Vino Storia

ワインのお話

岩手 / 花巻

エーデルワイン

EDEL WEIN

戦後の台風で痛手を負った山あいの町が、立て直しの手立てとして選んだのがぶどうでした。町と農協がつくった醸造所が、いまも町の農家のぶどうでワインを造っています。

  • 見学 予約不要
  • 見学無料
  • 試飲あり
  • ショップ
切妻屋根の木の外壁に半円の窓があり、「WEIN CHATEAU OHASAMA」の文字と、手前にチューリップの花壇がある直売店の建物
写真: Ty19080914 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons(長辺1280pxに縮小)

見学・予約

見学
予約不要・無料の工場見学(毎日10時〜15時
内容
圧搾・醸造、貯蔵と樽熟成、瓶の洗浄、瓶詰め、ラベル貼りと箱詰めの工程を、見学コースに沿って自由に見て回る
日時
平日・土日祝日とも
10時〜15時
料金
無料
申し込み
このページのフォームから。Vino Storia がワイナリーに確かめて、2営業日以内にご連絡します(手数料なし)
見学を申し込む

営業案内

営業時間
直売店ワインシャトー大迫 9時〜16時30分
工場見学 10時〜15時
定休日
年末年始(12月31日〜1月3日)
試飲
ワインシャトー大迫のワインサーバーで8種類(甘口4種・辛口4種)を無料で
併設のテイスティングルームで有料試飲(1杯30ミリリットル。例: 限定の生ワイン 赤100円、ゼーレ オオハサマ メルロー樽熟成 2019 450円)
ショップ
あり(直売店ワインシャトー大迫。約100種類のワインと、ワイングッズ・地元産チーズ・お菓子など)

試飲をするなら、運転しない人と一緒に行くか、タクシーを使ってください。
休館日は、見学とワインシャトー大迫のページでは年末年始だけですが、公式サイトの各ページの下の案内には「年末年始・冬季定休日」とあります。冬に行くときは電話で確かめると確実です。 情報は2026年10月27日時点で公式サイトなどから確かめたものです。条件は変わるため、お出かけの前に公式サイトでご確認ください。

アクセス

住所
岩手県花巻市大迫町大迫10-18-3
電車で
JR東北本線 花巻駅からタクシーで約30分
東北新幹線 新花巻駅からタクシーで約25分
盛岡バスセンターから岩手県交通のバスで大迫バスターミナルまで約45分、そこから徒歩約15分
車で
東北自動車道 花巻インターチェンジから約20km
釜石自動車道 東和インターチェンジから約18km

見学の申し込み

このフォームは予約の申し込みです。お申し込みを受けて、Vino Storia がエーデルワインに空き状況を確かめ、2営業日以内にメールでご連絡します。そのご連絡をもって予約の確定となります。

お申し込みの手数料はかかりません。見学の料金がある場合は、ワイナリーの定める額を当日お支払いください。ご希望日は、今日から3日後以降の日をお選びください。

見学の日時: 平日・土日祝日とも 10時〜15時

ワイナリーからの当日の連絡用

ワイナリーの話

エーデルワインとは?

エーデルワイン(EDEL WEIN)は、岩手県花巻市の大迫町(おおはさままち)にあるワイナリーです。早池峰山(はやちねさん)のふもとの町で、町と農協がお金を出し合ってつくった醸造所が始まりです。ワインの原料には岩手県で育ったぶどうだけを使い、大迫町のぶどう農家とともにワインを造っています。

始まりは、戦後の台風でした。1947年と1948年、カスリーン台風とアイオン台風が大迫町に大きな被害をもたらします。立て直しの手立てを探していた岩手県知事・国分謙吉(こくぶん けんきち)は、大迫に斜面が多く、雨が少なく、土地が石灰質であることに目を付け、ぶどうの栽培を勧めました。そのとき説いたのが「北上山地はボルドー地方に似ている」という考えで、会社のサイトは知事の言葉を「大迫を日本のボルドーに」と伝えています。


早池峰山のふもとの石灰の土

早池峰山の一帯は早池峰国定公園に指定されていて、町の水源にもなっています。公式サイトによれば、岩手県の中央を流れる北上川の東側(北上山系)は国内でも古い地層で、土に石灰分が多く、弱いアルカリ性です。この土と涼しい気候から、ミネラル感とキレのある酸をもったぶどうが穫れる、と会社は説明しています。

涼しさは、ぶどうにとって厳しさでもあります。造り手のページには、冬にマイナス15度を下回る日が続くと枝が凍らないかと祈るような気持ちになる、と書かれています。春の遅霜はもっと怖く、1998年5月11日の朝の霜では、ワイン用のぶどうが9割ほど枯れてしまったといいます。

畑の多くは、会社ではなく町の農家のものです。公式サイトの「ぶどうの匠」のページには、大迫の外川目(そとかわめ)や内川目(うちかわめ)の地区でワイン用のぶどうを育てる農家が、品種と面積とともに一人ずつ載っています。どの畑も8アールから90アールほどと小さく、植えられているのはロースラー(Rösler)、ツヴァイゲルトレーベ(Zweigeltrebe)、リースリング・リオンといった品種です。会社の栽培担当と農家が定期的に指導会を開き、農家ごとにワインを仕込んで公開のテイスティングも行っています。大迫の醸造用ぶどう農家は、土づくりと農薬・化学肥料の削減に取り組む「エコファーマー」の認定を受けているとされています。


歩み

知事の勧めを受けて、1950年に岩手県立農業試験場の大迫葡萄試験地ができ、県内で最初の本格的なぶどう栽培の奨励が始まりました。試験地を町に呼び込んだのは、初代の大迫町長・高橋繁造です。

1962年、町役場と農協が中心になって醸造所の前身「岩手ぶどう酒醸造合資会社」を設立し、ワイン造りが始まります。中心にいたのは、1960年から大迫町長を務めた村田柴太(むらた さいた)で、のちに初代社長になりました。公式サイトは、このころを「何もかもが初めてのことで多くの失敗や試行錯誤が積み重ねられ」たと振り返っています。1974年に株式会社エーデルワインとなり、翌1975年には、サントリーの前身である寿屋の山梨の研究所でぶどうを育てていた畑中清見が専務として加わりました。会社は、畑中が白ワイン「五月長根」を完成させ、ワインの質が大きく上がったと書いています。

ワイン専用の品種の栽培が本格的に始まったのは1981年です。1986年には、地元のワイン専用のぶどう園で穫れたぶどうだけで造る白ワイン「五月長根葡萄園」の限定販売を始めました。

社名は、早池峰山にだけ咲く高山植物ハヤチネウスユキソウにちなみます。この花がアルプスのエーデルワイスの近い仲間だとわかった縁で、大迫町は1965年にオーストリアのベルンドルフ市と友好都市になり、ワインの名前もエーデルワイスから取りました。ドイツ語で「高貴なワイン」を意味する「EDEL WEIN」の綴りは、そこから来ています。


代表的なワイン

五月長根 リースリング・リオンは、会社がいちばんの代表に挙げる「五月長根葡萄園」の名前を受け継ぐ白ワインです。リースリング・リオンは日本で生まれた白ぶどうの品種です。2025年産は、発酵が終わったあとの酵母の澱(おり)とともに4か月置く「シュール・リー(sur lie)」という造り方をしています。熟したグレープフルーツや洋梨、白い花の香りがあり、ほどよい酸に厚みとうまみがある、やや辛口の白ワインとされています。

ゼーレ オオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成は、大迫町で育ったツヴァイゲルトレーベだけを使い、樽で熟成させた赤ワインです。ゼーレ(Seele)はドイツ語で「魂」のことで、町の栽培農家と会社が「情熱と魂を込めた」限定品のシリーズと説明しています。ブラックベリーのような甘い香りに、ほどよい渋みと果実味がある辛口のフルボディです。同じシリーズのメルローやツヴァイゲルトレーベは、海外のコンクールで金賞を受けています。

月のセレナーデは、会社が「累計販売本数No.1」とする甘口のシリーズで、1996年に赤ワインから売り出されました。赤ワインとロゼワインは岩手県産のキャンベル、白ワインはリースリング・リオンから造られ、冷やして飲む軽い甘口です。

大迫の郷土芸能・早池峰神楽がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを記念した「早池峰神楽ワイン」もあり、赤ワインは岩手県産のメルローとロースラーを使った辛口です。

調査時点(2026年10月27日)の公式サイトの税込価格は、月のセレナーデ(720ミリリットル)が1,540円、五月長根 リースリング・リオン(2025年、750ミリリットル)が2,520円、ゼーレ オオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成(2021年、同)が5,170円でした。

基本情報

創業
1962年(大迫町と大迫農協の出資で前身の岩手ぶどう酒醸造合資会社を設立した年。株式会社エーデルワインの設立は1974年)
人物
村田柴太(初代社長)
小田嶋善明(代表取締役社長)
代表的なワイン
五月長根 リースリング・リオン / ゼーレ オオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成 / 月のセレナーデ
公式サイト
edelwein.co.jp

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