フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア

アルプスとアドリア海のあいだ
イタリアのいちばん北東にある州です。北はオーストリア、東はスロベニアと国境を接し、西はヴェネト州、南はアドリア海に面しています。州の土地の4割あまりを北の山が占め、残りが丘と、平野や海岸です。州都はトリエステ(Trieste)で、もうひとつの大きな街がウーディネ(Udine)です。
フリウリDOCの決まりの文書は、州の産地を山の南とスロベニア国境沿いの丘、中央の平野、海沿いに分けています。丘のうち、ウーディネ県の東寄りがフリウリ・コッリ・オリエンターリ(Friuli Colli Orientali)、ゴリツィア(Gorizia)県の北がコッリオ(Collio)です。東の丘の土は泥灰岩と砂岩がまじった地層で、フリウリの言葉で「ポンカ(ponca)」と呼ばれます。同じ文書は、丘の北にあるジュリア・プレアルプス(Prealpi Giulie)が冷たい北風をさえぎり、南へ40キロほどの海が寒暖の差をやわらげると書いています。コッリオの丘は第二次世界大戦のあとに国境で分けられ、いまのスロベニア側はブルダ(Brda)と呼ばれています。
白ワインの丘と、甘口のワイン
決まりの文書によれば、かつて丘の畑は白ワインを、平野はレフォスコ(Refosco)を主にした地元向けの赤ワインをつくっていました。20世紀のはじめのコッリオでは、ワインのおよそ9割が白ワインだったと記録されています。いまの決まりにも、白ぶどうのフリウラーノ(Friulano)やリボッラ・ジャッラ(Ribolla gialla)の名を付けたワインが並びます。
産地や品種、造り方の条件を満たしたワインだけが名乗れる名前を「原産地呼称」といい、そのうち条件のより厳しい区分をDOCGと呼びます。農業省の2026年3月の一覧では、この州のDOCGは4つ、DOCは12です。どちらも、リゾン(Lison)やプロセッコ(Prosecco)のようにヴェネト州などにまたがるものを含みます。DOCGのラマンドロ(Ramandolo)は、白ぶどうのヴェルドゥッツォ・フリウラーノ(Verduzzo friulano)だけでつくる甘口のワインです。決まりの文書によれば、多くの生産者は、協同組合が営む町の干し場へぶどうを運んで干します。主に白ぶどうのピコリット(Picolit)でつくるコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリットも、甘みのあるワインです。産地をゆるやかに示す区分(IGT)は、2026年5月の省の一覧で、ほかの州にまたがるものを含めて3つです。
雨の多い山と、いくつもの言葉
気候は、海沿いのおだやかな地中海性から、平野の大陸性、北の山のアルプスの気候まで変わります。雨はどこでも年に1,000ミリを超え、アドリア海の湿った空気を受ける北の山の斜面には、イタリアでいちばん雨の多い土地があります。州の東寄りには、ボーラ(bora)など東からの涼しい風が吹きます。
州は1963年に、特別な自治を認められた州として生まれました。Treccaniの百科事典によれば、フリウリの人々の自治への願いに応え、第二次世界大戦後に土地をユーゴスラビアに失ったトリエステとゴリツィアに居場所をつくるためでした。フリウリ語(friulano)を話す人が多く、ヴェネトの言葉やスロベニア語も使われ、州の憲章はどの言葉の人にも等しい権利を認めています。
