せらワイナリーとは?
せらワイナリー(Sera Winery)は、広島県世羅郡世羅町(せらちょう)にあるワイナリーです。隣の「せら県民公園」と合わせて「せら夢公園」と呼ばれ、公園とワイナリーは2026年4月に開園20周年を迎えました。運営するのは株式会社セラアグリパークです。
ワインの原料は世羅町で育ったぶどうです。中でもワイナリーの名を知らせてきたのが、広島県で生まれたぶどう「ハニービーナス」でつくるワインです。広島県のサイトは、ハニービーナスを使った「CeLALA(セララ)」と「百花(ひゃっか)」を、せらワイナリーを代表するワインとして紹介しています。
果樹の台地
ワイナリーは、標高400〜500メートルの「世羅台地」の中心にあります。公式サイトによれば、この一帯は果樹の栽培が盛んで、とくに梨には長い歴史があり、果樹に向いた気候だといわれています。ぶどうの栽培は、ワイナリーをつくる構想と同時に始まりました。公式サイトは自らを「まだまだ歴史は浅い」と書き、土地の気候を生かして、ワイナリーとぶどう農家が一体になってワインに取り組んでいると説明しています。
ぶどうを育てているのは、町内の法人や個人の農家です。ハニービーナスとマスカット・ベーリーAのほか、シャルドネやメルローといったワイン専用の品種も植えられています。同じ町内の同じ品種でも、畑の場所によって気候や気温が違い、畑ごとにぶどうの個性が出るとワイナリーは書いています。収穫が近づくと畑ごとに糖度と酸度を調べ、摘む時期を決めます。
契約している農家の数は、公式サイトの中でも書き方が違います。「せらワインについて」のページは約30戸、施設案内のページは約20戸としていて、どちらが新しい数字かは分かりませんでした。
ワイナリーの敷地には、ワインのショップとレストランのほかに、町の新鮮な食材や加工品を集めた「夢高原市場」や足湯があり、すぐ隣には季節の花が咲く「花の駅せら」があります。レストランでは、「世羅みのり牛」や世羅の玉子など、地元の食材を使った料理を出していて、バーベキューもできます。
歩み
町内から運ばれたぶどうの仕込みは、毎年9月から11月上旬にかけて行われます。醸造所には大小30基のタンクがあり、ワインによっては木の樽も使っています。熟成は早いもので数か月、長いものでは数年かかるといいます。
20周年を記念して、ワイナリーは新しい品種のワインを出しました。ワイナリーが試験用の畑で植え、育てたシラーとソーヴィニヨン・ブランで、どちらもその畑で穫れたぶどうの最初の年のワインです。この2品種がせらワインの原料に使われるのは初めてで、気候の変化や、求められるワインの形が多様になることを見すえ、次の世代の可能性を広げるために栽培していると公式サイトは書いています。この2本は、ラベルを一般から募り、醸造のスタッフが1点を選んだセットでだけ売られています。
2025年には、戦後80年の節目に広島から平和への思いを届けようという日本ワインのプロジェクト「HANAGOKORO WINE PROJECT」で、ワインを担いました。日本ワインの通販サイト「わいんびと」の特集によれば、花を描き続けてきたアーティストのミレイヒロキさんがラベルの絵を手がけ、ハニービーナスの新酒も出ています。このプロジェクトはすでに終わっています。
代表的なワイン
百花 ハニービーナスは、ハニービーナスの搾りはじめに自然に流れ出る果汁(フリーラン)だけでつくる甘口のワインです。透明感があってフルーティーで、上品な甘さが心地よく残ると説明されています。アルコール分は、2025年のもので9%です。2024年のものは、フェミナリーズ世界ワインコンクール2026で金賞を受けました。
山のめざめ メルローは、世羅町のメルローの赤ワインです。熟した果実の感じに、ほどよい樽の香りがあるミディアムボディで、時間をおくと香りがより立ってくるとされています。2022年のものは1,160本の限定です。
百花 ロゼ メルローは、同じ世羅町のメルローを、皮から色を移さずにすぐ搾る「直接圧搾法」でつくったロゼワインです。ラズベリーやイチゴのような甘酸っぱい香りに、辛口の味わいで、合わせられる料理の幅が広いとワイナリーは書いています。
ほかに、カベルネ・ソーヴィニヨンと山ぶどうをかけ合わせた品種ヤマソービニオンを1年間樽で熟成させた「百花 ヤマソービニオン」もあります。
調査時点(2026年11月3日)の公式サイトのワイン紹介の価格は、百花 ハニービーナス 2025年(720ミリリットル)が3,000円、山のめざめ メルロー 2022年(同)が3,500円、百花 ロゼ メルロー 2024年(同)が3,000円でした。

