清澄白河フジマル醸造所とは?
清澄白河フジマル醸造所(Kiyosumi Shirakawa Fujimaru Winery)は、東京都江東区の三好(みよし)にあるワイナリーです。建物の1階が醸造所、2階がレストランで、1階で仕込んだワインを2階で料理と合わせて出しています。
運営しているのは、大阪のワインショップから始まった株式会社パピーユです。会社はここを、大都市の交通網を活かして周りの産地から新鮮で良質なぶどうを集める「都市型ワイナリー」と紹介しています。
この会社が醸造所の場所を選んだ考え方は、公式サイトにはっきり書かれています。会社が選んだのは、セオリーどおりの「畑の近く」ではなく「街のど真ん中」でした。ワインが工業製品ではなく農作物であることを、産地と造り手と飲み手がひとつになれる場所で伝えたい、というのがその理由です。ワイナリーとレストランを一つの建物に収めたのは、そのための形です。
東日本の農家から届くぶどう
清澄白河の醸造所が受け入れているのは、東日本の農家のぶどうです。公式サイトは、会社が大阪で管理する畑と契約農家のぶどうが自社のワイナリーの容量を超えたため、東日本のぶどうを受け入れる「ネゴシアン型」のワイナリーとしてここを設けたと説明しています。ネゴシアンは、ぶどうを農家から買い取ってワインをつくる造り手を指すフランス語です。原料は日本のものだけを使っています。
醸造所のスタッフのブログには、2026年の仕込みの様子が残っています。9月には山形からデラウェアが何度も届き、茨城県の武藤観光農園の畑を訪ねてから、9月下旬にそこのマスカット・ベーリーAを受け入れました。10月には、山形の奈良崎農園が育てたカベルネ・ソーヴィニヨンの仕込みが始まっています。武藤観光農園のマスカット・ベーリーAは、届いてすぐに房から実を外して潰し(除梗・破砕)、皮ごと漬け込んだあと、10月中旬に皮を搾り終えました。
歩み
株式会社パピーユは、代表の藤丸智史が大阪・黒門市場の近くで一人で開いたワインショップ「フジマル」から始まりました。会社の設立は2006年です。ソムリエの経験がある店員が、客の好みを聞きながら1本ずつ売る対面販売を続けてきたといいます。
ぶどうづくりを始めたのは2010年です。大阪府柏原市で、耕す人のいなくなった畑を中心に借り受けたところ依頼が増え続け、2ヘクタールを超える畑を管理するようになりました。会社は、大阪には120年を超えるぶどうづくりの歴史があり、生産量が全国でもトップクラスだった時代もあったと書いています。
はじめは柏原の老舗、カタシモワイナリーにワイン造りを頼んでいましたが、畑が増えて間に合わなくなり、2013年に自分たちのワイナリーを設けることを決めます。こうして2013年、大阪の島之内に1階が醸造所、2階がレストランの「島之内フジマル醸造所」が開きました。その後、東日本のぶどうを受け入れるために、東京の清澄白河にこの醸造所を設けました。
代表的なワイン
ここで出している「Farmer’s」の名前のワインには、ぶどうを育てた農家の名前が入っています。
Farmer’s MUSCAT BAILEY A 武藤観光農園は、茨城県の武藤観光農園のマスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)からつくる赤ワインです。2025年産は2026年9月に出ました。醸造所は、みずみずしい果実味に心地よいハーブのような香りと、しっかりした凝縮感があると説明しています。
Farmer’s CABERNET SAUVIGNON 奈良崎農園は、山形の奈良崎農園のカベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)からつくる赤ワインで、2025年産が2026年9月に出ました。醸造所は、ぶどうの香りと酸、渋みのバランス、ピュアな果実味と奥行きを楽しんでほしいと紹介しています。
どちらも2階のレストランで買えます。会社は自分たちのワインを、派手なタイプではなく、日本の食卓に寄り添う食中酒を目指したものだと書いています。

