Vino Storia

ワインのお話

長野 / 安曇野

安曇野ワイナリー

Azumino Winery

経営に行き詰まったワイナリーを引き継ぎ、新しい醸造家を迎えて、2008年に開業しました。

  • 見学 休止中
  • 見学無料
  • 試飲あり
  • ショップ
安曇野ワイナリーのセンターハウスと、その前に広がる垣根仕立てのぶどう畑。芽吹く前の5月初めの畑で、奥に山が見える
写真: Qurren / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
休止中(ガイド付きのワイナリーツアー
内容
ワイナリーツアーは休止中。ツアーで回る畑とワインセラー(半地下の樽の貯蔵庫)は自由に見学できる
所要時間
約10分(ツアーを開いていたときの案内)
料金
無料(ツアーを開いていたときの案内)

営業案内

営業時間
ショップ 9時〜17時(2026年3月1日からの夏季の時間)
冬季は9時30分〜16時30分(2025年12月16日〜2026年2月28日の例)
定休日
決まった定休日の記載なし。臨時休業と冬季の休業日は公式サイトのトップページで知らせる(2026年2月は4日間、2026年6月10日は設備点検で休業)
試飲
無料の試飲カウンター(4〜5種類)と、限定のワインなどを出す有料の試飲カウンター。運転する人は試飲できない
ショップ
あり(ワイン、自社の飲むヨーグルト、安曇野の土産物。発送も受け付ける)

ツアーのページには、新型コロナウイルス対策のため「しばらくの間」ツアーを休むという告知が残ったままです。再開の予定は書かれていないので、案内を受けたいときは電話で確かめてください。
併設のカフェは2021年1月末で閉店しています。施設の案内にはテラス席の紹介が残っていますが、食事の提供はありません。
運転する人には酒類を出さないとワイナリーは案内しています。駅からはタクシーを使ってください。
冬は周辺の坂道が滑りやすくなるとワイナリーは注意しています。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
長野県安曇野市三郷小倉6687-5
電車で
JR大糸線 一日市場駅からタクシーで約15分(松本駅から一日市場駅まで約12分)
車で
長野自動車道 松本インターチェンジから約20分
安曇野インターチェンジから約25分

ワイナリーの話

安曇野ワイナリーとは?

安曇野ワイナリー(Azumino Winery)は、長野県安曇野市の三郷(みさと)にあるワイナリーです。松本盆地の西の縁、北アルプスのふもとの森の中にあり、南フランス風の建物「センターハウス」の前に自社のぶどう畑が広がっています。

ここにはもともと「安曇野ワイン」という別のワイナリーがありました。その会社が経営に行き詰まり、民事再生の手続きに入っていたところを、長野県の会社が引き継いで生まれたのが安曇野ワイナリーです。公式サイトに転載されている地域誌の連載によれば、引き継いだ醸造タンクや瓶詰めの設備は「ほとんどが使えない状況」で、2008年の開業はそこからの出発でした。


北アルプスのふもとの森で

安曇野ワイナリーのそばを流れる黒沢川。両岸に草地と林があり、奥に緑の山々が連なる
ワイナリーのそばを流れる黒沢川と、西の山々(2018年5月)Qurren / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

ワイナリーの敷地は川沿いにあり、売店や醸造場、ヨーグルト工場などの建物が点在していました。開業の準備をしていた2008年の春に、周りの松林のうち1ヘクタールほどを切り開いて畑にする計画が立てられ、シャルドネ(Chardonnay)とメルロ(Merlot)の苗が植えられています。

地域誌の記事によれば、開墾した畑にはダム湖から運んだ砂利が敷かれ、畑一面が白い粒で光って見えたといいます。川原の砂利は余分な養分を含まず、水はけがよいので、ぶどうに余計な水分を与えません。白い砂利は日の光を照り返すので、ぶどうは空からの光と地面からの照り返しの両方を受けることになります。

醸造責任者に迎えられた戸川英夫(とがわ ひでお)は、ドイツのライン川沿いの畑が、空の光、地面の照り返し、川面の照り返しの「3つの太陽」を持つと言われていることを引いて、この畑を次のように評しています。

ここはさながら〝2つの太陽〟だね

いま、センターハウスの前の畑には、カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)、メルロ、シャルドネが植えられています。公式通販の商品説明は、自社畑の標高を700メートルとしています。収穫はシャルドネが9月中旬、メルロが10月初旬、カベルネ・ソーヴィニヨンが10月下旬で、自社畑のぶどうは手で摘んでいるといいます。


歩み

安曇野ワイナリーの公式サイトには「誕生物語」というページがあり、松本の出版社が発行する地域誌『KURA』の連載10回分が転載されています。開業までの動きは、ほぼこの連載でたどれます。

再生事業に乗り出したのは、長野県の樫山工業です。社長の樫山宏は、自他ともに認めるワイン好きだったと記事は書いています。描いた筋書きは、安曇野という観光地の知名度を生かし、観光ワイナリーとして収益を上げ、それを支えに品質の良いワインを造るというものでした。醸造には、マンズワインの工場長や山辺ワイナリーの醸造顧問を務めた戸川英夫を招き、経営の責任者には樫山工業から小林龍義を送り込んでいます。

2008年4月1日にプレオープンし、4月23日に醸造の免許が交付され、7月23日にグランドオープンを迎えました。自社畑の苗はまだ実をつけないので、最初の年は近くの契約農家を中心に、長野県内のぶどうで仕込んでいます。最初に発売したのは、同じ年の11月11日のナイアガラでした。続いてコンコード、メルロのロゼが出ています。

この年の暮れには、長野県高山村の農園で初めて穫れたメルロを使ったロゼワインを、支配人が農園まで届けに行っています。ワイナリーが自社畑だけでなく、県内のぶどう農家と組んでワインを造ってきたことは、連載の最後の回に詳しく書かれています。

公式サイトは、安曇野ワイナリーのワインが、原料・醸造方法・味わいを審査する長野県の原産地呼称管理制度で、2009年から毎年認定を受けていると書いています。


代表的なワイン

公式サイトは、目指すワインを「テロワールを存分に感じられるクリアなワイン」と書いています。開業したころの戸川も、ここでの仕事を「クリアで雑味のないワイン造り」と表現していました。

シャトー安曇野 スペシャルリザーブは、公式通販がワイナリーのフラッグシップとする赤ワインです。2021年の商品は、自社畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルロ、カベルネ・フラン(Cabernet Franc)、プティ・ヴェルド(Petit Verdot)を合わせ、フランス産のオークの樽で12か月熟成させています。色はルビー色で、カシスの香りに、樽からのコーヒーやチョコレート、杉の香りが重なるとされています。

安曇野カベルネ・ソーヴィニョンは、自社畑のカベルネ・ソーヴィニヨンだけでつくる赤ワインです。2023年の商品は樽で8か月熟成させ、日本ワインコンクール2026で金賞を受けました。黒胡椒のような香りや杉の香り、黒すぐりのジャムのような果実の感じがあるとされ、ワイナリーは、注いでから1日おくか、デキャンタに移して飲むことを勧めています。

龍眼(りゅうがん)は白ワインです。公式通販は龍眼を「長野県固有のブドウ」と紹介し、柑橘や青りんごのような香りに、いきいきとした酸がある辛口だと説明しています。焼き魚のような、ふだんは日本酒と合わせる料理にも合うそうです。

調査時点(2026年11月3日)の公式通販の税込価格は、龍眼2025(750ミリリットル)が1,980円、安曇野カベルネ・ソーヴィニョン2023(同)が4,840円、シャトー安曇野 スペシャルリザーブ2021(同)が8,030円でした。

基本情報

創業
2008年(7月23日にグランドオープンした年。前身の「安曇野ワイン」の施設を引き継いだ)
人物
樫山宏(開業時のオーナー。樫山工業の社長)
戸川英夫(開業時の醸造責任者)
小林龍義(開業時の支配人)
代表的なワイン
シャトー安曇野 スペシャルリザーブ / 安曇野カベルネ・ソーヴィニョン / 龍眼
公式サイト
ch-azumino.com

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