千歳ワイナリーとは?
千歳ワイナリー(Chitose Winery)は、北海道千歳市の高台(たかだい)にあるワイナリーです。新千歳空港から車で15分ほど、JR千歳駅からは歩いて10分ほどのところにあり、石造りの蔵(石蔵)を醸造所にしています。運営する北海道中央葡萄酒は、山梨県勝沼町(いまの甲州市)の中央葡萄酒、グレイスワインの名で知られる会社が1988年に第2のワイナリーとして千歳に開いたもので、2011年に分社して独立しました。
ワインに使うぶどうは、千歳から日本海側へ離れた余市町(よいちちょう)の畑で育っています。それも、契約しているのは登(のぼり)地区の木村農園1軒だけです。1993年から同じ農家とピノ・ノワール(Pinot Noir)とケルナー(Kerner)を育て続け、その2品種を「北ワイン」の名前で出しています。
余市・登の東向きの斜面
余市町は、日本海に突き出た積丹(しゃこたん)半島の東の付け根にある町です。ワイナリーの紹介によれば、対馬暖流の末端が流れ込むため、北海道の中では一年を通して比較的暖かく、夏の雨や湿気が少ないので、ぶどうの糖度が上がりやすく、霜の害も受けにくいといいます。冬は雪が多く、ぶどうの木の冬越しに向くとされています。一方で、昼と夜の気温の差が小さく、秋の雨の影響を受けやすいことも、同じ紹介文が挙げています。
木村農園の畑は、主に東向きの斜面に広がっています。ケルナーがおよそ1ヘクタール、ピノ・ノワールが植えた年の違う三つの区画を合わせておよそ1ヘクタールで、栽培は1.5ヘクタールから始まりました。千歳ワイナリーは園主の木村幸司を「日本のピノノワール栽培の第一人者」と紹介しています。
木の年齢は資料によって書き方が違います。オンラインショップの紹介文はケルナーを樹齢20年、ピノ・ノワールを15年・25年・35年の区画としていますが、2025年のワインの説明では、ケルナーが30〜40年、ピノ・ノワールが20〜40年になっています。紹介文がいつ書かれたものかは示されていません。
畑の一年は、新しいワインを出すときのお知らせに書かれます。2025年の余市は春の雪解けが遅く、芽吹きも遅れましたが、5月からの好天で取り戻し、7月の記録的な暑さで熟すのが一気に進みました。8月の終わりの長雨では実が割れたり灰色かび病が出たりし、それまであまり見なかった鳩にも実を食べられたものの、厳しく選り分けて例年並みの量を確保したといいます。
歩み

千歳ワイナリーが最初に造ったのは、ぶどうのワインではなく、千歳の大切な作物であるハスカップのお酒でした。ハスカップは青紫色の小さな実をつける低木で、寒さに強く、ワイナリーの説明では、新千歳空港の西から苫小牧(とまこまい)、むかわ町にかけての勇払(ゆうふつ)原野に多く自生しています。いまも「ハスカップ スイート」は開設以来の定番で、2014年からは瓶の中で二度目の発酵をさせるハスカップのスパークリングも造っています。
ぶどうの栽培は1993年、木村農園との契約から始まりました。会社が山梨の中央葡萄酒から分かれたのは2011年で、社名も北海道中央葡萄酒になっています。代表は三澤計史です。
2012年のピノ・ノワールからは、樽で熟成させている間に味をみて、特に出来のよい数樽だけを選んで瓶に詰める「プライベートリザーブ」を始めました。同じ年から、ピノ・ノワールのロゼワインも造っています。2016年のワインからは、ラベルにワイナリーの石蔵が描かれています。
公式のオンラインショップの紹介文は、北海道を世界の中の一つのワイン産地にしていくことの「一翼を担いたい」と書いています。
代表的なワイン
調査時点(2026年10月27日)の公式オンラインショップの税込価格を添えます。
北ワイン ピノ・ノワールは、木村農園のピノ・ノワールだけでつくる赤ワインです。木の年齢ごとに分けて仕込み、小さな樽で熟成させてから、ブレンドして調和のとれたものをこの名前で出します。2025年は8か月の樽熟成で、赤い果実の豊かな香りにほどよいタンニンがある、ミディアムボディのワインと説明されています。2025年は2026年11月12日の発売で、750ミリリットルが5,280円です。樽を選び抜いた「プライベートリザーブ」はオープン価格です。
北ワイン ケルナーは、ケルナーの辛口の白ワインです。ケルナーはドイツ生まれの白ぶどうです。2025年は、白い桃や洋梨のような華やかな香りと、すっきりとした酸があるとされています。750ミリリットルで3,190円です。ワイナリーは、このワインと、同じケルナーを瓶内二次発酵で仕上げた辛口の「北ワイン ケルナー スパークリング」(5,280円)が、日本ワインコンクール2026で銀賞を受けたと書いています。遅く摘んで甘さを残した「ケルナー レイトハーベスト」もあります。
ハスカップ スイートは、ハスカップとぶどうでつくる、アルコール分7%のやや甘口のお酒です。甘酸っぱく、食前に飲むほか、温めてホットワインにもできるとされています。720ミリリットルで1,840円ですが、2026年11月1日の注文分から2,020円に上がります。
