島根ワイナリーとは?
島根ワイナリー(Shimane Winery)は、島根県出雲市大社町(たいしゃちょう)にあるワイナリーです。出雲大社から車で5分ほどのところにあり、ワインの醸造所のほかに、試飲と土産物の売り場、しまね和牛のバーベキューを出すレストランが同じ敷地に集まっています。会社の説明では、島根半島の弥山(みせん)を背にして、レンガ色の瓦と明るい壁の建物が並んでいます。
ワイナリーは、ぶどう農家の悩みから生まれました。会社の沿革によれば、昭和30年代、山陰の長雨のせいで、ぶどうの実が割れたり、色づきが悪くなったりすることが続きました。売り物にならないぶどうを加工できる施設がほしい、という声が生産者のあいだで高まり、それが前身の醸造所につながったといいます。
出雲のぶどうと、山あいの自社畑
島根県の観光サイトは、出雲大社のまわりを全国でも有数のハウスぶどうの産地と紹介しています。ワイナリーが最初に造ったワインも、デラウェア(Delaware)だけを使ったものでした。デラウェアは食べるぶどうとしてなじみのある、小粒の品種です。そのあとも長いあいだ、原料は食べる用のデラウェアと、契約して育ててもらう甲州(こうしゅう)、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)が中心でした。
もっと質の高いワインを造ろうと、会社はぶどう作りから見直し、県内で栽培に向いた土地を探します。そうして2008年、中国山地の奥出雲町(旧横田町)に自社の畑「横田ヴィンヤード」を開きました。会社によれば、畑は標高430〜440メートルにあり、平均気温はおよそ12℃で、長野県や山形県のワインの産地とほぼ同じだといいます。山に囲まれた盆地なので、昼と夜の気温の差が10℃以上になります。
いまは出雲市のほかに、益田市の契約栽培の畑からも、シャルドネ(Chardonnay)やソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)が届いています。
歩み
1959年8月、有限会社大社ぶどう加工所として会社が生まれ、デラウェアだけでワインを造り始めました。
1985年から86年にかけて、ワイナリーをいまの場所に移して建て直す計画がまとまります。会社はこのときの考え方を、ワイン用の品種を契約して育ててもらう一次産業のぶどう作り、二次産業のワイン造り、それにサービスを加えた観光ワイナリーという三本の柱で説明しています。1986年、いまの場所で島根ワイナリーが開きました。
会社は、自分たちの役割を「島根わいん」を造るだけでなく、ワインをもっと知って親しんでもらうことだと書いています。そのために、工場の見学と試飲を無料にして、自由に楽しんでもらうことにしています。
代表的なワイン
横田シャルドネは、横田ヴィンヤードのシャルドネを夜のうちに収穫して造る白ワインで、会社はそれによって豊かな香りと味わいになると説明しています。色は緑がかった黄色で、柑橘や甘い花、黄色いりんごのような香りに香ばしさが重なり、酸は穏やかで、口当たりは丸いとされています。同じ畑のカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)の赤ワインもあります。
島根わいん縁結(えんむすび)は、県内の契約栽培の畑のぶどうを、品種ごとに造るシリーズです。出雲市の甲州から造る白ワインは、青から黄色のりんごの香りに、丸みのある柔らかさと切れのよい酸があると説明されています。出雲市のマスカット・ベーリーAの赤ワインは、いちごのような甘い果実の香りに樽の香りが重なり、さらりとした口当たりだとされています。同じ名前で、瓶の中でもう一度発酵させて泡を生む方法で造るスパークリングワインもあります。
清酒酵母仕込甲州は、日本酒の酵母で発酵させた甲州の白ワインです。会社は「日本初(※弊社調べ)」としていて、岩牡蠣や冷ややっこ、刺身、焼き鳥に合わせることを勧めています。
試飲即売館で無料で試せるのは、日常向けの「葡萄神話」の赤ワイン・白ワイン・ロゼや甘口のワインなどです。縁結シリーズのような上位のワインは、同じ建物のワインバルで1杯300円から有料で飲めます。
調査時点(2026年11月3日)の公式オンラインショップの税込価格は、縁結 甲州(2025年、750ミリリットル)が3,190円、縁結 シャルドネ(2025年、同)が3,080円、日常向けの葡萄神話の白ワイン(750ミリリットル)が1,540円でした。

