Vino Storia

ワインのお話

大阪 / 大阪市

島之内フジマル醸造所

Shimanouchi Fujimaru Winery

大阪の古いぶどう産地を残そうと畑を借りたワイン屋が、醸造所を置いたのはミナミのビルの1階でした。

  • 見学 可
  • レストラン

見学・予約

見学
可(2階のレストランの利用者が希望すれば、1階の醸造所を随時案内
内容
1階の醸造所。レストランの利用者が希望したときに案内する
申し込み
このページのフォームから。Vino Storia がワイナリーに確かめて、2営業日以内にご連絡します(手数料なし)
見学を申し込む

営業案内

営業時間
レストラン 12時〜23時(ラストオーダー21時30分)
定休日
火曜日・水曜日(公式サイトの店舗紹介)
飲食
2階のレストラン(イタリア料理をもとにした料理。自社のワインと国内外のワイン)

見学はレストランを利用する人だけが対象です。醸造作業の最中などは断られることがあります。
定休日は、公式サイトの店舗紹介(火曜日・水曜日)と、同じサイトの店のブログの末尾(「無休」「無し」、2026年6月の投稿)で食い違っています。電話で確かめると確実です。
自社のワインは、運営会社のオンラインショップ「ワインショップFUJIMARU」でも買えます。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
大阪府大阪市中央区島之内1-1-14 三和ビル1F

見学の申し込み

このフォームは予約の申し込みです。お申し込みを受けて、Vino Storia が島之内フジマル醸造所に空き状況を確かめ、2営業日以内にメールでご連絡します。そのご連絡をもって予約の確定となります。

お申し込みの手数料はかかりません。見学の料金がある場合は、ワイナリーの定める額を当日お支払いください。ご希望日は、今日から3日後以降の日をお選びください。

ワイナリーからの当日の連絡用

ワイナリーの話

島之内フジマル醸造所とは?

島之内フジマル醸造所(Shimanouchi Fujimaru Winery)は、大阪市中央区の島之内(しまのうち)にあるワイナリーです。ビルの1階が醸造所で、2階にレストランがあります。運営するのは、ワインショップ「FUJIMARU」を営む株式会社パピーユで、2013年にこの醸造所を開きました。

ワイナリーは畑のそばに建てるのが普通です。会社はそのことを承知のうえで、場所を探すうちに「セオリー通りの『畑の近く』ではなく『街のど真ん中』」を選んだと書いています。ワインが工業製品ではなく農作物であることを、街で暮らす人に身をもって伝えたい、というのがその理由です。レストランでは、下の階で造ったワインを料理と一緒に飲めます。


柏原の斜面から、ミナミのビルへ

ぶどうは街の中では育ちません。醸造所に運ばれてくるぶどうの多くは、大阪市の南東にある柏原市(かしわらし)の畑のものです。

会社の説明によれば、大阪には120年を超えるぶどう栽培の歴史があり、生産量が全国でも上位だった時代もありました。それが街の広がりとともに宅地に変わり、農家は街へ働きに出て、多くの畑が耕作放棄地になったといいます。会社は2010年から、柏原市で放棄された畑を中心にぶどうを育て始めました。頼まれて引き受ける畑は増え続け、管理する畑は2ヘクタールを超えています。

畑の中心にあるのは、大阪で長く育てられてきたデラウェア(Delaware)です。食べるぶどうとしてなじみのある、小粒の品種です。会社は、柏原のデラウェアは房も粒も小さく、皮が厚くて種が多いので、うまみが詰まっていると説明しています。一度放棄された畑は雑木が入り込み、元に戻すには費用がかかるため、苦戦しながらも栽培を続けている、とも書いています。

自社の畑のぶどうから造るワインは「キュベパピーユ」の名前で出しています。それとは別に、ほかの産地のぶどうも仕入れて醸造しています。2025年からは、山形県で2023年に新しく就農した生産者のデラウェアも届くようになりました。


歩み

会社の始まりは、2006年に一人で開いたワインショップです。大阪の台所と呼ばれる黒門市場の近くに店を構え、客の好みを聞いて1本ずつ売る対面販売にこだわったと、代表の藤丸智史は書いています。翌2007年に会社になりました。

ぶどう造りは2010年に始まります。柏原市にある老舗のカタシモワイナリーから、大県(おがた)地区の「堂の内畑」を借り、ボランティアと一緒に世話をして、ワインはカタシモワイナリーに醸造を任せました。2011年には、大阪府の外郭団体の仲立ちで、放棄されていた「岩崎谷畑」を借りて開墾し直し、メルローなどを植えています。2012年には高井田地区の畑も借り、羽曳野市の飛鳥ワインにも醸造を頼みました。

畑が急に増えて、ほかのワイナリーに頼むやり方では追いつかなくなり、2013年に島之内に自前の醸造所を構えます。それ以降のワインは、すべてここで造っています。2015年には東京都江東区にも醸造所を開き、東日本のぶどうはそちらで受け入れるようにしました。

会社のブログによれば、日本のワイナリーを評価する「日本ワイナリーアワード」の2026年版で、島之内フジマル醸造所は前年に続いて3つ星を受けました。


代表的なワイン

会社は、目指す味わいを「食中酒として日本の食卓に寄り添う」ものと説明しています。デラウェアは収穫の時期で味が変わり、早く摘めば酸がたっぷり残り、熟すほど酸が落ち着いて皮の風味が深くなります。会社はこの違いを使い分けていて、酸と糖のつり合ったぶどうは白ワインに、完熟に近いぶどうはオレンジワインにしています。オレンジワインは、白ぶどうを皮ごと漬け込んで造る、橙色がかったワインです。

キュベパピーユ デラウェア甕仕込みは、会社がフラッグシップと呼ぶオレンジワインです。大阪の自社の畑のデラウェアを皮ごと2週間ほど漬け込んで発酵させ、搾ったあと、クヴェヴリ(qvevri)で10か月熟成させます。クヴェヴリはジョージアでワイン造りに使われてきた、卵の形をした素焼きの甕です。2023年は収穫期の暑い夜が続いたため、熟すのを待つより酸を残すことを選び、例年よりすっきりとした辛口になったと説明されています。ラベルには「GI大阪」とあります。地理的表示「大阪」のことで、産地の名前を守るための国の制度にもとづくものです。

キュベパピーユ 大阪WHITEは、収穫の時期や造り方を変えた3種類のデラウェアのワインを、同じ割合で合わせた白ワインです。会社は、自分たちのデラウェアを1本でまるごと表現しようとしたワインだと書いています。

ロゼ スパークリングは、山形県置賜(おきたま)地方の、早摘みのデラウェアとキャンベル・アーリー(Campbell Early)から造る泡のワインです。瓶の中でもう一度発酵させて泡を生む方法で造り、フランボワーズにたとえられる香りが、口の中で梅のような印象に変わるとされています。

調査時点(2026年11月3日)のオンラインショップの税込価格は、デラウェア甕仕込み(2023年、750ミリリットル)が4,160円、大阪WHITE(2023年、同)が3,960円、ロゼ スパークリング(2024年、同)が3,570円でした。

レストランには、樽から直接注ぐ「生樽ワイン」があり、店は名物と呼んでいます。中身はふだんはデラウェアで、2026年6月には山形県産のナイアガラ(Niagara)を使ったものが加わりました。

基本情報

創業
2013年(島之内に醸造所を設立した年。運営する株式会社パピーユの創業は2006年)
人物
藤丸智史(株式会社パピーユ代表取締役)
代表的なワイン
キュベパピーユ デラウェア甕仕込み / キュベパピーユ 大阪WHITE / ロゼ スパークリング
産地の表示
GI Osaka(地理的表示「大阪」。一部の銘柄)
公式サイト
papilles.net

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