Vino Storia

ワインのお話

北海道 / 余市

リタファーム&ワイナリー

Rita Farm & Winery

リンゴ畑だった南向きの斜面にぶどうを植え、野生酵母による自然発酵でワインを造ってきた、余市町で3番目のワイナリーです。

  • 見学 不可
なだらかな斜面に垣根仕立てのぶどうの列が並び、奥に町並みと海、岬の山が見える
写真: daita saru / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
不可(公式サイトに「見学はお断りしております」とある

営業案内

ショップ
なし(ワイナリーではワインを売っていない)

公式サイトは見学を断っていて、ワイナリーでのワインの販売もしていません。畑やワイナリーを訪ねるのは控えてください。
余市町内では、JR余市駅前の「柿崎商店」と、JR余市駅の中の「エルラプラザ」で売っていると公式サイトにあります。後志総合振興局の紹介ページも、買うときは酒販店へ、と案内しています。
公式サイトの問い合わせフォームは使えず、問い合わせはメール(info@rita-farm.jp)だけです。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
北海道余市郡余市町登町

ワイナリーの話

リタファーム&ワイナリーとは?

リタファーム&ワイナリー(Rita Farm & Winery)は、北海道余市町(よいちちょう)の登町(のぼりちょう)にあるワイナリーです。公式サイトによれば、余市町では余市ワイン、ドメーヌ タカヒコに続く3番目のワイナリーとして2013年に生まれました。ワイン用の品種でつくるワインは、すべて自分たちの畑のぶどうだけを使っています。

造りの柱は、野生酵母による自然発酵です。ぶどうの皮や畑、蔵にもともといる酵母に発酵を任せるやり方で、公式サイトは「可能な限り自然に逆らわない醸造」と書いています。瓶の中でもう一度発酵させて泡を生む「瓶内二次発酵」のワインでも、同じように野生酵母を使っています。ワインをタンクから移すときはできるだけ重力だけで流し、瓶詰めにも重力式の機械を使って、ワインに負担をかけないようにしているといいます。

公式サイトは自らを「夫婦二人で営む小さなワイナリー」と紹介していて、造れる本数には限りがあります。


余市湾へ風が抜ける南斜面

自社の畑は「風のヴィンヤード」と呼ばれています。登地区のいちばん南にある、ゆるやかな南向きの斜面で、広さは3ヘクタールほどです。南からの風が畑を抜けて余市湾へ吹いていくことから、この名前を付けたと公式サイトにあります。斜面には、ワイン用のぶどうがおよそ1万本植えられています。

北海道の後志(しりべし)総合振興局が海外の旅行者向けに作った紹介ページは、この畑を、登地区でもっとも日照に恵まれた場所だとしています。植わっている品種として挙げているのは、ピノ・ノワール(Pinot Noir)、ピノ・グリ(Pinot Gris)、ピノ・ムニエ(Pinot Meunier)、シャルドネ(Chardonnay)、メルロ(Merlot)、ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)です。

畑づくりでは、ふつう「害虫」と呼ばれる虫とも共存し、そこから学ぶことがあると考えて、畑の中の生き物のつながりをなるべく崩さないようにしていると公式サイトは書いています。


歩み

始まりはワインではなく果樹の農園でした。公式の年表によれば、1998年に登町で「余市リタファーム」を開きました。いまの公式サイトにも、りんごやぶどうのジュース、ミニトマトのジュース、コンフィチュール(ジャム)、ドレッシングといった加工品の一覧が残っています。

ワイン用の畑は、2009年にリンゴ畑だった3ヘクタールの斜面を整えるところから始まりました。2010年に2ヘクタール、2011年に残りの1ヘクタールに苗木を植え、同じ年に果実酒の製造免許を申請しています。ワイナリーの建物が完成して免許を取ったのは2013年6月、自社畑のワインを初めて出荷したのは2014年3月です。

その後、2016年4月にワインショップ「バラッド オブ ヨイチ」を開き、同じ年にアメリカのカリフォルニア州へ、2017年にはフランスとハワイ州へもワインを送り出したと年表にあります。

公式サイトのトップには、海外のワイナリーを買収することになり、これまで支えてくれたスタッフに畑を贈与した、というお知らせが出ています。スタッフが醸すワインは2026年からになる、とも書かれています。お知らせに日付は無く、本稿の調査時点(2026年11月3日)では、それ以上の詳しい説明は公式サイトに見当たりませんでした。


代表的なワイン

公式サイトに残っているワインの一覧は「ワインリスト2021」という名前で、中身は2022年に造ったワインのリリース状況です。どれも750ミリリットルで、調査時点では完売と表示されていました。

十六夜(いざよい)旅路は、旅路(たびじ)というぶどうの白ワインです。旅路は小樽市の塩谷(しおや)地区で見つかった品種で、懐かしい味と独特の香りがあると公式サイトは説明しています。まだ色づきの浅いうちに早めに摘み、低い圧力でゆっくり搾っています。

十六夜 デラウェアは、一覧では辛口の白ワインとして並んでいますが、説明には「力強いオレンジワインに仕上がりました」とあります。オレンジワインは、ぶどうを皮ごと漬け込んで造る、橙色がかったワインです。野生酵母で低温でゆっくり発酵させ、濁りを取る清澄もろ過もしていないため、わずかに濁っています。

花火は、余市町で毎年打ち上げられる花火をイメージしたスパークリングワインです。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造り、瓶の中にたまった澱を抜く作業(デゴルジュマン)をしていないので、わずかに濁っています。ナイアガラ、旅路、ニューマスカットの3種類がありました。泡が吹きこぼれることがあるため、よく冷やしてから開けるよう書かれています。

畑の名前を付けたワインもあります。ロンドンのインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2023では、「風のヴィンヤード・ピノノワール 2019」が銀賞、「風のヴィンヤード・ソーヴィニヨンブラン 2021」が銅賞を受けたと公式サイトにあります。

価格は一覧の時点で、十六夜の3種が1,980円、花火の3種が2,400円、ソーヴィニヨン・ブランを早摘みして瓶内二次発酵させた「キュベリタ・ノンデゴルジュ」が2,500円でした。いまの銘柄と価格は、公式サイトでは確かめられませんでした。

基本情報

創業
2013年(ワイナリーが完成し、果実酒の製造免許を取った年。農園の開園は1998年)
代表的なワイン
十六夜 旅路 / 十六夜 デラウェア / 花火 ナイアガラ / 風のヴィンヤード ピノ・ノワール
公式サイト
rita-farm.jp

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