自園自醸ワイン紫波とは?
自園自醸(じえんじじょう)ワイン紫波は、盛岡市の南にある岩手県紫波町(しわちょう)のワイナリーです。造って売っているのは株式会社紫波フルーツパークで、紫波町や地元の農業協同組合、ぶどうを育てる農家などが出資しています。
名前の「自園自醸」は、このワイナリーのやり方そのものです。紫波町の農家が育てた質のよいぶどう(会社が自分で育てたぶどうも含みます)を使うのが「自園」、それを町内のワイナリーで醸造するのが「自醸」だと公式サイトは説明しています。
始まりは、長年ぶどうを作ってきた紫波町の農家の思いでした。
自分たちの育てた葡萄でワインをつくりたい
ぶどうを育てる農家自身が会社の株主になっていて、農家が「自分たちのワイナリー」という意識を持ち、研修や情報交換に励んでいると公式サイトは書いています。ラベルの波のようなロゴは、ワインの揺らめきと同時に、漢字の「人」が三つ並んで手を取り合う姿を描いたものだそうです。お客さんと造り手、ぶどうの生産者がつながる、という意味が込められています。
北上川の東の、冷涼な丘
ワイナリーは国道396号沿いの「道の駅紫波」の奥にあり、公式サイトは「ぶどう畑に囲まれた心やすらぐワイナリー」と紹介しています。
ぶどうを育てているのは、町の中を流れる北上川をはさんだ東側、長岡(ながおか)や佐比内(さひない)などを含む東部地区です。公式サイトによれば、北国らしい冷涼な気候で、昼と夜の気温の差がほどよくあり、年間の降水量は1,000ミリほどと比較的少ない土地です。土は火山灰ではない粘土質が多く、深いところには古生代の粘板岩、蛇紋岩、花こう岩が広がっています。会社は、この風土から生まれるぶどうが、果実味とミネラル感のある、エレガントで余韻の長いワインになると書いています。
使うのは、メルロー(Merlot)やリースリングリオン(Riesling Lion)、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)といったワイン用の品種です。創業のころから紫波町産のワイン専用品種を使うことを打ち出してきたといいます。
歩み
会社の年表によれば、2003年4月に有限会社紫波フルーツパークが生まれ、翌2004年に、町と有識者、ぶどう農家が一緒になって「紫波町自園自醸ワイン開発研究会」を立ち上げました。2005年10月に期限付きの果実酒製造免許を取り、ワインの醸造を始めています。
2006年に株式会社となり、会社の農園にワイン用のぶどうを20アール植えました。同じ年の9月に町内だけでワインを売り出し、2007年4月から町の外へ、2008年4月からは岩手県内を中心に本格的に売り始めています。2007年には、ワイン用のぶどうを育てる農家と、技術を高め情報を交換するための「自園自醸ワインぶどう栽培研究会」もつくりました。会社の農園には2008年に130アール、2013年に70アールのワイン用ぶどうを植え足しています。
ブランドの名前は、はじめ「紫波自醸ワイン」でした。2010年4月に、いまの「自園自醸ワイン紫波」に改めています。2015年8月には、瓶の中でもう一度発酵させて泡を生む「瓶内二次発酵」のスパークリングワインを出しました。
ワイナリーでの醸造が20周年を迎えたのを記念して、新しいシリーズ「ドメーヌ紫波」も始まっています。
代表的なワイン
紫波メルローは、紫波町産のメルローだけでつくる、このワイナリーの定番の赤ワインです。岩手の冷涼な気候から生まれる生き生きとした酸と、豊かな果実味があり、渋みは軽くさわやかで、軽めの口当たりです。会社は、ハンバーグやミートソースのパスタなど、ふだんの食卓に合わせるよう勧めています。
紫波リースリングリオンは、紫波町産のリースリングリオンだけでつくる、やや辛口の白ワインです。リースリングリオンは、リースリング(Riesling)と甲州三尺(こうしゅうさんじゃく)を掛け合わせた白ぶどうで、冷涼な岩手の土地に合う品種といわれています。青りんごや柑橘を思わせる香りに、ほのかな甘みとすっきりした酸があります。白身魚や海老フライ、天ぷら、夏にはよく冷やして塩ゆでの枝豆と合わせるのがおすすめだそうです。
紫波フルーレ ルージュは、甘口の赤ワインです。マスカット・ベーリーAと、山ぶどうとカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)を掛け合わせたヤマ・ソーヴィニヨン(ヤマソービニオン)を使い、明るいルビー色で、ベリーを思わせる香りがあります。公式通販の人気商品の一番目に挙がっていました。
ドメーヌ紫波 モンドブリエは、紫波町で育ったモンドブリエという品種でつくるオレンジ色の辛口ワインです。野生酵母で醸造し、亜硫酸の添加はごく少量にとどめています。木樽で5か月熟成させたワインと、ステンレスタンクで仕上げたワインを、瓶詰めのときに合わせています。桃や梨を思わせる香りに、ほどよい渋みがあるとされています。
調査時点(2026年11月3日)の公式通販の税込価格は、750ミリリットルで紫波メルローと紫波リースリングリオンが各1,980円、紫波フルーレ ルージュが1,694円、ドメーヌ紫波 モンドブリエ2025が3,960円でした。
