スイス村ワイナリーとは?
スイス村ワイナリー(Swissmura Winery)は、長野県安曇野市豊科(とよしな)南穂高にあるワイナリーです。ドライブイン「安曇野スイス村」の北側にあり、運営しているのは、あづみ農業協同組合(JAあづみ)が株主の株式会社あづみアップルです。
会社の名前にりんごが入っているのは、始まりがりんごジュースの加工場だったからです。公式の会社概要によれば、1988年に梓川村(いまの松本市)が、地元の農家のりんごを加工する「梓川村ジュースセンター」を設けました。翌年に農協がその仕事を引き受けて会社をつくり、1997年に豊科に新しい工場を建てたときに醸造の免許を取って、ワインを造りはじめました。いまもワインと並んで、りんごや桃、ぶどうのジュースを造っています。
会社は、自分たちのワイン造りの軸をこう書いています。
「ワインは農産物である」を軸足に置き
安曇野のまわりの畑から

公式サイトは、「地元の風土で育ったブドウを使って地元で醸す」ことを基本の姿勢にしていると書いています。使うのは長野県産のぶどうだけで、ラベルにはぶどうの産地、品種、収穫した年を書いています。
ぶどうの産地は、品種ごとに安曇野のまわりに散らばっています。白ぶどうのソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)は、北隣の北安曇郡池田町の青木原(あおきはら)で育てています。会社は青木原を「日本有数のソーヴィニヨン・ブランの畑と言って良いでしょう」と書いています。白ぶどうのシャルドネ(Chardonnay)と、黒ぶどうのピノ・ノワール(Pinot Noir)は、青木原と、安曇野市の南の三郷(みさと)で育てています。会社はピノ・ノワールを、国内では栽培が難しく、まだ研究の途中の品種だと説明しています。
黒ぶどうのメルロー(Merlot)は、松本市の今井と塩尻市の桔梗ヶ原(ききょうがはら)から、カベルネ・フラン(Cabernet Franc)は今井から来ます。北の大町市では、寒さに強い交配品種のセイベル(Seibel 9110)が育てられています。
大町市のメルローは、かつて「メルロー Nishina」という赤ワインになっていました。ぶどうを育てたのは大町ぶどう生産組合で、名前は大町市民からの公募で決まり、「仁科(にしな)」に由来する、と商品の説明にあります。この銘柄は2022年を最後に造られていません。
歩み
前身の梓川村ジュースセンターは、1988年に村が農産物の加工施設として設けたものです。1989年5月にあづみ農業協同組合がその業務を引き受けて株式会社あづみアップルを設立し、りんごジュースの受託加工を始めました。
1997年4月に南安曇郡豊科町南穂高(いまの安曇野市)に新しい工場ができ、本社を梓川村から移しました。このとき醸造の免許を取り、果実酒と果実飲料の製造と販売を始めています。りんごの加工場はいまも松本市梓川に「梓工場」として残っています。
会社は経営の理念に、食の安心と安全を軸に、健康志向と地産地消を掲げた商品づくりを置いています。ワインについては、「国際レベル」を目標に、安曇野の食材を使った和食にも合わせられるワインを造りたいと書いています。
代表的なワイン
ソーヴィニヨン・ブラン プルミエ青木原は、池田町の青木原のソーヴィニヨン・ブランだけでつくる辛口の白ワインです。2021年のものは、トロピカルフルーツの香りがはっきりしていて、ミネラルの風味が豊かで、ほどよいコクと酸がある、キレのよい味わいだと会社は説明しています。
ピノ・ノワール プルミエ三郷は、安曇野市三郷の自社農園のピノ・ノワールでつくる赤ワインです。2022年のものは、ベリーの果実を思わせる香りがあり、色は薄めですが、しっかりした骨格を持つとされています。グラスに注いでから少し時間を置き、空気となじませると香りが立ってくるそうです。
ソーヴィニヨン・ブラン アイスは、青木原のソーヴィニヨン・ブランを使った甘口ワインです。収穫したぶどうを凍らせてから自然に解かし、成分の濃くなった果汁だけを発酵させます。蜂蜜のような濃い味わいに、さわやかな酸がある極甘口のデザートワインだと会社は書いています。
調査時点(2026年11月3日)の公式サイトに表示されていた税込価格は、ソーヴィニヨン・ブラン プルミエ青木原が2,640円、ピノ・ノワール プルミエ三郷が3,300円、ソーヴィニヨン・ブラン アイスが3,981円でした。会社は2026年11月1日から一部の商品の価格を改めると知らせているので、買う前に確かめてください。

