久住ワイナリーとは?
久住ワイナリー(Kuju Winery)は、大分県竹田市久住町の久住高原(くじゅうこうげん)にあるワイナリーです。2003年に阿蘇くじゅう国立公園の中につくられました。くじゅう連山に面した標高850メートルの高原にあり、会社は自らを「西日本でも最も冷涼な気候帯に属するワイナリー」と紹介しています。年に2万5,000本ほどをつくる小さなワイナリーです。
このワイナリーがいちばん力を入れているのが、高原で育てたシャルドネです。2026年の日本ワインコンクールでは、欧州系品種の白ワインの部門で、性格の違う三つのシャルドネがそろって金賞を受けました。会社は、三つが「どれも全くキャラクターが異なります」と書いています。
くじゅう連山を望む斜面
ワイナリーの自社畑は、南向きの山肌に沿った斜面に広がる6ヘクタールです。会社によれば、収穫の時期には昼と夜の気温の差が20度を超えることもあり、それがぶどうの熟し方を深め、高原ならではのしなやかな酸と、香りや味わいの複雑さを生んでいるといいます。ピノ・ノワールの畑には、標高900メートル近いところもあります。
醸造の担当者は、公式のインスタグラムに収穫の様子を書いています。2026年は8月にほとんど毎日晴れ、9月は晴れ間が少なかったものの雨続きにはならず、夜の気温がよく下がったので、色づきや酸の残り方がよかったそうです。実が熟す時期に水分が少なかったので粒は小さく、どの品種も凝縮感はあるものの、量は減るだろうとも書いています。シャルドネは何回かに分けて収穫し、夜のうちに摘む「ナイトハーベスト」も取り入れました。
ワイナリーの売店では、無料と有料の試飲で好みのワインを探せます。併設の「レストラン石窯工房」では、石窯で焼いたピザなどのイタリア料理を、自社の畑や地元の高原野菜を使って出していて、ぶどう畑の見えるテラス席があります。
歩み
公式サイトがワイナリーの歩みとして書いているのは、2003年の創設のほかには多くありません。代わりに、ワイナリーが日本ワインコンクールで重ねてきた受賞が、公式のお知らせに残っています。2023年には部門の最高の金賞を含む金賞を二つ受け、2026年には先のシャルドネ三つの金賞を含め、10銘柄が賞を受けました。
ワインの名前のつけ方にも決まりがあります。自社畑のぶどうでつくる「CATWALK」などは「猫シリーズ」、契約農家のぶどうでつくる赤ワインの「Leo」「Sagittarius」「ARIES」などは「黄道12星座シリーズ」と呼ばれています。
代表的なワイン
久住シャルドネ CATWALKは、ワイナリーが看板に置く白ワインです。自社畑の三つの違う区画とクローン(同じ品種の中の系統)のシャルドネを、それぞれ6か月ほど樽で熟成させてから合わせています。白桃やアプリコット、はちみつ、ナッツ、バター、バニラの香りに、ふくよかな果実の味と立体的な酸があり、余韻が長く続くと説明されています。
久住シャルドネ THE SUNの名は、英語の「サン」と「酸」をかけたものです。石や鉱物を思わせる香りときれいな酸が残りやすい「3号園」、通称「サン号園」のシャルドネを主に使い、樽を使わずに澱(おり)と一緒に寝かせ、発酵のときの炭酸をわずかに残して瓶に詰めています。会社は「久住高原の風や冷涼さを閉じ込めるようなイメージ」と書いています。
久住 EBONYは、メルローと山ぶどうをかけ合わせて生まれた、久住高原のオリジナルのぶどうでつくる赤ワインです。漆黒ともいえる色で、野性的な風合いと、山ぶどうに由来する濃いうまみがあるとされています。
久住ピノノワール CATWALKは、自社畑のピノ・ノワールを1年間樽で熟成させた赤ワインです。フランボワーズやクランベリーのような赤い果実の香りに、腐葉土やなめし革、紅茶のような香りが重なり、高原らしいミネラルを感じる酸と上品な余韻があると説明されています。
契約農家のぶどうでつくるマスカットベーリーA Leoは、日本で生まれた黒ぶどうの品種マスカット・ベーリーAを、使い込んだ樽で8か月熟成させた赤ワインです。クランベリーやチェリー、紅茶、クローブのようなスパイスの香りがあり、なめらかに飲めるとされています。
調査時点(2026年11月3日)の公式オンラインショップの税込価格は、久住シャルドネ CATWALK 2024年が5,700円、久住 EBONY 2021年が5,500円、久住ピノノワール CATWALK 2021年が4,840円、マスカットベーリーA Leo 2023年が3,520円でした。

