Vino Storia

ワインのお話

山形 / 南陽

酒井ワイナリー

Sakai Winery

明治25年から赤湯でワインを造り、いまもろ過機を使わずに上澄みだけを瓶に詰めている、家族のワイナリーです。

  • 見学 不可
  • ショップ

見学・予約

見学
不可(公式サイトに見学の案内が無い)

営業案内

営業時間
平日 13時〜16時
土曜・日曜 10時〜16時(12時〜13時を除く)
定休日
水曜日(ほかに不定休あり)
ショップ
あり(ワイナリーの店。公式通販でも店頭での支払いを選べる)

公式サイトには見学や試飲の案内がありません。ワインを買いに寄るなら、営業時間のうちに訪ねてください。水曜のほかに不定休があるので、電話で確かめると確実です。
ワインは公式サイトの通販でも買えます(注文は年中受け付け。定休日はメールの返信と発送が休み)。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
山形県南陽市赤湯980
電車で
JR赤湯駅から車で約6分(旅行ガイド「るるぶ&more.」の掲載。掲載時点の記載なし)
車で
東北中央自動車道 南陽高畠インターチェンジから国道13号経由で約10分(同)
駐車場
あり(同)

ワイナリーの話

酒井ワイナリーとは?

酒井ワイナリー(Sakai Winery)は、山形県南陽市(なんようし)の赤湯(あかゆ)にある小さなワイナリーです。明治25年(1892年)にぶどう酒の醸造を始め、いまも酒井家が続けています。旅行ガイドの「るるぶ&more.」は、赤湯温泉に店を構える「東北最古のワイナリー」と紹介しています。ワインのブランドには「BIRDUP WINE(バーダップワイン)」の名前も使っています。

会社がいちばんの自慢にしているのは、ろ過機をまったく使わない「ノンフィルター」のワインです。ろ過をせず、澱(おり)を沈めて、上澄みだけを瓶に詰めています。

この造り方から生まれたワインに「まぜこぜワイン」があります。上澄みを瓶詰めしたあとに残った澱の部分を集め、もう一度落ち着かせて、その上澄みだけを瓶に詰めたものです。品種も収穫年も関係なく、すべてが混ざっているので、この名前が付いています。


赤湯の町に散らばる畑

公式サイトによれば、赤湯地区の中には15か所の自社畑が点在しています。名子山(なごやま)、狸沢(むじなざわ)、金沢(かねざわ)、大洞山(おおほらやま)、上野、十分一山といった畑で、それぞれの名前をワインの説明でも使っています。

なかでも「沢」と呼ぶ畑について、会社はこう書いています。その名のとおり、冷たい雪解け水が沢水となって流れ出ている畑で、一年を通してひんやりした空気が流れる「不思議な場所」だそうです。ここにはカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)やメルロ(Merlot)など、いくつもの品種を混ぜて植えています。

自社畑のぶどうだけでなく、近くの農家のぶどうも使っています。山形県寒河江市で長年ワイン用のぶどうを育ててきた冨樫さんのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネ(Chardonnay)、同じ寒河江の安孫子さんのピノ・グリ(Pinot Gris)やソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)、南陽市松沢の山川さんのピノ・ノワール(Pinot Noir)など、ワインの説明に育てた人の名前が出てきます。


歩み

創業者の酒井弥惣(さかい やそう)は、酒井家の十六代目の当主です。会社の紹介によれば、1864年(元治元年)に赤湯村に生まれ、1887年(明治20年)に赤湯の鳥上坂(とりあげざか)にぶどう園を開きました。ぶどう酒の醸造に取りかかったのは1892年、27歳のときです。帝国大学農科大学の古在由直(こざい よしなお)に教えを請いましたが、会社はそのいきさつをこう書いています。

その当時の味覚に合わず見よう見まねの独学でぶどう酒醸造をしていたようです

弥惣は1908年から1924年まで赤湯町の町長を務め、その間のことを自伝に書き残しました。会社には、弥惣が73歳のときに、ぶどうを育ててワインを造ろうとしたいきさつを書いた文書や、1902年ごろの混成酒の製造免許の申請書類が残っています。

ぶどう酒造りの三代目にあたる又平は、苦しい時代にワインを造りました。戦争中は女性や年寄りの手で、戦後は日本酒が売れる時代のなかで、細々と家業を続けたといいます。それでも、ワインが必ず売れる時代が来ると信じていたそうです。四代目の又平のころになって、ようやく時代はワインへと移っていきました。2004年に、酒井家二十代目、ワイナリーとしては五代目の酒井一平(さかい いっぺい)が継いでいます。

家訓は「順境不誇、悲境不屈」。うまくいっているときにおごらず、つらいときにくじけない、という意味です。


代表的なワイン

赤湯は、名子山、狸沢、金沢など、収量の少なかった区画のワインを混ぜて生まれた赤ワインです。自社畑と契約農家のぶどうから造ったワインの集大成と、会社は呼んでいます。2024年のものは、縁に透明感のある赤紫色で、杉やミント、ブルーベリー、湿った土などの香りがあり、しっかりした渋みのわりに口当たりはさらりとしているとされています。

まぜこぜワインは、先に書いた澱の部分から造るワインで、赤ワインと白ワインがあります。会社は「変わり種ワイン」と呼んでいます。

小姫(こひめ)は、デラウェア(Delaware)の地元での昔の呼び名です。甘口の「小姫」は、みずみずしいぶどうを思わせるほんのりした甘さが特徴です。「小姫さん」の「さん」はフランス語の「サン・スフル(sans soufre=亜硫酸なし)」にもかけていて、収穫から瓶詰めまで亜硫酸を加えずに造っています。

野鳥の名前を付けたシリーズもあります。灰鷹(はいたか)は、寒河江の冨樫さんのカベルネ・ソーヴィニヨンを樽で2年熟成させた赤ワインで、スミレの花や赤い実のスグリの香りに、穏やかな渋みとされています。尉鶲(じょうびたき)は、山形県産の甲州を皮ごと仕込んだ泡のワインで、鳥の鮮やかな橙色に色を重ねたと会社は書いています。鳥のシリーズのラベルは、地元に住む画家の吉田真理さんが描いています。

調査時点(2026年11月3日)の公式通販の税込価格は、赤湯2024(750ミリリットル)が4,400円、まぜこぜワイン(720ミリリットル)が2,200円、小姫(甘口、720ミリリットル)が2,200円、灰鷹2023(750ミリリットル)が3,850円、尉鶲2024(同)が3,300円でした。

基本情報

創業
1892年(明治25年。酒井弥惣がぶどう酒の醸造を始めた年)
人物
酒井弥惣(創業者。1864年生まれ、赤湯町長を務めた)
酒井一平(代表取締役。2004年からワイナリーの五代目)
代表的なワイン
赤湯 / まぜこぜワイン / 小姫 / 灰鷹 / 尉鶲
公式サイト
sakai-winery.jp

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