Vino Storia

ワインのお話

新潟 / 上越

岩の原葡萄園

Iwanohara Vineyard

日本有数の雪国で、地主の家に生まれた川上善兵衛は、雪を味方にしてワインを造り、日本の気候に合うぶどうを自分で生み出しました。

  • 見学 予約制
  • 見学無料
  • 試飲あり
  • ショップ
  • レストラン
切り石を積んだアーチ形の入口の上に、IWANOHARA WINEYARD SECOND CELLAR と書かれた札が掛かっている
写真: Josh Furr / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
予約制・無料のガイドツアー(1日1回、11時30分から約20分)
内容
スタッフが施設を案内しながら、岩の原葡萄園の歴史とワイン造りを紹介するガイドツアー(貯蔵庫を案内)。資料室とぶどう畑は自由見学
日時
休業日を除く毎日
11時30分(1日1回)
所要時間
約20分
定員
先着20名(団体は1回45名まで。9時30分〜16時に、必ず予約)
料金
無料(試飲は希望者のみ有料)
申し込み
このページのフォームから。Vino Storia がワイナリーに確かめて、2営業日以内にご連絡します(手数料なし)
見学を申し込む

営業案内

営業時間
ワインショップ 9時30分〜16時30分(見学と試飲の受付は16時まで)
定休日
1〜2月の日曜日、年末年始(ほかに臨時休業あり。にいがた観光ナビは3月の特定日も休みとしている)
試飲
ワインショップで、希望者のみ有料。未成年と運転する人は試飲できない
ショップ
あり(ワインショップ)
飲食
ワイナリーレストラン「金石の音」(冬季の営業は問い合わせ)

見学ツアーは20歳以上が対象(公式の見学のページ。2026年10月27日に Chrome で確認)。
貯蔵庫は肌寒いので、夏でも羽織るものを持っていくよう公式サイトが勧めています。
石蔵に併設した雪室は、4〜10月だけの公開です(新潟県のグリーン・ツーリズムのページ)。
冬は天候によって臨時休業することがあります。訪ねる前に電話で確かめると確実です。 情報は2026年10月27日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
新潟県上越市大字北方1223番地
電車で
北陸新幹線 上越妙高駅からタクシーで約25分(公式サイトは定額料金のタクシーを案内)
頸城バス 宮口線「上牧、宇津の俣」行きで約30分、北方バス停から徒歩1分(にいがた観光ナビ)
車で
北陸自動車道 上越インターチェンジから約15分
上信越自動車道 上越高田インターチェンジから約25分(にいがた観光ナビ)
駐車場
約20台(大型バス可、無料。にいがた観光ナビ)

見学の申し込み

このフォームは予約の申し込みです。お申し込みを受けて、Vino Storia が岩の原葡萄園に空き状況を確かめ、2営業日以内にメールでご連絡します。そのご連絡をもって予約の確定となります。

お申し込みの手数料はかかりません。見学の料金がある場合は、ワイナリーの定める額を当日お支払いください。ご希望日は、今日から3日後以降の日をお選びください。

見学の日時: 休業日を除く毎日 11時30分(1日1回)

定員: 先着20名(団体は1回45名まで。9時30分〜16時に、必ず予約)

ワイナリーからの当日の連絡用

ワイナリーの話

岩の原葡萄園とは?

岩の原葡萄園(いわのはら ぶどうえん、Iwanohara Vineyard)は、新潟県上越市の北方(きたかた)にあるワイナリーです。1890年に、この土地の地主の家に生まれた川上善兵衛(かわかみ ぜんべえ)が開きました。善兵衛は「日本のワインぶどうの父」と呼ばれています。いまでは日本各地で赤ワインに使われている黒ぶどう、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)を生み出したのが、この人です。

上越は、日本でも指折りの雪の多い土地です。冷やす機械のなかった明治の時代に、善兵衛は雪を使って、発酵中に熱くなるワインを冷やしました。敷地には、その頃に建てた石の貯蔵庫がいまも残り、ワインの熟成に使われています。


雪国のぶどう畑と石蔵

善兵衛がぶどうを植えた理由を、農林水産省の広報誌は雪から説明しています。上越の高田のあたりは雪が深く、米づくりは雪に悩まされ通しで、農家の苦労は「三年一作」と言われたほどでした。地主の家の長男として、その姿を見て育った善兵衛は、荒れた土地でも育つぶどうでワインを造れば、農家の暮らしの助けになると考えたといいます。

雪との付き合いは、いまの畑にも残っています。ぶどうの枝を頭の上に張った棚に這わせる「棚仕立て」は日本でよく見られる育て方ですが、ふつうの高さの棚では、ここでは木が雪に埋もれて傷んでしまいます。そのため岩の原葡萄園は、棚を一般の1.8メートルほどより高い、2.3メートルほどに張っています。木の主な枝も、雪の重みで幹が裂けないよう、わざと交差させて育てています。

敷地には、明治に建てた石造りの貯蔵庫が二つ残っています。1895年にできた第一号石蔵は国の登録有形文化財、1898年にできた第二号石蔵は上越市の指定文化財です。新潟県の観光サイト「にいがた観光ナビ」は、第一号石蔵を「日本最古にして現役のワイン貯蔵庫」と紹介しています。熟成には、いまもこの石蔵でアメリカンオークの樽を使っています。

2005年には、第二号石蔵に雪室(ゆきむろ)を併設しました。冬の雪をためておき、その冷気で蔵の温度を保つしくみで、昔のように雪を使ったワイン造りと、二酸化炭素を減らすことを目的にしていると、同社は農林水産省の広報誌の取材に答えています。


歩み

川上善兵衛は1868年、いまの上越市北方にあたる村の大地主の家に生まれました。7歳で父を亡くして家を継ぎ、のちに慶應義塾で学んでいます。ワイン造りを志したのは、川上家と古くから付き合いのあった勝海舟と交流するうちにぶどう酒を振る舞われ、ぶどうが荒れた土地でも育つことを知ったのがきっかけだったといいます。1890年、自分の家の庭園を鍬(くわ)ひとつで耕して、葡萄園を開きました。

その2年後には、ワイン造りを学ぼうと山梨の勝沼を訪ねています。まるき葡萄酒の公式サイトによれば、フランス帰りの土屋龍憲の家が善兵衛を泊めてもてなし、知っている限りの造り方を伝えたといわれています。

それから約30年、善兵衛は海外のさまざまな品種を植えてみましたが、上越の気候に合うものは見つかりませんでした。そこで1922年から、自分でぶどうを掛け合わせて新しい品種をつくり始めます。交配は1万回を超え、優れた品種として22種を世に出しました。マスカット・ベーリーAは、1927年にアメリカの品種「ベーリー(Bailey)」とヨーロッパの「マスカット・ハンブルグ(Muscat Hamburgh)」を掛け合わせ、1931年に初めて実をつけた、交配番号3986番のぶどうです。

岩の原葡萄園は、この品種の名前を「マスカット・ベリーA」ではなく「ベーリー」と書くことにこだわっています。母親にあたる品種の英語の綴りが「Bailey」であること、善兵衛自身が論文で「ベーリA」と書いていることを理由に挙げ、「断じて『ベリー(Berry)』ではありません」とまで書いています。

善兵衛は1941年、品種の育成の研究で日本農学賞を受け、1944年に亡くなりました。


代表的なワイン

農林水産省の広報誌は、岩の原葡萄園が育てている品種のうち、代表的な三つと、それぞれのワインを紹介しています。

マスカット・ベーリーAは、このワイナリーを代表する赤ワインです。品種としては、イチゴのような甘い香りを持ち、渋みのもとになるタンニンが少なく、軽やかなものから濃厚なものまで、さまざまなワインに仕立てられるとされています。岩の原葡萄園の「マスカット・ベーリーA」は、華やかな香りと豊かな深みが特徴だといいます。

ブラック・クイーンは、善兵衛がベーリーと「ゴールデン・クイーン」を1927年に掛け合わせて生んだ黒ぶどうで、マスカット・ベーリーAより酸が強く、引き締まった味のワインに向いています。ワインは豊かな酸味が持ち味で、タンニンと、新しいアメリカンオークの樽からくるスパイスのような熟成の香りが調和しているとされています。

レッド・ミルレンニュームは、1929年に生まれた品種です。透き通った淡い紅色の実をつけ、華やかな香りがあり、甘口にも辛口にも仕上げられます。甘口の2018年は、「フェミナリーズ世界ワインコンクール(Féminalise)」の2019年の大会で金賞を受けたと、同じ広報誌は書いています。

基本情報

創業
1890年(川上善兵衛が葡萄園を開いた年)
人物
川上善兵衛(創業者。1868〜1944年)
代表的なワイン
マスカット・ベーリーA / ブラック・クイーン / レッド・ミルレンニューム
公式サイト
iwanohara.sgn.ne.jp

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