Vino Storia

ワインのお話

埼玉 / 秩父

秩父ワイン

Chichibu Wine

奥秩父の農家が、一冊の本を頼りに昭和のはじめにワインづくりを始め、その「源作印」をいまは曾孫が継いでいます。

  • 見学 予約制
  • 見学無料
  • 試飲あり
  • ショップ
青空の下、手前の緑の尾根の向こうに、岩肌がのぞくぎざぎざの稜線の山がそびえている
写真: Ken thra / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
予約制・5名以上(醸造所と自社の畑の見学に試飲が付く
内容
醸造所(ワイン工場)の案内と、自社のぶどう畑の見学(秩父の気候風土、土づくり、品種の解説)のあと試飲。有料のコースでは、ふだんは公開していないセラーでグラスで試飲し、秩父ワインの歩みをまとめた15分の動画を見る
所要時間
約40分〜90分(内容と人数による)
定員
5名以上から受け付け
料金
無料(プラスチックのカップで数種類を試飲)/500円(非公開のセラーで、自社畑のワインを含む数種類をグラスで)/1,000円(グラス試飲にクラッカーやチーズなどのスナック付き)/1,500円から(グラス試飲に、秩父市のやまなみチーズ工房のチーズの盛り合わせ)(いずれも1人)
申し込み
このページのフォームから。Vino Storia がワイナリーに確かめて、2営業日以内にご連絡します(手数料なし)
見学を申し込む

営業案内

営業時間
8時30分〜17時
定休日
年末年始のみ
試飲
見学のコースに含む(無料のカップ試飲から)
ショップ
あり(醸造所に併設の直売所。直売所でしか買えないワインもある。埼玉県秩父地域振興センターの紹介記事、2019年12月の取材)

見学は5名以上のグループが対象です。4名以下で訪ねるときに試飲ができるかは、公式サイトに書かれていません。電話で確かめてください。
チーズの盛り合わせのコースは、チーズ工房との調整で受けられないことがあります。
試飲をするなら、運転しない人と一緒に行ってください。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
埼玉県秩父郡小鹿野町両神薄41
電車で
秩父鉄道 秩父駅か西武鉄道 西武秩父駅からバスで約45分、「小鹿野車庫」で降りて徒歩約12分
車で
関越自動車道 花園ICから約45分
駐車場
無料(普通車約20台。大型バスも可)

見学の申し込み

このフォームは予約の申し込みです。お申し込みを受けて、Vino Storia が秩父ワインに空き状況を確かめ、2営業日以内にメールでご連絡します。そのご連絡をもって予約の確定となります。

お申し込みの手数料はかかりません。見学の料金がある場合は、ワイナリーの定める額を当日お支払いください。ご希望日は、今日から3日後以降の日をお選びください。

定員: 5名以上から受け付け

ワイナリーからの当日の連絡用

ワイナリーの話

秩父ワインとは?

秩父ワイン(Chichibu Wine)は、埼玉県秩父郡小鹿野町(おがのまち)の両神(りょうかみ)地区にあるワイナリーです。日本百名山のひとつ両神山の麓にあり、ワインには創業者の名前をとった「源作印(げんさくじるし)」のラベルが付いています。

創業者の浅見源作は、この村の農家でした。昭和のはじめ、源作と長男の慶一は、“日本ワインぶどうの父”と呼ばれる川上善兵衛の『葡萄全書』を買い、それを道しるべにぶどうを植え、ワインをつくり始めました。1940年にワインの製造免許を取り、いまは源作の曾孫にあたる島田昇が、5代目の代表として造りを継いでいます。


両神山の麓の二つの畑

埼玉県の北西部にある小鹿野町には、両神山や、平成の名水百選に選ばれた毘沙門水があります。埼玉県秩父地域振興センターの記事によれば、秩父ワインは、朝夕の寒暖の差と、アルカリ性の土を活かして、原料のぶどうの一部を自分の畑で育てています。島田昇は、寒暖の差が大きいほど果皮が濃い黒になり、良い原料になると話しています。

自社の畑は二つあります。創業のころから受け継ぐ唐沢(からさわ)の畑は、2000年代にヨーロッパの品種へ大きく植え替えました。そのとき、名高い産地に通じる土を目指して、秩父のシンボルである武甲山の石灰岩を畑に敷きつめています。いまはカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネなどが育っています。

もう一つの大胡桃(おおぐるみ)の畑は、1970年代に開いた山ぶどうの畑で、源作が手がけた最後の畑です。山ぶどうは日本の山野に自生するぶどうで、色が濃く、酸と渋みの強いのが特徴です。会社はここで50年以上、この土地に合う株を選びながら育ててきました。


歩み

浅見源作は1889年、両神村の農家に生まれました。会社がまとめた冊子『秩父ワイン物語』によれば、子どものころに愛読したのは『ロビンソン・クルーソー漂流記』で、無人島で山羊とぶどうを頼りに生きる話に夢中になったといいます。大人になって山羊を飼い始め、残る夢がぶどうとワインでした。

1933年、20歳になった慶一が「ぶどうをやろう」と言い出します。川上善兵衛の『葡萄全書』は全3巻で36円もしましたが、慶一は自転車で秩父から東京まで片道130キロほどを走り、2日がかりで持ち帰りました。源作はさらに、返事も待たずに上京して川上を訪ねます。冊子は、川上が秩父の一農民の質問に丁寧に答え、次の言葉を授けたと伝えています。

ワインはぶどうが命。ぶどうは土が命。ぶどうにとっていい土を作ることから始めなさい

フランス製の搾り機を取り寄せ、木の桶を据えて、すべて手づくりで始めたワインは、1938年に完成しました。1940年8月に製造の許可が下り、「秩父生葡萄酒」として売り出します。会社は、これを埼玉県で初めてのワインの醸造許可としています。

戦争中は、ぶどうから採れる酒石酸が軍需物資とされ、ワイン造りも軍需産業に組み込まれました。戦後もしばらくワインは売れず、評判が広がり始めたのは1959年、訪ねてきたフランス人の神父が「本場フランスと同じ味」とほめてからでした。1975年には作家の五木寛之が雑誌で紹介し、同じ年に孫夫婦の島田安久・カツが造りを継ぎます。源作は1985年に95歳で亡くなり、いまは安久とカツの息子の島田昇が代表を務めています。


代表的なワイン

源作印 甲州 シュール・リーは、山梨県産の甲州でつくる白ワインです。シュール・リーは、発酵のあとワインを澱(おり)の上に置いたまま寝かせる造り方で、ここでは6か月、ステンレスのタンクで熟成させています。さわやかな白い花の香りが広がり、酸はやさしく、しっかりした味わいとされています。日本ワインコンクールの甲州部門では、2013年から2019年までのあいだに6度金賞を受けました。会社は天ぷらや白身の刺身、魚の塩焼きに合わせるようすすめています。

Domaine Chichibu(ドメーヌ・チチブ)カラサワは、石灰岩を敷いた唐沢の畑のカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロからつくる赤ワインです。収量を抑えて育て、フランスのオーク樽で熟成させています。果実の香りと樽の香りが重なり、酸と渋みのバランスがとれた奥行きのある味わいとされています。ドメーヌ・チチブは、自社の畑のぶどうだけでつくるシリーズです。

源作印 秩父 山ぶどうは、自社の畑の山ぶどうをフランス産のオーク樽で醸造した赤ワインです。深みのある紅色で、しっかりした酸と、凝縮した渋みが生む濃い風味が特徴とされ、サラミやビーフジャーキーと合わせるようすすめられています。

調査時点(2026年11月3日)の公式オンラインストアの税込価格は、源作印 甲州 シュール・リーが2,750円、源作印 秩父 山ぶどう(720ミリリットル)が3,300円、ドメーヌ・チチブ カラサワ 2022(750ミリリットル)が6,600円でした。

基本情報

創業
1940年(浅見源作がワインの製造免許を取った年。会社は「Est. 1940」と表記)
人物
浅見源作(創業者。1889〜1985年)
島田昇(有限会社秩父ワイン 5代目代表)
代表的なワイン
源作印 甲州 シュール・リー / Domaine Chichibu カラサワ / 源作印 秩父 山ぶどう
公式サイト
chichibuwine.co.jp

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