中伊豆ワイナリーヒルズとは?
中伊豆ワイナリーヒルズ(Nakaizu Winery Hills)は、静岡県伊豆市の、修善寺駅から車で15分ほどの丘にあるワイナリーです。中心にあるのは2000年に開いた「中伊豆ワイナリー シャトーT.S」で、醸造所、テイスティングのラウンジ、レストランが入っています。まわりの丘には、ホテルと日帰りの温泉、グランピングの宿、乗馬の施設、野球場やサッカー場までが集まっています。
創業者は志太勤(しだ つとむ)です。公式サイトは、故郷の伊豆に、カリフォルニアにあるようなワイナリーを築くことが志太の願いだったと書いています。始まりは1987年、三島市の三ツ谷新田に借りた、縦20メートル、横10メートルの小さな試験畑でした。2026年、その畑は10ヘクタールの丘になっています。
富士を望む南西向きの斜面
ワイナリーの場所が決まったのは1993年です。選ばれたのは、標高300メートルほどの、南西に向いたゆるやかな斜面でした。会社は自分たちの丘を「富士を望む丘」と呼んでいて、グランピングの宿はどの棟からも富士山が見えると案内しています。

畑では、2026年の時点で黒ぶどうが6品種、白ぶどうが4品種育てられています。公式通販に並ぶワインの名前を見ると、シャルドネ(Chardonnay)、メルロー(Merlot)、プティ・ヴェルド(Petit Verdot)、信濃リースリング(しなのリースリング)、プティ・マンサン(Petit Manseng)、ヤマ・ソービニオンなどが使われています。
ツアーでは、フロントのスタッフがコレクションセラー、醸造所、畑の順に案内します。セラーには150年前の古いワインや、カリフォルニアのオーパス・ワン、伊豆のワインが並び、一年を通して15度ほどに保たれています。醸造所はガラス越しに見る形です。最後のテイスティングでは、気に入ったワインを探します。
歩み
公式サイトの年表「三十九年の丘」によれば、三島の試験畑から2年後の1989年、当時の修善寺町に試験農場が開かれました。植えたのは、マスカット・ベーリーA、ミュラー・トゥルガウ(Müller-Thurgau)、ヤマ・ソービニオン、セイベル13053の4品種です。自分たちの醸造所はまだ無く、最初のワインはほかの醸造所に造ってもらいました。
1993年にいまの丘にワイナリーを建てると決め、1999年に果実酒の製造免許を取って、ようやく自分たちで仕込めるようになりました。最初の試験畑から数えると12年かかっています。2000年1月に「中伊豆ワイナリー シャトーT.S」が開き、ワインの工場とテイスティングのカウンター、結婚式のためのチャペルがひとつの建物に収まりました。レストランの名前「ナパ・バレー」は、カリフォルニアのワインの産地の名前です。
その後、丘は少しずつ広がりました。2001年に温泉付きの「ホテルワイナリーヒル」、2016年に畑の外周を馬で巡る「ワイナリーヒルズランチ」、2022年9月にグランピングの「中伊豆 EAST WINDS VILLAGE」が開いています。運営するのはシダックス中伊豆ワイナリーヒルズ株式会社で、2022年4月からはシダックスのグループの連結からは外れています。
代表的なワイン
伊豆シャルドネは、伊豆市の自社の畑で育てたシャルドネだけで造る、辛口の白ワインです。樽で発酵させてから熟成させています。2024年ヴィンテージは薄い金色で、まずバターやヘーゼルナッツのような樽の香りが立ち、そのあとにグレープフルーツやレモンの皮、南国の果物、はちみつのような香りが続きます。果実の厚みとキレのある酸があり、余韻は長く続きます。会社は、カマスのカルパッチョやキスの天ぷらを塩で、と勧めています。
伊豆メルローは、自社の畑のメルローの赤ワインで、オーク樽で9か月寝かせています。2024年ヴィンテージは日本ワインコンクール2026で銀賞を受けました。色は中くらいの濃さのルビーで、燻製のような香りと高カカオのチョコレートのような樽の香りのあとに、カシスやブラックチェリー、枯れ葉の香りが出てきます。ほのかな甘みとほどよい渋みがあり、余韻には湿った土のような風味が残ります。たれで焼いた焼き鳥のレバーとも合わせられています。
志太Grand爽輝(しだ グラン そうき)は、創業者の名前を冠したスパークリングワインです。2020年ヴィンテージは、自社の畑のシャルドネと信濃リースリングを樽で熟成させてから、瓶の中でもう一度発酵させ、3年寝かせています。色は金色で、りんごのコンポートやアプリコット、熟した洋梨の香りのあとに、控えめな和の柑橘の香りが続きます。辛口で、余韻は長く続きます。
調査時点(2026年10月27日)の公式通販の表示価格は、伊豆シャルドネ(2024年、750ミリリットル)と伊豆メルロー(2024年、同)が4,070円、志太Grand爽輝(2020年、同)が13,200円でした。その年のぶどうで造る「伊豆ヌーヴォー」の赤ワインと白ワイン(どちらもやや甘口)は、2026年は11月1日の発売と案内されています。

