Vino Storia

ワインのお話

滋賀 / 東近江

ヒトミワイナリー

Hitomi Winery

服飾の会社の会長が60歳で始めたワイン造りが、濾過しない「にごりワイン」だけを造る蔵になりました。鈴鹿の山すそ、永源寺のワイナリーです。

  • 見学 不可
  • 試飲あり
  • ショップ

見学・予約

見学
不可(工場見学は行っていない)

営業案内

営業時間
10時〜17時
定休日
月曜・木曜(公式サイトの営業日カレンダーで臨時の営業・休業あり。2026年11月は23日が臨時営業、24日が振替休業)
試飲
ワインサーバーで8種類前後を無料で(トップページの案内は「10種類ほど」)
ショップ
あり(ワイン、併設の「パンの匠 ひとみ工房」のパン、ワインに合う食材)

小さな店のため、10名以上での来店は断っています。予約は要りません。
運転する人は試飲できません。運転しない人と一緒に行くか、電車とバスで行ってください。
イートインは無く、パンの試食もありません。
ぶどうの収穫の日などに臨時休業することがあります(2026年9月16日など)。公式サイトの営業日カレンダーで確かめてください。
同じ敷地の日登美美術館は入館料500円、月曜・木曜と年末年始が休館です。
無料試飲の種類の数は、公式サイトの中でも「8種類前後」と「10種類ほど」で食い違っています。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
滋賀県東近江市山上町2083
電車で
JR近江八幡駅で近江鉄道に乗り換えて八日市駅へ(約25分)。八日市駅から近江鉄道バスの永源寺車庫行きで「山上口」下車、徒歩1分(約30分)。乗り継ぎを含めて1時間〜1時間30分ほど
車で
名神高速道路 八日市インターチェンジを出てすぐ右折し、10分ほど直進した左手(国道421号を永源寺の方向へ約8キロ)
駐車場
7台(同じ敷地の日登美美術館の案内による)

ワイナリーの話

ヒトミワイナリーとは?

ヒトミワイナリー(Hitomi Winery)は、滋賀県東近江市の山上町(やまかみちょう)、合併前の永源寺町にあるワイナリーです。造るワインはすべて、濾過をしない「にごりワイン」です。ぶどうの成分を漉し取らずに瓶に詰めるので、瓶の底に成分が沈み、ワインは少し濁っています。

始めたのは、大阪の服飾の商社、日登美(ひとみ)株式会社の社長だった図師禮三(ずし れいぞう)です。公式サイトによれば、1984年、60歳を機に会長に退いたとき、本当に自分のやりたいことをやろうと決め、大のワイン好きだったことから、まったくのゼロから自社の畑とワイナリーまでつくってしまいました。3年の試験醸造を経て、1991年にワイナリーを開いています。

会社は、にごりワインを造る理由をこう書いています。

個性的に楽しく、農産物であるワインを美味しくお届けしたい。


鈴鹿の山すそ、永源寺

公式サイトは、このあたりを琵琶湖の南、紅葉で知られる旧永源寺町として紹介しています。ワイナリーと同じ敷地には、図師禮三・清子夫妻が若いころから集めた美術品を見せるため、1992年に故郷の永源寺に開いた日登美美術館があります。バーナード・リーチの陶芸や歌川広重の浮世絵、棟方志功やジョアン・ミロの版画などを、テーマを替えながら展示しています。

畑は東近江市内にあります。自社の畑が5.5反、借りている畑が8.5反で、合わせて1町4反(1反はおよそ10アールなので、1.4ヘクタールほど)です。育てているのは、白ぶどうのシャルドネ(Chardonnay)とソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)、黒ぶどうのカベルネ・サントリー(Cabernet Suntory)、メルロー(Merlot)、シラー(Syrah)、マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)です。2017年からは、化学合成の農薬や肥料、除草剤を使わない有機栽培に切り替えました。

滋賀でワイン用のぶどうを育てる難しさは、醸造責任者の石本が商品の説明に書いています。蒸し暑い滋賀で育ったぶどうは酸が乏しく、長く試行錯誤を続けてきたといいます。石本が栽培の責任者として畑を見た最後の年になった2024年は、天候にも恵まれて、収穫の量も質もこれまででいちばんだったそうです。

2026年9月16日には、自社の畑の収穫を始めるために店を臨時に休んでいます。


歩み

1988年に果実酒の試験製造の免許を取り、1991年に期限付きの製造免許でヒトミワイナリーを開きました。1993年に濾過しない「にごりワイン」を500本だけ試しに造り、本免許を取った1994年からは、新酒をすべてにごりワインにしています。このころ辛口のものは、濾過して詰めていました。

1997年には、機械で栓をする、酸化防止剤を加えない発泡性のにごりワインを造りはじめます。1998年にパン工房を設け、1999年に株式会社ヒトミワイナリーを設立しました。2006年に、造るワインをすべてにごりワインにしています。

2008年には、大阪のカタシモワイナリー、京都の丹波ワインと関西のワイナリー三社で組み、共同のシリーズを出しました。これがのちに自社の「h3シリーズ」になります。2012年には原料をすべて国産のぶどうに切り替え、2017年に自社の畑を有機栽培にしました。会社の年表には、甘口と辛口の比率の移り変わりも書かれていて、2010年に4対6だったものが、2012年には2対8になり、2017年の時点では「ほとんどが辛口」になっています。

いまは年間およそ10万本を造っています。2026年11月1日に35周年を迎え、11月3日には初めての周年祭を開きました。


代表的なワイン

ヒトミワイナリーのワインは、酸化防止剤を加えず、清澄も濾過もしていません。会社は、15度以下の日の当たらない場所で保存するよう求め、通販では冷蔵便を選ぶよう案内しています。

ジシャバタケアカ(自社畑の赤ワイン)は、東近江の自社の畑で育てたマスカット・ベーリーA、メルロー、カベルネ・サントリー、ソーヴィニヨン・ブランを使い、木の樽で熟成させた赤ワインです。2024年のものはミディアムボディの辛口で、2026年2月に出ました。石本は、これまで苦戦してきた酸の乏しいぶどうでも、この年は簡単な醸造で納得のいく味わいになったと書いています。

Soif Blanc(ソワフ ブラン)は、山形県産のデラウェア(Delaware)、スチューベン(Steuben)、ナイアガラ(Niagara)でつくる辛口の白ワインで、喉の渇きを癒すようにごくごく飲めるシリーズの一本です。アルコール度数は9%と低めです。ナイアガラが手に入りにくくなったため、2024年のものから、皮を除いて仕込んだスチューベンを加えたといいます。

h3 IKKAKUは、マスカット・ベーリーAでつくる微発泡の辛口です。山梨県産の早摘みのぶどうに、糖度の高い滋賀県産のぶどうを合わせて発酵させ、瓶の中でもう一度発酵させて泡をつくっています。すっきりした泡と酸に、ぶどうの香りと甘やかさが感じられるとされています。

調査時点(2026年11月3日)の公式通販の税込価格は、ジシャバタケアカ(2024年、750ミリリットル)が3,960円、Soif Blanc(2024年、720ミリリットル)が2,332円、h3 IKKAKU(2025年、750ミリリットル)が2,420円でした。

基本情報

創業
1991年(ヒトミワイナリーが開いた年。試験醸造の免許は1988年、本免許は1994年)
人物
図師禮三(創業者。大阪の服飾商社 日登美株式会社の社長・会長)
岸本邦臣(代表取締役)
石本(醸造責任者。名は書かれていない)
代表的なワイン
自社畑赤 / Soif Blanc / h3 IKKAKU
公式サイト
nigoriwine.jp

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