Vino Storia

ワインのお話

長野 / 須坂

楠わいなりー

Kusunoki Winery

20年ほどの会社勤めのあと、オーストラリアで学んだ当主が故郷の須坂でぶどうを植えたのは2004年でした。

  • 見学 不可
  • 試飲あり
  • ショップ

見学・予約

見学
不可(公式サイトに見学の案内が無い)

営業案内

営業時間
ショップ 10時〜16時
定休日
火曜・水曜・木曜(連休中は特別に営業することがある。2026年11月3日の祝日は営業)
試飲
ショップで常時6種類を有料で
ショップ
あり(ショップでしか売っていないワインもある。グラスやワイングッズ、贈答用の梱包、発送)
飲食
なし(ワイナリーにレストランは無い。隣の日帰り温泉施設「湯っ蔵んど」に食事処がある)

カーナビや携帯電話の地図ではワイナリーの場所が正しく出ないことがあるとワイナリーは案内しています。道を一つ隔てた隣の「湯っ蔵んど」を目印にしてください。
暴風雨などの天候で臨時休業することがあります。
ショップの前の畑ではシャルドネとピノ・ノワールを育てています。畑の見学の案内は公式サイトにありません。
試飲をするなら、運転しない人と一緒に行くか、バスかタクシーを使ってください。バスの時刻は長電バスの時刻表で確かめてください。 情報は2026年11月3日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
長野県須坂市亀倉123-1
電車で
長野電鉄 須坂駅からタクシーで約15分(約2,500円)
須坂駅から長電バスで「湯っ蔵んど」下車、徒歩約2分
車で
上信越自動車道 須坂長野東インターチェンジから

ワイナリーの話

楠わいなりーとは?

楠わいなりー(Kusunoki Winery)は、長野県須坂市(すざかし)の亀倉(かめくら)にある小さなワイナリーです。長野市の東、長野盆地の東の縁にあり、すぐ隣には大きな日帰り温泉施設があります。公式サイトでは「楠ワイナリー」とも書かれています。

当主の楠茂幸(くすのき しげゆき)は、須坂で生まれ育ち、大学を出てからは貿易会社と航空機のリース会社で20年ほど働いた人です。そのうち10年ほどはシンガポールに駐在していました。父親が病に倒れたのを機に会社を辞めて看病にあたり、父を見送ったあと、オーストラリアのアデレード大学の大学院でワインの醸造とぶどうの栽培を学んでいます。帰国して故郷でぶどうを植えたのは2004年、40代の半ばのことでした。


扇状地の畑と、枝を上下に分ける仕立て

須坂市を中心に、日滝原(ひたきはら)と呼ばれる扇状地が広がっています。川が長い時間をかけて運んだ土砂が積もった土地で、公式サイトは果物のおいしい産地、とりわけワイン用の良いぶどうが穫れる土地だと紹介しています。須坂は巨峰の産地としても知られていて、楠わいなりーも自分の農園で巨峰を育てています。

当主は、栽培についての考えを公式サイトに長い文章で書いています。それによれば、須坂の扇状地は、りんごの実を大きくするのに水をやるほどの土地ですが、ヨーロッパの名産地と比べると雨がずっと多い土地です。水が多いとぶどうの樹は勢いよく枝葉を伸ばし、畑が暗くなって風も通りにくくなり、房に回るはずの力が枝葉の成長に使われてしまいます。だから日本では、水はけのよい扇状地や斜面が大事になる、というのが当主の考えです。

そのうえで、当主が「楠わいなりー最大のこだわりかも知れません」と書いているのが、ぶどうの樹の仕立て方です。選んだのは「スマート・ダイソン(Smart-Dyson)」と呼ばれる方法で、実をつける枝を地上120センチほどの針金に沿わせ、そこから伸びる新しい枝を1本ずつ上と下に振り分けます。下へ向けた枝は伸びる勢いが弱まり、葉が重なりにくくなって、日がよく当たり風も通るようになるといいます。

畑は耕さず、草を生やしたままにして、刈った草はそのまま畑で土に返しています。除草剤は使っていません。ただし当主は、化学的に合成された農薬も使っていて有機栽培ではない、とはっきり書いています。


歩み

当主の家は農家ではなかったので、始まりは畑を借りるところからでした。2004年、使われていなかった農地を開墾して、メルロ(Merlot)とシャルドネ(Chardonnay)の苗を植えています。当時の須坂市では、農家になるには最低5反(50アールほど)の畑を耕すことが条件だったため、すでに実のなっている巨峰の畑3反も借りて、その条件を満たしたといいます。畑には「楠ヴィニヤーズ」という名前を付けました。

最初のワインは2006年のシャルドネとメルロで、このときは近くのワイナリーに醸造を頼んでいます。2010年に楠わいなりー株式会社を設立し、2011年に自分のワイナリーを建てて、醸造を始めました。自社で初めて仕込んだ「メルロー2011 キュヴェ・マサコ」は、長野県の原産地呼称管理制度の審査で審査員奨励賞を受けています。2014年にはスパークリングワインをつくる建物も完成しました。

2016年に軽井沢で開かれたG7交通大臣会合では、歓迎のレセプションのワインに「シャルドネ2014 樽熟成」が使われました。


代表的なワイン

ピノ・ノワール(Pinot Noir)は、通販のページに「楠と言えばピノ!」とある赤ワインです。公式サイトは、北信州のピノ・ノワールの特徴を、スパイシーな香りと際立つうまみ、複雑に変わっていく風味だと説明しています。2022年の商品はエレガントなワインとされ、魚介から野菜の煮物、肉料理まで合わせられるそうです。商品ページには、産地の名前を守る国の制度、地理的表示「長野(GI Nagano)」の表示もあります。

シャルドネ 樽熟成は、ワイナリーが白ワインの看板と位置づけてきたワインです。2022年の商品は、みずみずしいりんごやライム、洋梨の香りに上品な樽の香りが重なり、ミネラルや酸を感じる味わいだとされています。この年は樽を使う割合を下げて、以前よりフレッシュな感じを出したといいます。

日滝原は、セミヨン(Sémillon)とソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)を合わせた白ワインで、土地の名前をそのまま付けています。和食にいちばん合うワインを考え抜いて行き着いた組み合わせだとワイナリーは書いていて、2025年の商品は「和食全般に寄り添えるワイン」がコンセプトです。お寿司、お刺身、焼き物、お鍋と合わせることを勧めています。

調査時点(2026年11月3日)の公式ウェブショップの価格(税込、750ミリリットル)は、日滝原2025が3,630円、ピノノワール2022が3,960円、シャルドネ2022 樽熟成が4,510円でした。

基本情報

創業
2004年(楠茂幸が須坂で就農し、ぶどうを植えた年。会社の設立は2010年、自社醸造は2011年から)
人物
楠茂幸(代表取締役。醸造家・ぶどう栽培家。1958年生まれ)
代表的なワイン
ピノ・ノワール / シャルドネ 樽熟成 / 日滝原
産地の表示
GI Nagano(地理的表示「長野」。ピノ・ノワール2022の商品ページに表示)
公式サイト
kusunoki-winery.com

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