ビオンディ・サンティのワイン一覧
ビオンディ・サンティとは?
ビオンディ・サンティ(Biondi-Santi)は、トスカーナ州の南、モンタルチーノ(Montalcino)の丘にある生産者です。本拠は町の北東にあるテヌータ・グレッポ(Tenuta Greppo)という農園で、サンジョヴェーゼ(Sangiovese)という黒ぶどうだけから、辛口の赤ワインをつくっています。
この家は、自らを「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの創り手」と名乗っています。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)は、いまではモンタルチーノの町の多くの生産者がつくる、DOCG(イタリアの原産地呼称のうち、生産の条件がもっとも厳しい区分)のワインです。サンジョヴェーゼだけでつくるやり方も、若いうちに飲む「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」という名前も、公式サイトによれば、この家から始まりました。
畑のある土地
モンタルチーノは、シエナの街から40キロほど南にある丘の町です。生産規定によれば、気候は地中海性で乾きぎみですが、冬には標高400メートルより上で雪が降ることもあります。

保護協会の紹介によれば、ビオンディ・サンティの畑は33ヘクタールで、五つの区画に分かれ、どれも産地の北東の側にあります。グレッポの区画のひとつは、植えてから100年ちかくたつ畑です。畑は比較的高いところにあり、土はやせていて、ガレストロ(galestro)と呼ばれる薄くはがれる頁岩(けつがん)を多く含んでいます。
ぶどうの分け方には、資料の間で少し違いがあります。公式サイトのリゼルヴァの説明は、樹齢25年をこえる古い木のぶどうを使うのが伝統だとしています。一方、保護協会の紹介は、いまは樹齢ではなく、土の性質や畑の向き、その年の出来をもとにぶどうを分けているとしています。
木そのものは、古い木を受け継いでいます。公式の読みものサイトによれば、この家は自分の畑の木から枝をとって植え継ぐ方法(集団選抜)で、始まりのころの木の性質を守ってきました。ワインづくりの責任者は2025年のインタビューで、もとになった株は1940年代にさかのぼると話しています。
歩み
保護協会によれば、始まりはクレメンテ・サンティ(Clemente Santi)です。1869年、彼が1865年のぶどうでつくった「ブルネッロ」と呼ばれるワインが評価を受けました。ブルネッロの生産規定も、この造り方の先駆けとして彼の名を挙げています。
これを継いだのがフェッルッチョ・ビオンディ・サンティ(Ferruccio Biondi Santi)です。公式サイトはイタリア語で彼をクレメンテの「nipote」と書いています。この語は孫とも甥とも訳せて、英語の資料にも両方の書き方があります。英語の紹介記事によれば、当時は白ぶどうも含めていろいろな品種をいっしょに仕込むのがふつうでしたが、フェッルッチョはサンジョヴェーゼだけでワインをつくりました。公式サイトは、1888年をブルネッロの歴史で最初の収穫年としています。保護協会によれば、1930年代には国の農林省がフェッルッチョを「ブルネッロの発明者」と認めています。

その後、息子のタンクレーディ(Tancredi)、孫のフランコ(Franco)と受け継がれました。フランコは1970年代から2013年に91歳で亡くなるまで農園を率いました。保護協会は、1955年のリゼルヴァが米国のワイン誌ワイン・スペクテイターで「20世紀に世界でつくられた最良の12本」に選ばれたことや、1994年に英国のワイン誌デキャンターが、103年前の1891年のワインに10点満点を付けたことを紹介しています。
2016年12月、シャンパーニュの生産者を持つフランスのEPIグループが、この家の株の過半を取得しました。2025年の英国の品評会IWCの記事では、所有者はEPIグループで、最高経営責任者はジャンピエロ・ベルトリーニ(Giampiero Bertolini)、ワインづくりの責任者はフェデリコ・ラディ(Federico Radi)です。
代表的なワイン
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino DOCG) は、自分の畑で手摘みしたぶどうを、セメントの槽で、ぶどうに付いている野生の酵母で発酵させ、スラヴォニア産の樫(オーク)の大樽で寝かせます(公式サイト)。決まりでは、色は濃いルビーで、熟成とともにガーネットに近づきます。香りは強く、味わいは辛口で温かみがあり、渋みがいくらか感じられて、余韻が長く続きます。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リゼルヴァ(Riserva) は、出来のよい年にだけつくります。公式サイトの説明文は「1888年から40回だけ」としていますが、同じページに並ぶ収穫年を数えると44あります。2022年の英語の記事は2012年を39回目と数えていて、そのあとの年を足すと一覧と合います。古い醸造所の中ほどには、光と物音から隔てた「ラ・ストリカ(La Storica)」という部屋があり、これまでつくったすべての年のリゼルヴァが保管されています。瓶はラベルを貼らず、コルクの栓の上に蜜蝋を一滴たらしただけの姿で、年ごとの小さなくぼみに寝かされています。
ロッソ・ディ・モンタルチーノ(Rosso di Montalcino DOC) は、若い木や、とくに果実味の出る畑のぶどうからつくり、樽で寝かせる期間はブルネッロより短くしています。公式サイトによれば、このワインはもともとビオンディ・サンティのブルネッロの「白いラベル」として出ていたもので、1983年にロッソ・ディ・モンタルチーノDOC(DOCGより条件の緩い原産地呼称)ができたときに名前が変わりました。若いうちから楽しめる、と公式サイトは書いています。
訪ねるには
公式サイトの問い合わせのページには、農園での見学と試飲は行っていない、と書かれています(2026年10月4日時点)。モンタルチーノの町と料理については、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの記事にまとめています。
