神戸ワイナリーとは?
神戸ワイナリー(Kobe Winery)は、神戸市西区押部谷町(おしべだにちょう)にあるワイナリーです。ここで造られるワインは「神戸ワイン」の名前で売られていて、原料は神戸市内で育ったぶどうだけです。
ワイナリーは、神戸市が開いた農業公園の中にあります。市の資料によれば、農業公園は1984年に、ワインの醸造を核にした農業振興のための施設として開かれました。ワイナリーのほかにホテルやレストラン、バーベキュー場まで備えていて、ワイナリーは公園の飾りではなく、その中心に据えられていました。
この公園はいま「こうべアグリパーク」として開かれ、ワインを造る会社も、2024年12月に神戸市の外郭団体から、日本酒の蔵元である白鶴酒造に代わりました。
六甲山の西のぶどう畑
神戸というと港の街が思い浮かびますが、六甲山の北と西には農村が広がっています。市の資料は、旧農業公園が市内で最も人口の多い西区のニュータウンと、県内でも最大級の果樹団地の両方に接していると書いています。
同社の説明では、ぶどうは六甲山麓を望む西区と北区の、あわせて約40ヘクタールの畑から、すべて手で摘んで集めます。ワイナリーの敷地にも畑があり、ほかは西区の平野町(ひらのちょう)と北区の大沢町(おおぞうちょう)の契約栽培の畑です。敷地の畑は神戸市の外郭団体が引き続き育てていて、同社の社員は2025年の夏から収穫に加わりました。
神戸の気候を、同社は温暖で日照時間が長いと説明しています。2025年は雨が少なく、ぶどうの出来がよかったといいます。
敷地の畑で長く育てられてきたのがリースリング(Riesling)で、ドイツで知られる白ぶどうです。市が公園の作り直しの方針をまとめたときにも、リースリングの畑はいまの場所に残すと書かれていました。同社が2026年に出したリースリングのワインは、樹齢40年を超える木のぶどうだけを使っています。
歩み
ワイナリーの工場棟は1983年に建ち、翌年の開園に合わせて、市の外郭団体が神戸市内のぶどうだけを使ったワインを造り始めました。同社は神戸ワインを「1983年から続く」ブランドと書いていて、市の資料が醸造の始まりとする1984年とは1年ずれています。
阪神・淡路大震災のあとの市の財政難などから、2006年に農業公園の条例は廃止されます。それでもワイナリーなどの主な機能は残り、公園は一般に開かれたまま使われてきました。市の資料は、神戸ワインが2019年のG20大阪サミットの首脳の夕食会で、ただ一つの赤ワインとして出されたことも記しています。
2024年10月、公園を作り直す計画に合わせて、ワインショップ、ワイナリーツアー、カフェ、バーベキュー場などを11月30日で閉じると告げられました。同じ年の12月、神戸ワインの製造と販売の事業は同社に譲られます。同社は日本酒の造りで得た知見を生かしたいとしながら、まずは醸造の技術をきちんと受け継ぐことを目標に掲げ、2025年の収穫から自社で本格的な醸造を始めました。
代表的なワイン
いちばん手に取りやすいのは、「神戸ワイン」の名前だけを掲げた定番のシリーズです。辛口の白ワインは、トロピカルフルーツの香りとさわやかな酸があり、同社は白身魚のカルパッチョやムニエル、塩焼きと合わせることを勧めています。赤ワインは、赤いベリーの香りに若々しい酸となめらかな渋みのある、軽めの味わいです。どちらも2026年2月に同社から新しく発売されたもので、同じシリーズにやや甘口の白ワインとロゼもあります。
神戸レゼルバは、よいぶどうが穫れた年にだけ造る単一品種のシリーズとして、2026年9月に始まりました。最初の年は2025年のぶどうから3種類が出ています。リースリングは、ワイナリーの畑の古い木のぶどうから造ったやや甘口で、白い花や柑橘の香りとされています。カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)は北区の大沢地区のぶどうで、カシスや黒い果実の香りがあるとされています。もう1本は、白ぶどうのシナノリースリングから造る泡のワインです。
秋には、その年のぶどうで造る新酒「神戸みのり」が出ます。2026年は10月22日に発売され、赤ワインはメルロ(Merlot)、白ワインはシャルドネ(Chardonnay)とリースリング、シナノリースリングから造られました。
調査時点(2026年11月3日)の同社の公式サイトの税込価格は、定番の辛口の白ワインと赤ワイン(720ミリリットル)がどちらも1,980円、神戸レゼルバ(750ミリリットル)が3,080円、神戸みのり(720ミリリットル)が1,870円でした。


