Vino Storia

ワインのお話

栃木 / 足利

ココ・ファーム・ワイナリー

COCO FARM & WINERY

1950年代、中学生と担任の先生が足利の山の急斜面にぶどう畑を開きました。その麓の学園の人たちが、いまもその畑でワインのためのぶどうを育てています。

  • 見学 予約不要
  • 見学無料
  • 試飲あり
  • ショップ
  • カフェ・軽食

見学・予約

見学
予約不要・有料のワイナリー見学(1日3回、約45分、500円
内容
スタッフがぶどう畑とワインづくりの現場を案内するワイナリー見学
日時
毎日(休みの日を除く)
10時30分、13時、15時
所要時間
約45分
料金
1人500円(中学生以下は無料)
申し込み
このページのフォームから。Vino Storia がワイナリーに確かめて、2営業日以内にご連絡します(手数料なし)
見学を申し込む

営業案内

営業時間
ワインショップ 10時〜18時
テイスティング 10時〜17時
カフェ 平日11時〜16時、土日祝日11時〜17時
定休日
年末年始(12月31日〜1月2日)、1月第3週の月曜〜金曜の5日間、11月の収穫祭の前日
試飲
有料。テイスティング5種1,500円、2種1,000円(グラス付き。グラスは持ち帰れる)
ショップ
あり(ワインショップ。自家製ワインと、こころみ学園の原木栽培の椎茸など)
飲食
ココ・ファーム・カフェ(ぶどう畑を眺めるテラス席が中心。席の予約は不可で、コース料理だけ予約制)

2026年は11月14日(土)・15日(日)が収穫祭(予約制、1人5,060円)で、公式サイトのトップの案内では、見学は11月11日〜16日、テイスティングは13日〜16日、カフェは13日〜15日が休みです。見学のページには休みが「収穫祭の前日・当日・翌日の4日間」と書かれた箇所もあり、ページによって書き方が違います。
試飲をするなら、運転しない人と一緒に行くか、タクシーを使ってください。
ワイナリーは、こころみ学園の人たちの暮らしの場であり、働く場でもあります。8月中旬〜11月の仕込みの時期は、入れない場所があります。
ペットはショップ・カフェ・畑・醸造場には入れません(ピクニックエリアと自然歩道は可)。 情報は2026年10月27日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
栃木県足利市田島町611
電車で
JR両毛線 足利駅からタクシーで約18分
東武伊勢崎線 足利市駅からタクシーで約20分
足利市の生活路線バス「あしバスアッシー」行道線かおでかけループの「ココファーム入口」から徒歩約7分
車で
北関東自動車道 足利インターチェンジから約10分

見学の申し込み

このフォームは予約の申し込みです。お申し込みを受けて、Vino Storia がココ・ファーム・ワイナリーに空き状況を確かめ、2営業日以内にメールでご連絡します。そのご連絡をもって予約の確定となります。

お申し込みの手数料はかかりません。見学の料金がある場合は、ワイナリーの定める額を当日お支払いください。ご希望日は、今日から3日後以降の日をお選びください。

見学の日時: 毎日(休みの日を除く) 10時30分、13時、15時

ワイナリーからの当日の連絡用

ワイナリーの話

ココ・ファーム・ワイナリーとは?

ココ・ファーム・ワイナリー(COCO FARM & WINERY)は、栃木県足利市の北の山あい、田島町にあるワイナリーです。ワイナリーの東側の山には、知的障害のある人たちの施設「こころみ学園」のぶどう畑が広がっていて、学園の人たちがそこでワインのためのぶどうを育てています。

この畑は、1958年に中学校の特殊学級(当時の呼び名)の生徒たちと、その担任だった川田昇(かわた のぼる)が切り開いたものです。なぜ山奥の急斜面だったのかについて、ワイナリーは「一介の教師には平らな土地を手に入れることができず、山奥の急斜面を開墾するしかなかったからでした」と書いています。


立っているのもやっとの斜面

こころみ学園の畑は、平均の傾きが38度、上の方では42度あります。南西を向いているので日当たりがよく、急なぶんだけ水はけもよい斜面でした。土地の名は「字小松沢」で、小さな松しか育たないほどやせた沢だったといいます。公式サイトによれば、礫まじりの土の下は、ジュラ紀に海溝の底にたまった岩が地殻の動きで押し上げられてできた頁岩(けつがん)で、ぶどうの根はその岩と岩のあいだに張っています。

雨は6月中旬から7月中旬、9月中旬から10月中旬に多く、冬は「空っ風(からっかぜ)」が強く吹きます。斜面には車も大きな機械も入らないので、草刈りも収穫も人の手です。

この畑には、開墾してから一度も除草剤を撒いていません。ワイナリーはその理由を、除草剤を撒けば子どもたちのやることがなくなってしまうからだと説明しています。畑の南側から草を刈り始めて北側を刈り終えるころには、南側にまた草が茂っています。草花が茂ると虫が集まり、虫を求めて鳥が来て、秋にはぶどうを狙う鳥を追い払うために朝から晩まで缶をたたく仕事が生まれます。こうして「365日やってもやってもやり尽くせない仕事」ができた、とワイナリーは書いています。

自家畑は、この学園の畑を含めて足利市と佐野市に5つあり、合わせて6ヘクタールほどです。マスカット・ベーリーAやリースリング・リオンのような日本で育てられてきた品種のほか、プティ・マンサン(Petit Manseng)、ノートン(Norton)、タナ(Tannat)など、高温多湿に強い品種を2000年ごろから少しずつ植えてきました。


歩み

1969年、畑の麓に、成人の知的障害者のための施設「こころみ学園」が開かれました。学園の人たちとぶどうを育ててワインを造ろうと考えたものの、社会福祉法人には果実酒をつくる免許が下りません。そこで1980年、学園の考えに賛同した保護者たちがお金を出し合い、ふつうの会社として有限会社ココ・ファーム・ワイナリーを設立しました。

1984年4月に醸造の認可が下り、その秋に初めて造った1万2千本は売り切れたと年表にあります。11月には第1回の収穫祭を開きました。

1989年にはアメリカ・カリフォルニア州のソノマに畑を確保し、学園の人たちが苗木を植えています。2000年には、スパークリングワイン「1996 NOVO ドゥミセック」が九州・沖縄サミットの晩餐会で使われ、それ以降も国際会議の食事会や、航空会社の国際線などに採用されてきました。

2017年に農地を持つ別の法人をつくり、2018年に北海道岩見沢市、2020年に山形県上山市でも畑を開きました。川田昇は2010年に亡くなりましたが、ワイナリーは「消えて無くなるものに渾身の力を注げ」という川田の言葉をいまも掲げています。


代表的なワイン

ココ・ファーム・ワイナリーは、ぶどうの皮などに自然についている酵母(野生酵母)でワインを発酵させています。瓶の中で二度目の発酵をさせるスパークリングワインの酵母を除けば、ほとんどすべてのワインがそうだといいます。ワインごとに、品種や畑、収穫日、分析の値、料理との相性まで書いた「ワインデータシート」を公開しています。

第一楽章は、マスカット・ベーリーAだけで造る赤ワインで、データシートは、こころみ学園の畑の頂上でそのぶどうが育っていると紹介しています。ワイナリーが初めて赤ワインを野生酵母で発酵させたのは、1996年のこのワインでした。2023年は、こころみ学園の畑のぶどうが7割、佐野市の自家畑のぶどうが3割です。フランス産のオークの古い樽で1年ほど熟成させ、清澄も濾過もせずに3,366本を瓶に詰めています。データシートは、イチゴジャムやサワーチェリーの香りに、ナツメグなどのスパイスや野ばらの香りが重なるとしています。

農民ロッソは、ワイナリーが日々の赤ワインと位置づける1本です。ロッソ(rosso)は、イタリア語で赤い色を表す言葉です。2025年はメルロ、マスカット・ベーリーA、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、長野、山梨、山形、北海道、栃木、群馬の契約農家のぶどうを合わせています。クランベリーやラズベリーの香りで、口当たりは軽く、渋みは穏やかです。データシートが挙げる相性のよい料理には、スパゲッティナポリタンや青椒肉絲も並んでいます。

甲州F.O.S.は、日本固有の白ぶどう・甲州を、赤ワインのように皮や種ごと発酵させたワインです。F.O.S.は「Fermented on Skins(果皮の上で発酵)」の略で、2004年から造り始めました。ワイナリーは、甲州から造る白ワインのほとんどが淡く軽く飲みやすいものだった当時、渋みのある力強い甲州の持ち味を引き出したかったと書いています。2023年は一部を特注の益子焼の甕で発酵させ、オレンジワインに仕上がりました。黄桃やオレンジの皮、茶葉の香りがあるとされています。

調査時点(2026年10月27日)の公式通販では、農民ドライ(白ワイン)が税込2,530円、農民ロッソのハーフボトル(375ミリリットル)が税込1,540円でした。

基本情報

創業
1980年(こころみ学園の考えに賛同した保護者たちの出資で、有限会社ココ・ファーム・ワイナリーを設立した年。ワインの醸造の認可は1984年)
人物
川田昇(1920〜2010年。ぶどう畑を開いた教師で、こころみ学園の園長)
代表的なワイン
第一楽章 / 農民ロッソ / 甲州F.O.S.
公式サイト
cocowine.com

足利のワイナリー一覧へ