サグランティーノのワイン一覧

2,310円
カンティーナ・ゴレッティ(Cantina Goretti) / 販売: 酒類の総合専門店 フェリシティー

6,314円
アダンティ(Adanti) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

8,965円
アルナルド・カプライ(Arnaldo Caprai) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店

モンテファルコ・サグランティーノ パッシート 2010(375ml)
9,900円
パオロ・ベア(Paolo Bea) / 販売: トスカニー イタリアワイン専門店
サグランティーノとは?
サグランティーノ(Sagrantino)は、イタリア中部のウンブリア州で育つ黒ぶどうです。丘の上の町モンテファルコ(Montefalco)のまわりでほぼすべてが育てられ、色が濃く、渋みのしっかりした赤ワインになります。同じぶどうを干してつくる甘口の赤ワインもあります。
いまは辛口の赤ワインで知られていますが、もとは甘口ワインのぶどうでした。モンテファルコ・サグランティーノの決まりの文書によれば、農家は小さな房を、葦で編んだ棚「カモルガンネ(camorganne)」に広げてクリスマスまで干し、粒を手ではずして小さな搾り機で搾りました。できた甘口ワインは2年以上寝かせ、クリスマスや復活祭のような祝いの日に少しずつ飲むものでした。家で大事に飲むワインだったので、売りに出されることはなかったといいます。
名前もこの使われ方から来たとみられています。決まりの文書は、ラテン語で「聖なる」を意味する「サケル(sacer)」を手がかりに挙げ、祭りの日に飲む「聖なるワイン」だったからではないか、と書いています。イタリアのワイン情報サイト、クアットロカリチ(Quattrocalici)は、教会の聖具室を指す「サグレスティア(sagrestia)」から来たという説も並べています。

辛口のサグランティーノが記録に現れるのは、1925年にモンテファルコで開かれた州のワインと油の品評会です。「サグランティーノ・アシュット(Sagrantino Asciutto=辛口のサグランティーノ)」として出品されました。それが売りに出されるようになったのは、1970年代のはじめからです。
どこで育てられているか
畑は、モンテファルコの町と、まわりのベヴァーニャ(Bevagna)、グアルド・カッタネーオ(Gualdo Cattaneo)、カステル・リタルディ(Castel Ritaldi)、ジャーノ・デッルンブリア(Giano dell’Umbria)の一部に集まっています。アッシジとスポレートのあいだに広がる平野、ウンブラ谷(Valle Umbra)を見下ろす丘で、標高は220メートルから470メートルほどです。決まりの文書は、いちばん高い丘の上には中世の古い村が建っている、と書いています。冬は冷え込み、年に何度か雪も降ります。
畑の広さは、アデレード大学のワイン経済研究センターのデータベースで、およそ1,100ヘクタールです(EUの統計局 Eurostat の2020年の値)。クアットロカリチは約1,000ヘクタールと書き、「これほど名の知れたワインにしては、とても少ない」と添えています。ほかの地域では、ウンブリアのほかの土地やトスカーナ、ラツィオに試験的な小さな畑がある程度で、イタリアの外ではオーストラリアやカリフォルニア、アルゼンチンにわずかにあるだけだそうです。

サグランティーノは熟すのが遅く、クアットロカリチによれば、収穫はたいてい10月の前半です。皮が厚いので、かびの病気に強いとされます。決まりの文書は、秋のはじめの天気から実を守るために身につけたこの厚い皮こそが、ワインの性格のもとになっているのかもしれない、と書いています。皮には渋みのもとになるタンニンがたっぷり含まれているからです。
1990年代のはじめには、モンテファルコの造り手アルナルド・カプライが大学と組み、町の庭や古い畑に残っていた古株を探して、苗を選び直しました。国の品種登録簿には、いまもこの家の名と銘柄の名を付けた系統が並んでいます。
サグランティーノが主役のワイン
DOCとDOCGは、産地や造り方が国の決まりで定められたイタリアの原産地呼称で、DOCGはそのうち生産の条件がもっとも厳しい区分です。サグランティーノの名前が出てくる呼称は二つだけです。
| ワイン | どんなワインか | サグランティーノ |
|---|---|---|
| モンテファルコ・サグランティーノ(DOCG)のセッコ(Secco) | 辛口の赤ワイン | 100% |
| モンテファルコ・サグランティーノ(DOCG)のパッシート(Passito) | 干したぶどうでつくる甘口の赤ワイン | 100% |
| モンテファルコ・ロッソ(Montefalco Rosso、DOC) | 赤ワイン(長く寝かせたリゼルヴァもある) | 10〜25%(サンジョヴェーゼが60〜80%) |
モンテファルコ・サグランティーノは、サグランティーノだけでつくります。収穫した年の12月から数えて3年近く寝かせ、そのあと瓶でさらに4か月以上休ませてから売りに出します。辛口のほうは、そのうち1年以上をオーク材の樽で過ごします。甘口のパッシートは、昔ながらの陰干しのワインです。いまは部屋の湿り気や温度を下げることも認められていますが、暖めて乾かすことは禁じられています。店やラベルでは、「サグランティーノ・ディ・モンテファルコ(Sagrantino di Montefalco)」と、語順を入れかえた表記もよく見かけます。
モンテファルコ・ロッソは、サンジョヴェーゼが主役で、サグランティーノがそれを支える赤ワインです。決まりの文書は、サンジョヴェーゼを「サグランティーノの陰に隠れた二番手のワインではなく、この土地のもう一つの大きなワイン」と書いています。日本の通販では、モンテファルコ・サグランティーノより手ごろな値段で見つかることが多いワインです。
どんなワインになるか
辛口のモンテファルコ・サグランティーノは、濃いルビー色で、ときに紫がかった光を帯び、年月とともにガーネットに近づきます。決まりの文書によれば、香りはブラックベリーを思わせ、プラムや革の香りが、樽から来るバニラの香りと重なります。味わいは力強く、それでいて口当たりはなめらかです。10年から15年は寝かせておけるワインだとしています。
クアットロカリチは、サグランティーノを世界でもとりわけタンニンの多いぶどうのひとつに挙げています。香りはブラックベリー、酸味の強いさくらんぼのアマレーナ(amarena)、プラムに、こしょうやクローブのようなスパイス、チョコレート、甘草が加わり、年月がたつと、たばこや革の香りが出てくるとしています。

渋みの強さについて、決まりの文書はこう書いています。ぶどうが熟しきると、タンニンは口の中で「ボリュームや、ビロードのような感触」として感じられるようになり、タンニンがずっと少ないほかのワインのほうが、かえって渋く感じられることがある、というのです。
甘口のパッシートも、色は濃いルビーで、ブラックベリーを思わせる香りがします。カプライの広報資料は、ブラックベリーのジャムとカカオの香りを挙げています。モンテファルコ・ロッソはルビー色で、さくらんぼ、ラズベリー、ブルーベリーの香りがあり、辛口で、ほどよい厚みのある味わいです。
サグランティーノに合わせる食事
イタリア政府観光局のサイトは、サグランティーノを狩猟でとった肉やローストと合わせるよう勧めています。カプライの広報資料も、辛口には白身や赤身の肉、炭火焼き、狩猟肉、熟成したチーズを挙げ、看板の1本「25アンニ」には、子羊のローストや炭火焼き、ウンブリアの黒トリュフを合わせています。黒トリュフは、ウンブリアの東の山あいの町ノルチャ(Norcia)の名産です。出す温度は18℃が目安とされています。
甘口のパッシートは食後のワインです。同じ資料は、ウンブリアの伝統的な菓子ロッチャータ(rocciata)、ブラックベリーや酸味の強いさくらんぼのジャムを使ったタルト、チョコレートの菓子を挙げています。昔の農家がクリスマスや復活祭に開けていたのも、この甘口ワインでした。
日本の食卓で試すなら、辛口には子羊や牛の炭火焼き、ジビエの店の鹿肉、長く熟成させたハードチーズを、パッシートにはブラックベリーのジャムのタルトやチョコレートケーキを用意すると、地元の組み合わせに近くなります。
