アルジオラスのワイン一覧
アルジオラスとは?
アルジオラス(Argiolas)は、地中海に浮かぶサルデーニャ島の南、州都カリャリ(Cagliari)から20キロほど北のセルディアーナ(Serdiana)の村にある生産者です。島で育てられてきたぶどうだけを使い、黒ぶどうのカンノナウ(Cannonau)や白ぶどうのヴェルメンティーノ(Vermentino)などから、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、甘口ワインまでをつくっています。
始まりは、創業者のアントニオ・アルジオラス(Antonio Argiolas)が父から受け継いだ、3ヘクタールの畑でした。その一家がのちに、島のぶどうを組み合わせた赤ワイン「トゥッリーガ(Turriga)」を生みます。名前は、近くの畑の土地から出た、5,000年あまり前の大理石の母神像に由来します。
畑のある土地
セルディアーナは、パルテオッラ(Parteolla)と呼ばれる地方の村です。蔵は、この地方の伝統的な家を中心に建てられています。会社の説明によれば、いちばん近い畑はシビオラ(Sibiola)という土地にあり、塩水の池のほとりに広がっています。ここには島の在来品種を集めて守る試験用の畑があり、とくに白ぶどうのヌラグス(Nuragus)に力を入れています。
大きな畑は、村の北に続くトレクセンタ(Trexenta)の丘にあります。標高200〜350メートルほどの、風の通る丘です。シジーニ(Sisini)の畑はおよそ60ヘクタールで、石灰質と粘土の土にヴェルメンティーノなどの白ぶどうが育ちます。セレガス(Selegas)のサ・タンカ(Sa Tanca)の畑からは、主に赤ワインのためのぶどうがとれます。会社はカンノナウの畑のうち、白い石灰岩と泥灰土に根を張り、水をやらずに株仕立てで育てるセルディアーナの区画を、いちばん大事なものとしています。
島の南西のスルチス(Sulcis)地方には、海にいちばん近いイス・ソリナス(Is Solinas)の畑があります。砂丘とネズ(杜松)の茂みのあいだに、黒ぶどうのカリニャーノ(Carignano)が植わっています。会社によれば、暑さと潮気を含んだ風にさらされたぶどうから、味の濃い、果実の香りのあるワインができるといいます。

歩み
公式サイトによれば、アントニオは1906年に生まれました。父の遺した畑は、ウチワサボテンの生け垣に囲まれていて、地平線も見えなかったといいます。アントニオはそこに最初のぶどうを植え、妻のボナリアとともに家族を築きました。会社は、ぶどうの木の引き抜きが進められた時期にも、彼は畑を手放さなかったとしています。
転機は1979年のアルゼンチンとカリフォルニアへの旅でした。島では、畑が細かく分かれているのがふつうでした。アントニオは旅先で、一人の持ち主が広い土地を機械で耕すやり方を見て、同じことをサルデーニャでしようと考えます。そうして買ったのが、いまいちばん大きな畑であるサ・タンカとシジーニです。
1980年代、アントニオは息子のフランコとジュゼッペと、自分たちの畑のぶどうでワインを瓶に詰めることを考えます。迎えたのは、醸造家ジャコモ・タキス(Giacomo Tachis)と、その弟子マリアーノ・ムッル(Mariano Murru)でした。1988年にトゥッリーガの最初のぶどうが仕込まれ、1991年に売り出されます。会社のサイトは、イタリアの新聞の記者が「サルデーニャの赤ワインを世界に認めさせた」と書いたことを紹介しています。
アントニオは2009年に102歳で亡くなりました。いまは孫のヴァレンティーナ、フランチェスカ、アントニオが会社を率いています。
代表的なワイン
トゥッリーガ(Turriga) は、カンノナウを主体に、島の黒ぶどうを合わせた赤ワインです。名乗っているのは、産地や造り方を国が定めた原産地呼称のDOCではなく、イソラ・デイ・ヌラーギ(Isola dei Nuraghi)というIGTです。IGTは、DOCより広い範囲と緩やかな決まりで産地を表示する区分で、名前は「ヌラーゲの島」、つまり先史時代の石の塔ヌラーゲ(nuraghe)が点在するサルデーニャを指します。フランス産の樫の小樽で1年半から2年ほど熟成させ、瓶でさらに1年ほどねかせます。色は濃く、香りは豊かで複雑です。味わいは骨格がしっかりしていて、なめらかで、余韻が長く続きます。会社はイノシシの煮込みや野生の獣の肉、熟成したサルデーニャのペコリーノ(羊乳のチーズ)を合わせる料理に挙げています。
名前の由来になった母神像は、セノルビ(Senorbì)とセレガスのあいだのトゥッリーガという土地で見つかった、大理石の小さな女性像です。いまはカリャリの考古学博物館にあり、ワインのラベルにも赤い色で描かれています。
セネス(Senes) はカンノナウ・ディ・サルデーニャ(Cannonau di Sardegna、DOC)のリゼルヴァ(riserva、長く熟成させたもの)で、会社は島の100歳を超えるお年寄りをたたえるワインとしています。濃いルビー色に赤い果実、スパイス、地中海の香草の香りがあり、温かみのある丸い味わいです。同じDOCの コステーラ(Costera) は、より手頃なカンノナウの赤ワインで、会社は子豚や子羊のロースト、サルデーニャのペコリーノと合わせるよう勧めています。
白ワインなら、ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ(Vermentino di Sardegna、DOC)の コスタモリーノ(Costamolino) があります。緑がかった麦わら色で、香りは繊細です。味わいは辛口でみずみずしく、会社は魚介の前菜や、甲殻類と合わせた粒状のパスタ「フレーグラ(fregola)」、魚のスープを合わせる料理に挙げています。
訪ねるには
公式サイトは、セルディアーナの蔵と畑での見学と試飲を受け付けていて、予約のためのサイトを設けています(2026年10月4日時点)。日時や内容、料金は予約のサイトで確かめてください。村はカリャリの街から20キロほどです。
