは21で、DOCにはヴェネト州にまたがるものも含みます。そのどれにも「ロンバルディア」という州の名前は入っていません。5つのDOCGのうち、フランチャコルタとオルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラッシコの2つは、この造り方の泡のワインだけに使う呼称です。産地をゆるやかに示す区分(IGT)は、同じ省の2026年5月の一覧で15あります。
湖がやわらげる気候と、ランゴバルドの名前
大きな湖は、まわりの土地の気候をやわらげます。フランチャコルタの生産規定は、冬が比較的おだやかで夏も暑すぎないと書き、近くのイセオ湖が霜のおそれを減らすとしています。Treccaniの百科事典によれば、雨は、海からの湿った空気が流れこむアルプスの南のふちの山地(Prealpi)の谷で年に1,200ミリを超え、平野の平均は800ミリに届きません。
州の名前は、ランゴバルド人(Longobardi)が治めた土地を指す中世の呼び名「ロンゴバルディア(Longobardia)」から来ています。この州は、11世紀から12世紀にかけてミラノやコモ、クレモナなどの自治都市がイタリアでもいち早く育った土地のひとつです。ヴァル・カモニカ(Val Camonica)の谷では、8,000年にわたって岩に刻まれた14万を超える絵や記号が、1979年にイタリアで最初の世界遺産になりました。
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ロンバルディア州、イセオ湖の南の丘でつくられるDOCGの泡のワイン、フランチャコルタ。ラベルに「スプマンテ」と書けない決…

